English

お知らせ:ダイアログミュージアム「対話の森」存続へ向けたクラウドファンディング実施中。体験して、贈って、応援しませんか?(2021/04/22まで)

平原 礼奈 │ 2021.02.26

ユニバーサルデザインアドバイザーの松森果林さん!

こんにちは。
mazecoze研究所のひらばるです。

“聞こえる世界と聞こえない世界をつなぐユニバーサルデザインアドバイザー”の松森果林さんをご存知ですか?

松森果林さん

中途失聴者として、聞こえる世界、聞こえない世界どちらも知っている果林さんは、ご自身の強みを「聞こえないこと」だと発信し、“聞こえない世界と聞こえる世界をつなぐユニバーサルデザイン”の視点で多様な活動に取り組まれています。
NHK「ワンポイント手話」の講師や「ろうを生きる難聴を生きる」司会、内閣府障害者政策委員会委員、映画のバリアフリーや、CMに字幕をつける活動に書籍の出版、講演、大学講師などなど、その活躍の場はスーパー幅広く。

私にとっては20年前から一緒にユニバーサルデザインを推進する仲間であり、ダイバーシティ街道を「ウフフ」と可憐に笑いながら爆走する姿が眩しすぎる大好きな先輩です。

対話の森と、ダイアログ・イン・サイレンス

そんな果林さんはいま、「ダイアログ・イン・サイレンス」のアテンドとしても活動されています。

ダイアログ・イン・サイレンス

~静けさの中の対話~
言葉の壁を超えて、人はもっと自由になる。
音のない世界で、言葉の壁を超えた対話を楽しむエンターテイメント、それがダイアログ・イン・サイレンス。
体験を案内するのは、音声に頼らず対話をする達人、聴覚障害者のアテンドです。参加者は、音を遮断するヘッドセットを装着。静寂の中で、集中力、観察力、表現力を高め、解放感のある自由を体験します。
そしてボディーランゲージなど、音や声を出さず、互いにコミュニケーションをとる方法を発見していきます。たとえ母国語の異なる人であっても、想像以上の交流が深まります。
公式サイトより引用)

ダイアログ・イン・サイレンスは、視覚障害がある人や聴覚障害がある人、高齢の人の案内のもとで対話を楽しむ体験型ミュージアム「対話の森」で体験できるエンターテイメントのひとつ。

私もダイアログ・イン・サイレンスとダイアログ・イン・ザ・ダークを体験したことがあるのですが、知覚を閉じたり開いたりする未知の感覚の中、時間を忘れるような、自分の内面にぐいぐいのめり込むような不思議な世界に誘われました。これは実際に体験してみなければわからないのではないかと思います!
ダークは2回行っていますが、毎回テーマが変わって、そうすると気づきの種類もまた違ってくるのがおもしろかったです。

“コロナ禍で分断が進む中、「対話をとめない」”

果林さんに、「ダイアログ・イン・サイレンスのこと、こんど取材させてくださーい」と話していた矢先の新型コロナウイルス感染拡大でした。

「聴覚障害は情報障害」とも言われる中で、マスクをすることが“新しい生活様式”となったいまでは、相手の人の口の形や表情から得ていた情報がさらに得にくくなった、という声をきくようになりました。

果林さんも、いまこそ必要なコミュニケーションのあり方についてメッセージを発信しています。ぜひ、こちらの記事をご覧ください。

「マスクの下の表情をさぼらないで!」聴覚障がい者が訴える緊急事態宣言の今こそ必要な5つの提案(FNNプライムオンライン)

そんな状況の中で、ダイアログ・ミュージアム「対話の森」では、“コロナ禍で分断が進む中、「対話をとめない」”ために新たな挑戦をしました。

そのひとつが、ダイアログ・イン・ザ・ライトです。

ダイアログ・イン・ザ・ライトができるまで FILMED BY SHIORI ITO

ダイアログ・イン・ザ・ライト
真っ暗闇の中を体験するダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)はどうしても3密に思われがちです。そして、日常もまるで暗闇のような状態にある今、必要なのは暗闇ではなく「光」ではないか―そう考え、DIDの暗闇に明かりを灯し「ダイアログ・イン・ザ・ライト」という世界初のプログラムを開催しました。もちろん、1.5メートルの距離をとって遊べるプログラムです。
人はいま、明るく安全の中で「リアルな関わり」を求めている。困難な「今」を照らす希望の光を暗闇に灯してプログラムに挑戦しました。(サイトより引用)

“豊かな未来は子どもたちのもの”対話の森存続へ

ダイアログ・イン・サイレンス 小学校での出張開催の様子

誰もが不安で苦しい今だからこそ、分断せずに関わりを持つための「対話」の場が必要”だと歩み続ける「対話の森」ですが、企業研修の中止が昨年から相ぎ、ミュージアムの存続も困難な状況にあるそうです。
現在は、クラウドファンディングにも挑戦しています。

すてきだな、と思ったのは、5000円のチケット1枚で、3人の子どもに「体験」を贈ることができるというリターンです。キッズ・ティーンアンバサダーに就任というリターンもありました^^
目標の2000万円を達成すれば、5000人の子どもたちの「体験」も可能になるのだそうです。
「対話の森」オープンに際して、“ダイアログを通して人と関わることの喜びと、互いを認め合う幸せを子どもたちに知ってほしい”という強い思いがあったとクラウドファンディングのページにも書かれていました。

いまこそ対話することに向き合いたい人、体験を子供たちや大切な人に贈りたい人、「対話の森」を応援し、育くみ、次の世代の人たちへとつないでいきませんか?
mazecoze研究所でも、これから松森さん、対話の森のみなさんにじっくりお話をうかがってみたいなと思っています!

(記事内の画像はダイアログミュージアム「対話の森」、松森果林さんより提供いただいています)

研究員プロフィール:平原 礼奈

mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。

「平原 礼奈」の記事一覧を見る

ページトップへ戻る