恵海さんがmaze研で連載してくれていたコラム「山梨移住でつくる暮らしと仕事」で、自由教育の学校に入学を決めた経緯が書かれた回をしみじみ読み返しています。“こどもがこどもらしくこどもでいられる時間”ってほんとに大事だなぁ。娘と宿題をめぐって親子共に毎日すり減ってる場合じゃないですね(笑)
私はいま住んでいる街が好きで、子育てのサポートは充実しているし、緑が多くて商店街は活気があるし、都心まで電車ですぐだし、フリーランスという仕事柄、いろんな人や仕事と巡り会える濃度と機会の多さを魅力に感じてきました。
ところが子どもが小学校に入って、自分の心の向きが変わってきたのを感じています。ここには色とりどりの体験が準備されていて、素晴らしいものがいっぱいあって、お金さえ払えばなんでもできるけど、自然に関してはどうだろう、と。
近所の小さな公園は自然とは違うし、いつでも混んでいて、ここでは順番を守るとか砂が隣の子にかからないようにするとか社会のルールを学ぶことのほうが重要視されていて。じゃあもっと子を自由に放てる自然豊かな場所に連れて行こう! と検索して予約して現場に出向いてお金を払って体験をさせてもらう。そしてまた日常へ、という繰り返しがいまの我が家の状況です。キャンプはじめました、ハマってます(笑)
先日、海の近くに引っ越した娘のお友だちに会いに行って、ちょうど引き潮の時間に海に連れて行ってもらったんです。娘は潮の匂いに「う……くさい」と絶句して、そこここに落ちているワカメやひじきや得体の知れない物体に「きたない……」とどん引きして、それからごつごつした岩場を転げないように真剣に歩きながら、水が溜まったところにいた魚の群れや貝、カニ、エビに驚いていました。すぐに「網で魚をすくいたい!」と夢中になって、一瞬で時間が過ぎて。私もめちゃくちゃ楽しかったです。
つい先日まで同じ保育園にいた友だちは、かっこいいマリンブーツを履いて「エビ、とれたよー」と日焼けした笑顔でにっこり。彼女はきっと、この場所がじきに満潮で海面に戻ることや、行ってはいけない場所、食べられる貝や海藻のことを知っているんだろうな。眩しかったです。
ぶつ切れの自然体験から自然がある日常へ。それをどう子どもたちと共有していけるだろうか、というのがいまの私の課題感。現状を悲観しているというよりは、これからいろんなことができそうだな、とわくわくしています。 恵海さんにはぜひまた自然に近い暮らしで感じたことを聞かせてもらいたいです。
ぺちゃくちゃ交換日記
-都会と田舎でそれぞれ子育てしながら暮らす、ふたりのワーキングマザーの七転八倒な日常を綴る日記-
2021.06.01 ばる 体験する自然と日常の中の自然
2021.05.14 エミ 子育て新章
2021.05.01 ばる 好きを耕す
2021.04.14 エミ 「もっと、わたしたち」計画
2021.04.01 ばる ふるさとの挑戦
2021.03.15 エミ ものがたりと知性とユーモアと
2021.03.01 ばる 卒園とハハ友
2021.02.15 エミ 過去にとらわれず、成長を恐れず、歳をとる
2021.01.05 ばる おこだわり!
2021.01.15 エミ ご無沙汰してます! Twitter
2021.01.05 ばる 2021
2020.12.15 エミ わたしたちがレストランで在ること
2020.12.02 ばる 次の人たちに
2020.11.16 エミ 開拓者魂たちの気配
2020.11.03 ばる 紅葉と体験を探しに
2020.11.02 エミ 秋深まり、田んぼにのぼり⁉
交換日記は月のはじめと真ん中頃に往復する予定です。
mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。