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石田恵海とひらばるれなの「ぺちゃくちゃ交換日記」石田恵海とひらばるれなの「ぺちゃくちゃ交換日記」

子育て新章

石田 恵海 │ 2021.05.15

子どもが夢中になれることで真剣にがんばっている様子って、どうしてこうも泣けるんだろうと思いながら、ばるさんの「好きを耕す」を読みました。

我が家は春に子どもたちがそれぞれ進級し、長男は小学校5年生、次男は3年生、三男は保育園の年少になりました。長男次男が通う自由教育の小学校は、学年関係なくプロジェクトごとにクラスがわかれていたり、「チョイス」という楽しい選択授業があったりするので、こどもたちがどのクラスやチョイスを選ぶのか、わたしまでわくわくしながら、子どもたちの選択を聞いています。

今年はけん玉がめちゃくちゃ上手な新しいおとながやってきたらしく(こどもたちの学校では「先生」とは呼ばず、「おとな」と呼ぶ)、次男はけん玉にドハマりして、すごいスピードで上達して、世界一周や野球、飛行機といったかっこいい技を見せてくれるほどになり、けん玉検定6級を今目指しています。

音楽やダンスが大好きで、歩いている時も常に踊っているような次男は、膝や体全体のリズムを感じるけん玉が上達したからなのか、近頃のダンスはキレがよかったり、体の動きにもなめらかさが生まれていたりして、次男の身体の動きの美しさに、かあちゃん、思わずウルウルきてしまうのでした。

一方、ものづくりの好きな長男は、今回はじめて加わった「鍛冶屋さん」というチョイスに、高学年の子しか入れない授業なんだと興奮していて、実際に入れた時は本当に嬉しそうでした。小学校の授業で鍛冶ができるってなかなかスゴいよね?

はじめてクギを溶かしてナイフづくりをした日、思った以上に熱かったり、かたちが小さくなってしまったと長男は話していたのだけど、最後に「やってみて、何がうまくできないかがわかったのがよかった」と言うので、長男の経験の受け止め方に感動してしまって、思わず夕食の準備をしていたその手を止めて、「ホントだよね。やってみてはじめて、何がうまくできないかがわかるんだよね」と心底、感心してしまいました。

すると、「うまくできなかったことで、次にやる時に何に気をつけたほうがいいかわかったから、次はもう少しうまくできると思うんだ」とまっすぐに言うので、長男がもう眩しすぎて、かあちゃん、またしてもウルついてしまったよ。

うまくできなかったことはけっして失敗ではないんだよね。何がうまくできなかったかを知ることができたわけで、それは次にうまくやるためのチャンスになる。

こどもたちはそうやってさまざまな経験から身体能力をつけたり、へこたれないタフな精神を身につけたりして、もはやわたしの知らない世界へと旅をし、たくましくなっている。

先日、止めた車からジャンプして表に出た長男に、何気なく「ストップ! 走らないよ」と声をかけたら「オレ、もう高学年なんだけど」と笑われ、ハッとしました。ハハもアップデートしていかないとなぁ。八ヶ岳の遅い春の訪れとともに、子育ても新しい章に入ってきたことを知るのでした。

ぺちゃくちゃ交換日記
-都会と田舎でそれぞれ子育てしながら暮らす、ふたりのワーキングマザーの七転八倒な日常を綴る日記-

2021.05.14 エミ 子育て新章
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交換日記は月のはじめと真ん中頃に往復する予定です。

研究員プロフィール:石田 恵海

つくるめぐみ代表
得意なテーマは自ら実践する「田舎暮らし」「女性の起業」「自由教育」。八ヶ岳ガストロノミーレストラン「Terroir愛と胃袋」女将であり、「自分らしい生き方」などをテーマとした編集・ライターでもあり、三兄弟の母でもあり、こどもたちをオルタナティブスクールに通わせている。「誰もが、オシャレしてメシ食って恋して仕事して、最期まで自分を生きられる、自立した社会づくりに貢献すること」を理念に活動。2020年より古民家一棟貸しの宿、棚田を愛でながらコーヒーを楽しむカフェ・ギャラリーも開業する。
Terroir 愛と胃袋

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