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※この記事は、mazecoze研究所が「True Colors CARAVAN」広報チームとして企画制作した“マガジン”を、当メディアにも転載するものです。True Colors CARAVANの開催と連動して随時連載いたします。

目次

True Colors CARAVAN の旅が次に降り立った名古屋は
パフォーマーのパワーも想いも溢れ出る、アツイ場所でした

こんにちは。True Colors CARAVAN広報チームのたけまるです。
2022年5月28日(土)、名古屋はピーカンのお天気! 午前中から気温はぐんぐん上昇し、お昼前には30度を超えて、今年初めての真夏日を記録しました。
真っ青な空の下、True Colors CARAVAN(以降CARAVAN)の黄色いバスは、出発式の東京を経て全国各地域で最初の開催地、名古屋アスナル金山 「明日なる!広場」に到着です。

全国CARAVAN第一弾のステージでは、ゲストアーティストのディジュリドゥアーティスト/画家のGOMAさん、パーカショニストの辻コースケさんをはじめ、地元名古屋のダンスサークルJOY☆UPのみなさん、ダンサーのNamiさん、TOMOさん、masae.さん、クマPOOさん、堀田聖奈さんがCARAVAN Performersと共に登場し、からだから溢れるパワー全開のパフォーマンスを展開。圧巻のステージに会場は自然と巻き込まれていきました。

「SCHOOL OF LOCK!」SOCIAL LOCKS! 課外授業では、パーソナリティのこもり校長(小森 隼さん)とぺえ教頭(ぺえさん)に加え、須田亜香里さん(SKE48)も登場。トークステージでは、心に響く言葉が満載でした。

今回のCARAVANマガジンでは、前日のリハーサルからステージまで、名古屋地域のパフォーマーたちとCARAVAN Performersがコラボレーションステージを生み出す様子と、みなさんの想いを中心にお届けします。

>CARAVAN のコンセプトや楽しみ方はこちらの記事もご覧ください

True Colors CARAVAN in Nagoya
日時:5月28日(土)11時〜18時
会場:アスナル金山 明日なる!広場
主催:日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS
助成:日本財団
公式サイト:https://truecolorsfestival.com/jp/program/CARAVAN/

リハ&ワークショップに潜入!
名古屋で活躍するパフォーマーとCARAVAN Performersのクリエイションはここから始まる

全国を巡るCARAVANは、各地で活動するパフォーマーたちと共にステージを創り上げます。
コラボクリエイションは本番前日からスタート。まずは前日のリハ&ワークショップに潜入してみましょう。

会場には地元ダンスサークルJOY☆UPとCARAVAN Performersが集まっています。

JOY☆UPは2013年に始動しました。
愛知県小牧市、春日井市、北名古屋市を中心に、様々な障害のある子どもたち、大人たちも一緒にダンス好きなメンバーが集まり、月に2回の活動をしています。
表現する喜びを大切にし、ありのままの姿で踊るダンサー達は、イベントやダンス発表会で活動中。メンバー同士だけでなく、周りの人も巻き込んでダンスを楽しむ素敵なサークルです。

そんなJOY☆UPのメンバーに、CARAVAN Performersのテコエ勇聖さんは「テコちゃんて呼んでね。先生じゃないよ〜」と言いながら、好きなものを聞いたり、普段の話を聞いたりして、緊張をほぐしてくれています。「めちゃくちゃ仲良くなるつもりだからよろしく」と話すテコちゃんに、みんなも笑顔でおしゃべり。
エアリアルパフォーマー、コントーションパフォーマーとしてフリーで活動するダンサーの堀田聖奈さんも、一緒にストレッチしながら寄り添っていました。


全員集まったら輪になってワンポーズ自己紹介。みんなのポーズも決まっています。

「なによりも楽しんでいきましょう」
CARAVAN PerformersリーダーDAIKIさんの言葉にみんなもだんだん楽しくなってきているようです。

明日のステージの振りつけ要素を取り入れた準備体操的ダンスで、さらにコミュニケーションもスムーズになっていきます。音楽に合わせるとみんなかっこいい。振りを覚えるのがとっても早いです。

JOY☆UPをまとめるインストラクターのNamiさん、masae.さんは、メンバーのいつもの様子をよく知る2人。ワークショップが始まっても、すぐにみんなの輪には入れないメンバーに、決して無理のないように声をかけながら、優しくペースを整えてあげています。張り切っているメンバーには、さらに気持ちをぐいっと後押ししています。

ストリートダンサーのクマPOOさんも初めての参加にもかかわらず、すぐにみんなと溶け込んでいます。まるでみんなと昔から知り合いみたいな距離感です。いいなあこのキャラ!

