“みんなで考える「保活」”特集をはじめます!
インクルーシブ な「保活」をみんなで考えたい
「個人事業主の保活って、地面にめり込んだところからのスタートですよね。地上に出てすらいないっていうか」
「……セミ?」
2020年 夏の終わり。
セミの鳴き声を聞きながら、個人事業主であり「保活」中のmaze研 研究員 福留千晴さんとチャットしていたときの会話です。
「保活」について話し出すと止まらない私たち。
鼻の奥がツーンとなってくる体験が出るわ出るわ。
私が長女と次女の「保活」を経験したのは数年前。
個人事業主ということで、会社員と比べるとポイントが足りず、記入枠を超えて手当たり次第申し込んだ認可保育園には入れませんでした。
すがるような気持ちで片っ端から連絡した認可外保育園はすでに定員オーバー。
行き場のない不安と悲しさと怒りに押しつぶされそうでした。
紆余曲折あって、ありがたいことに、いま子どもたちは保育園に通えています。
現場の保育士の先生方の献身的な保育に心の底から感謝しています。
保育をお願いできることで、私も安心して働き続けられて、仕事を通じてたくさんのつながりとやりがいを見出してきました。
そうした状況の中、先生方への感謝を踏みにじってしまうような気がして、私の個人的な「保活」について書くことはしてきませんでした。「保活」で経験した怒りや悲しさをすっかり忘れ、自分の活動に夢中になっていたというのもあります。
でも、福留さんにいま起こっていることが書かれたコラムを読んで。
これからの教育と、本当の働き方改革
働く親の「保活」の苦難は続いているんだと改めて感じました。
2016年2月の「保育園落ちた日本死ね!!!」から4年。日本の保育制度はどう変わったのか?
それぞれに多様な理由があり、働きたい、働かざるを得ない状況の人が、ただ働くことを許されない状況に、何かできることはないだろうか?
mazecoze研究所では、ささやかな行動として、“みんなで考える「保活」”特集をはじめます。
個人事業主という「保活」少数派を経験した当事者として。
いま戦っている人や、次の世代の人たちに少しでも多様な選択肢を届けられたらという願いを込めて。
「保活」の問題は、社会課題と広く密接に結びついています。
働き方改革、男女雇用機会均等、人口減少、日本のサステナブルな経済成長など。
ここでは母や女性だけではなく、もっと包摂的に、多様な立場の人がこの問題を知り考えていく場にしたいと思います。
誰かを責めるでも怒るでもなく、新しい「保活」のあり方を切り拓くために。
明日は、“みんなで考える「保活」”第1弾「保育制度のはざまにめり込む個人事業主の「保活」対談」を公開します!
mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。