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石田恵海とひらばるれなの「ぺちゃくちゃ交換日記」石田恵海とひらばるれなの「ぺちゃくちゃ交換日記」

つないだり、つながらなかったり

平原 礼奈 │ 2023.07.07

恵海さん、この週末は久しぶりに山梨でキャンプしますよー!
日記に書いてくれた黄色い大きな橋、これまで何度か見かけていたけど、次は私もいつもと違う気持ちで見上げるんだろうな。

個人事業主になって今年で11年目。プロジェクトベースで多彩な感性やスキルを持つ人と協働して刺激を受け、目的が達成されたら解散して、また次のことが起こったときに新たな人とつながってという働き方をしてきて、目には見えないつながりの不思議さを実感しています。

最近は「こういうことがしたいから、この人とつないでほしい」とお願いされることも増えて、なんか私、つなぎ屋みたい。応援したいと思った人のためにちょっと動いて、その行く末を眺めていると、つながりというのはおもしろい性質をもっていることに気づきます。

まず、ナマ物感。同じ人や条件や内容であったとしても、サクッとつながって進んでいくことと、そうでないことがある。つながるためには理屈ではなく運や縁やタイミングの後押しが必要なのですよね。

そして、制御不能感。最初の狙いとは全く違う、明後日の方向に進んでいくことが多々。
あるとき「書籍がつくりたい」というリクエストで、ワークショップで大変お世話になっている人を、出版社で編集者をしているこれまたお世話になっている人につないだら、いつの間にか二人が結婚することになっていて、気づいたら仲人として私、結婚式でお祝いスピーチをしていた。数年後、本はできなかったけどかわいいお子さんが生まれて、いまもご家族で幸せに暮らしています。ってあれなんの話だったっけ、みたいな(笑)
つないだが最後、その後はそれぞれで響き合って、想像を超えた人生劇場が育まれていくのがとてもいい。

そして、運命の赤い糸感。この人とこの人がつながったら絶対なにか起こる! と居ても経ってもいられなくなることがたまにあって、そのときはおせっかいをやいちゃう。あと、誰かと誰かの偶然が3つ以上重なってるのを目撃したら、とりあえずお互いの存在をお互いにほのめかして様子を見る(笑)つながるべくしてつながるというか、そういうのってあるんだよなぁと。

とはいえ相手のあることなので、つながりたい人はいいけど相手の人にとってはえ……?ということもあるわけで、つなぐ側にも想像力や配慮が必要だなぁとも思う。

実は以前は、コネクタのような自分が嫌でした。つながって発電させたら終わりの人のようで、虚しさがあった。でもそこからファシリテーションの技術を学んで、人や仕事との関わり方ががらりと変わって、なにも減るものじゃないしつながりの出し惜しみをしないようにしようと思えるように。そうすると、つないだ後に巡り巡ってそこから育まれる幸せのおこぼれを、私もしっかりもらっているんだなぁと知ることができました。

つなぐにまつわる混沌とした私の感覚を、娘が描いた絵がピッタリ表していたので今日の写真にしてみました。

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-都会と田舎でそれぞれ子育てしながら暮らす、ふたりのワーキングマザーの七転八倒な日常を綴る日記-

研究員プロフィール:平原 礼奈

mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。

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