コール&レスポンスの練習では、DAIKIさんのコールに応えながら、自分でもやってみたい!とJOY☆UPメンバーもかっこいいリズムを繰り出していました。
かっこいいと思ったらみんなが「かっこいい〜!」と素直に褒めながら、みんなでレスポンス。パフォーマンスはどんどん熱気を帯びていきます。

新しい振りを覚えながら、本番の流れも確認。ここでもCARAVAN PerformersのNAGAさんやDAIKIさんが「間違ってもいいよ!思い切りね!楽しんで!」と声をかけます。それに後押しされて、回数を重ねるごとにどんどんみんなの動きが大きくしっかりしていきます。みんなかっこいい〜。

HARUKIさんがヒューマンビートボックスを披露すると、「おお〜。すごい〜!」と声が漏れます。自然と踊り出してしまうメンバー続出。
周囲で見守る保護者の方々も、クラップや振りを一緒にやって応援の気持ちでみんなを後押ししています。
メンバー同士から「がんばれ〜」という応援の声も飛び交い、自分たちで気持ちを盛り上げて、どんどんダンスがよくなっていて、これは明日が楽しみです。

そこにいるみんなが自然に認め合えるワークショップは
みんなで支え合うからこそ生まれている

実はこの日、JOY☆UPのメンバーではないけれど、リハ&ワークショップを見学に来た方がいます。脊髄性筋萎縮症(SMA)なので移動式ベッドでやってきました。彼女は目でコミュニケーションをとるそうです。ダンスの様子を見学しながら、みんなと一緒に目でリズムをとっていました。
休憩中にはJOY☆UPメンバーが彼女の周りに集まって、おしゃべりに花が咲く場面も!

このリハ&ワークショップは、もちろん明日の本番の流れや振りを確認するためのものです。でもリハーサルのなかに流れていたのは、みんなが何を大事にして一緒に創りあげようとしているかという気持ちの確認と交流の大事な時間でした。たった数時間でも、一気に分かりあえるのはパフォーミングアーツの魅力の一つですね。
お互いが、言葉がなくても自然に認め合いながら、クリエイションは進んでいきました。自然と相互に支え合い、熱を帯びつつも優しい雰囲気は、パフォーマーたちを中心に、ステージには立たない保護者、運営スタッフ、見学者をも巻き込んで、波紋のようにどんどん広がって、みんなすっかりその波に包み込まれているようでした。

さあ、明日は本番です!いくぜ!

パフォーマーたちの感性が混じり合うステージが始まります

一夜明けて、いよいよCARAVANのツアーステージ開幕です。
朝から快晴!輝くステージを予感させるお天気です。
入り口には開場を待つお客さんの長い列もあって、会場の期待値はマックス!

この日は、名古屋のダンスサークルJOY☆UP/クマPOO/堀田聖奈/CARAVAN Performersのパフォーマンスステージが2回あるほか、GOMA/辻コースケ/CARAVAN Performers/堀田聖奈のゲストパフォーマンスステージ、SCHOOL OF LOCK!「SOCIAL LOCKS!」課外授業など魅力溢れるプログラム満載でした。レポートでは、名場面ピックアップのいいとこ取りでお届けします!

まずはパフォーマンスステージのレポートスタート!

カラフルな魅力が集結のパフォーマンスステージ

CARAVANバスのクラクションが鳴り、CARAVAN Performers徳永啓太さんが選曲した音に乗って、メンバーが次々に降りてきましたよ。スタートからそれぞれの個性的なダンスは、会場を一気に魅了していきます。

そこにJOY☆UPのみんなも登場!
カラフルで、賑やかなステージに!

自分のスタイルで踊るシーン。めちゃくちゃ楽しそうにオリジナルダンスをアピールします。

クマPOOさん、Namiさんも一緒に弾けています。

JOY☆UPのダンスの魅力は、ありのままの姿でステージに出て、表現するところです。インストラクターのNamiさんは「ちゃんと踊れるようにとか、カッコよく踊れるようにとかも大事にしつつ、振り付けをどれだけアレンジして好きなように踊ってもよくて。もう何も規制はなく、特にあーしろとか、こーしろとか言わないでレッスンを進めているんです」と教えてくれました。

キメるところはバッチリとキメていきますよ。

名古屋の青空を抱くような大きなダンスでした。
それぞれの個性的な表現にパワーを感じます。

見る人も思わず笑顔のダンスバトル!

