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石田恵海とひらばるれなの「ぺちゃくちゃ交換日記」石田恵海とひらばるれなの「ぺちゃくちゃ交換日記」

答・べきことべきじゃないこと

石田 恵海 │ 2021.10.15

ばるさんの「べきべき問題」日記、とっても興味深く読みました。
わたしは人生にとって「やるべきこと」は何ひとつないという考え方です。だいたいやっていることは「やるべき必要はどこにもないけどやりたいこと」、または「やるべき必要はないけど、しょーがねー、やってやるか」だったりするかなぁ。
思わず「べき」という言葉をつかってしまうと、言い直すくらい「NOべき」を意識しているかもしれません。

「べき」を使う場面って、「ハハとしてやるべき」「経営者としてこうあるべき」など、その属性のステレオタイプ的な理想に押し込めた表現に陥りがち。本当に「べき」なのか疑うことってとっても大切で、そこから自分らしい生き方につながるんじゃないかなと思っている。
だって、妻としてやるべきとか、社長としてやるべきとかさー、クソじゃない?(笑)

わたしは事業をするうえで、「できるだけ戦わない」を信条にしているのだけど、たとえば、「レストランは、カップルをターゲットにして、クリスマス限定コースを12月23日24日25日の3日間行う」というのが定番。言い換えれば「レストランは、カップルをターゲットにして、クリスマス限定コースを12月23日24日25日の3日間行うべき」ということだよね。
だけど、この3日間でカップルを取り合ってわたしは戦いたくない。というのと、レストランにおけるクリスマスはカップルがターゲットで、この3日間だけクリスマス限定コースをするのがマスト(しなければいけないこと)なのか?と「べき」を疑った時に、んなことなくねー?という答えが出た。

なので、うちのレストラン「Terroir愛と胃袋」では、昨年から12月1日から12月の営業終了日までの約1カ月間、クリスマス限定コースを設けて、カップルだけではなく、ご家族やご友人同士、お世話になった方など大切な方と過ごしていただくクリスマス月間に。
これがとっても好評で、ザ・クリスマスな23日24日25日ではない日からクリスマスコースのご予約が埋まっていきました。しかも、ランチでも召し上がれるようにしたので、女性同士のお仲間などクリスマスランチを楽しんでいただいています。

また、うちのカフェ「café yusan」で「きのこの佃煮ホットサンド」を出していて、それがじわじわと人気のメニューになってきているのだけど、軽食出したいねという話から、これもご近所のカフェでは出していないものという発想でメニューを考案。
「レストランならすべき」「カフェなら出すべき」という「べき」を取り払うことで、「できるだけ戦わない」が可能になるのでした。

考えてみれば、「べき」って、理想と戦ってしまう言葉なんだよね。

ということで、ばるさんの質問「恵海さんの『やるべき必要がどこにもないけどやりたいこと』はなんですか?」に答えるとしたら、「人生」かなぁ?

ぺちゃくちゃ交換日記
-都会と田舎でそれぞれ子育てしながら暮らす、ふたりのワーキングマザーの七転八倒な日常を綴る日記-

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交換日記は月のはじめと真ん中頃に往復する予定です。

研究員プロフィール:石田 恵海

つくるめぐみ代表
得意なテーマは自ら実践する「田舎暮らし」「女性の起業」「自由教育」。八ヶ岳ガストロノミーレストラン「Terroir愛と胃袋」女将であり、「自分らしい生き方」などをテーマとした編集・ライターでもあり、三兄弟の母でもあり、こどもたちをオルタナティブスクールに通わせている。「誰もが、オシャレしてメシ食って恋して仕事して、最期まで自分を生きられる、自立した社会づくりに貢献すること」を理念に活動。2020年より古民家一棟貸しの宿、棚田を愛でながらコーヒーを楽しむカフェ・ギャラリーも開業する。
Terroir 愛と胃袋

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