English

「聴覚障害と聴導犬を広める」をテーマに活動する聴導犬ユーザーの安藤美紀さんが挑戦する、だれも社会から置いてけぼりにならないパソコン教室(9/26までクラファン実施中)

平原 礼奈 │ 2022.08.24
小学校で聴導犬の啓発活動中の安藤さん

こんにちは。
mazecoze研究所のひらばるです。

突然ですが、「聴導犬」をご存知ですか?

”聴導犬”と書かれたオレンジ色のケープを身につけています

聴導犬とは耳の聞こえない人をサポートする「補助犬」のこと。
補助犬は、身体障害者補助犬法に基づき認定された“障害のある人をサポートする犬”で、その種類には盲導犬・介助犬・聴導犬があります。

盲導犬の国内実働数が941頭なのに比べて、聴導犬は68頭(厚生労働省発表 平成31年3月1日時点)。日本ではまだまだその存在自体が認知されていません。

かくいう私もはじめて聴導犬と出会ったのは、2018年に株式会社ミライロさんにうかがったときでした。

ミライロの垣内俊哉社長と、もうお一人の対談相手が、聴導犬ユーザーで「聴覚障害と聴導犬を広める」活動をしている特定非営利活動法人MAMIE(マミー)の安藤美紀さんだったのです。

手話で講演する安藤美紀さん

取材中ずっと、聴導犬のアーミが安藤さんの横にぴたりとついていたのが印象的でした。

次の動画では、聴導犬ユーザーになって12年の安藤さんが、聴導犬の仕事や特性について手話で説明してくれています。安藤さんの後ろでゆったりしているのが聴導犬のアーミ。かわいすぎる。

聴導犬は「考える犬」

安藤さんは、聴導犬を知ってもらうことにとどまらず「インクルーシブコミュニケーションがとれる世の中」に向けたさまざまな活動を推進されています。

その中の一つに、社会課題解決教室として主に障害がある生徒に向けたパソコン教室があります。

安藤さんご自身、生まれつき全く耳が聞こえない聴覚障害がある中で、教育の過程で情報を得るために大変な思いをしてきたとおっしゃいます。
その経験も踏まえて、知的障害、発達障害、聴覚障害、不登校など様々な生徒さんに向けて、パソコンで力を伸ばし、学習の遅れやわからないところを取り戻すセミナーを精力的に実施されています。

これまではボランティア活動の一つとして継続していたそうですが、コロナ禍により障害のある生徒さんが増加。安藤さんは、みんなの不安を解消するためにも、1対1でオンラインでもパソコンを指導できるようレンタルパソコンを届けたいと、事業として取り入れていくことを決意。ただいまオンラインパソコン教室の生徒さん用のパソコンを購入するためにクラウドファンディングに挑戦中です。

安藤さんからメッセージもいただいたので、ご紹介します!
コロナ禍になってから、障害者の生徒さんが増えました。コロナ禍によって障害者にできるお仕事が少なくなりました。パソコン教室で頑張っている生徒さんが現在、18名いらっしゃいます。
彼らが持つ障害は、発達障害、知的障害、精神障害、聴覚障害とさまざまですが、未来に向けて自分に力がつくように日々、パソコンを頑張っています。
オンラインパソコン教室もこれから必要になることが増えます。そこでノートパソコンを増やし、彼らが使えるように準備をしたいと思います。
なんとしてもこのプロジェクトを成功させたい。そう思っています。どうかよろしくお願いいたします

安藤さんはこのプロジェクトのビジョンを「ハンディ。それは誰も持つもの。オンラインで学び、やがて社会のチカラになる」とおっしゃいます。
どこに行っても学べるパソコン教室。だれも社会から置いてけぼりにならない学びの場づくり」への奮闘を知って、ぜひ応援していただけたらうれしいです。

聴導犬のお話も、改めて安藤さんにお聞きできたらと思っています!

特定非営利活動法人MAMIE

(写真提供:MAMIE、安藤さん)

研究員プロフィール:平原 礼奈

mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。

「平原 礼奈」の記事一覧を見る

ページトップへ戻る