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石田恵海とひらばるれなの「ぺちゃくちゃ交換日記」石田恵海とひらばるれなの「ぺちゃくちゃ交換日記」

手話通訳士試験に挑戦して気づいたこと

ひらばる れな │ 2022.08.01

恵海さん、〝一人ひとり違う「異(い)だらけ」を楽しむ世の中づくり〟一緒にしていきたいです。

先週、手話通訳士試験(手話通訳技能認定試験)に挑戦しました。
学科が終わったところで、受かったら実技に進めるのですが、合格率は例年1割以下。
私は学科が受かったかどうか定かでないのですけど、受けてよかったーとしみじみ思っています。実は10年前にも1度受験したことがあり、そのときとは学びの味わいが変わっていたからです。

学科試験は、障害者福祉の基礎知識・聴覚障害者に関する基礎知識・手話通訳のあり方・国語の4科目。
出題範囲が広くて、勉強のやり方をなんとかせんといかんとなり、勉強が得意そうな仲間にその流儀を教えてもらうことにしました。

まず「参考書をじっくり一度だけ読み込むより、ざっとでいいから3回は繰り返し読む」というのが効きました。
なぜなら1回全部読んで把握できた!と思ったのに、2回目ページをめくったらすっかり忘れている自分がいたからです(笑)でも3回繰り返し読んだらなんとなく全体像がわかるようになってきて。

記憶力がまずいことがわかったので、覚えたい法律に身の回りの人のキャラクターをかぶせてみる、というのもやってみました。たとえば「障害者総合支援法」は前職社長のUさんのイメージで、Uさんがその基本理念を語り、各種施策を推進している具体的なイメージを浮かべる。すると不思議とその法律の人格のようなものが見えてきて、4択の試験問題がわからなくても、「Uさん(障害者総合支援法)はこうする気がする」と、2つくらいまで絞れるように。その法律の雰囲気と合う人を選ぶのがキモかと思います。

だんだんと、いろんなことを関連づけながら覚えていく学び方が自分に合うなと思うようになりました。たとえば「身体障害者福祉法成立は1949年。第二次世界大戦後4年の戦後混乱期にできた。経緯は障害者団体が福祉法制定を要求して臨時国会で成立とある。全日本ろうあ連盟はその2年前の1947年に伊香保温泉にて創立、やはり身体障害者福祉法よりもはやい。では戦前のろう運動は……」というふうに。複数の科目を横断しながら学べるし、流れで頭に入ってきやすいし。

なにより、仕事でダイバーシティや合理的配慮等と口にすることも多いのですが、その根っこで基本的人権を手にするために人々が行動して、時間をかけて法律や価値観が変化していまの福祉があることが、以前よりもくっきりと実感できるようになりました。

手話にしても、独自の文法を持つ一つの言語でありながら、法律上で言語として位置付けられたのは、2006年に国際的な条約である障害者権利条約で「手話は言語である」と定義され、2011年に改正された日本の障害者基本法で「言語(手話を含む)」と規定されてから。つい最近のことなんだという驚きと、なぜそれまで認められなかったんだろうという疑問を持つと、情報を集める見方も変わってきます。これから手話通訳をするときの意識も少し変わると思います。

部分から全体へ。悠久の歴史の中で強い意志とともに形作られてきた大切なものとして、この試験で求められる知識に触れられたことが前回にはなかったことです。
仲間たちの応援とご褒美食いろいろに鼓舞されて何年かぶりに受験勉強をした数ヶ月は、とても充実した時間でした!

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-都会と田舎でそれぞれ子育てしながら暮らす、ふたりのワーキングマザーの七転八倒な日常を綴る日記-

研究員プロフィール:ひらばる れな

mazecoze研究所代表・編集長
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育会社にて障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。
ダイバーシティプランニングを行う「hullabaloo」代表、ソーシャルデザインのしくみをつくる「PReNippon」共同代表、ノウフクPROJECTファシリテーター、久遠チョコレート広報など、様々なプロジェクトを推進。

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