パフォーマンスステージの見どころの一つは、名古屋パフォーマー vs CARAVAN Performersのダンスバトル!選ばれた3組の対決です。
会場のみなさんは、かっこいい!すごい技!と思ったらかけ声や手話拍手(両手を上げて掌を細かく振る)とクラップで盛り上げていきます。

1組目はNami vs NAGA。笑顔いっぱいで躍動感のあるダンスを繰り広げます。

バトルするのが楽しい!うれしい!

踊るのが楽しいってことが伝わってくるこの笑顔!
お客さんも大きな拍手で盛り上げます。

2組目はゆーすけ vs かのけん。2人のコラボレーションダンスのようなバトルが繰り広げられます!

JOY☆UPのゆーすけは、フリーダンスで自由な表現力がとても魅力的とコーチも大絶賛のダンサーです。このダンスバトルのためにブレイクダンスに初めてチャレンジすると決めて猛練習しました。

3組目はクマPOO vs DAIKI。
クマPOOはHIP HOPとKRUMPの二つのジャンルをこなすストリートダンサー。DAIKIへ挑発的なダンスでバトル開始。

DAIKIも激しいダンスで対抗です。

ダンスバトルが進むにつれて、2人ともどんどん笑顔になっていきます。バトルが楽しいのが全身に表れてる!最後はハグで終了しました。

パフォーマンスステージのラストは会場一体のコラボレーションダンス

JOY☆UP と名古屋パフォーマー、CARAVAN Performersが全員ステージに集結して、パフォーマンスステージはクライマックスへ。
テコエさんが会場のみなさんに一緒に踊ることを呼びかけます。
「手を開いて、手を集めて、芽が出て、お花が咲きます。しっかり手を空に向かって伸ばして、自分の花を咲かせていただきたいです。そのあと、左右にひらひらと風が吹きます。いい感じです」
ここまでの盛り上がりのまま、会場も巻き込んだコラボレーションダンスに、お客さんも思わず踊ってしまいます。

ラストは優しい表情で踊るみんな。

全国各地にダイバーシティ&インクルージョンの種をまき、この街にみんなの胸に、これからの未来に花を咲かせるプロジェクトのCARAVAN。そんなCARAVANならではの、種から芽が出て花が咲くダンスで会場は一体感に包まれます。思わずステップを踏んで踊っちゃう子どもたちもかわいい。

CARAVANと一緒にSOCIAL LOCKS!課外授業も名古屋にやってきた!

「SCHOOL OF LOCK!」番組内のTrue Colors Festival のコラボレーションコーナー「SOCIAL LOCKS!」の課外授業もCARAVANと一緒に全国を旅します。
SOCIAL LOCKS!は毎週1人の生徒(リスナー)の声を聞かせてもらい、今の10代の生徒の現状や思い聞かせてもらうコーナーです。

今回はパーソナリティのこもり校長とぺえ教頭に加え、亜香里先生、GOMA先生がゲストで登場です。亜香里先生は愛知県出身で、会場のアスナル金山の広報も担当しているそうです。
*SCHOOL OF LOCK! ではラジオ内の学校ということでゲストを先生と呼びます。

「見た目が違っても受け入れやすくなるにはどうしたら……」10代からのメッセージに、4人からの言葉が贈られます

GOMA先生は交通事故で外傷性脳損傷による高次脳機能障害と診断されました。その時にアーティスト活動を一度リセットされてしまったそうですが、復帰には、娘さんの言葉が後押しになったそうです。

この課外授業では毎回10代からメッセージをいただいています。今日も2つのメッセージが届きました。
ひとつめは、見た目が他人と違っていて、受け入れてもらえるかが心配というメッセージです。
ふたつめは自分の性自認を他人にアウティングされて傷ついたというメッセージでした。
4人からは、「過ごす時間が多ければ自然と内面が伝わるということや、何かを信じる時は対象じゃなくて、『信じた自分』を信じてあげること、『自分の力』を信じてあげることが大事」という話がされました。

詳細はSOCIAL LOCKS!レポートもご覧ください!

「SCHOOL OF LOCK!」はラジオの中の学校ということで、授業の終わりには、いつも黒板を使ってメッセージを書いています。さて、今日の4人はどんな言葉を書いてくれたのでしょうか?

撮影:樋口隆宏(TOKYOTRAIN)

GOMA先生
「全てはつながっている」
僕は交通事故で後遺症が残りました(外傷性脳損傷による高次脳機能障害と診断された)。それが発表されたとき、上っ面だけのお付き合いをしていた人は、全部1回離れちゃった。それがつらくて悲しくて。でも、「なんでなんやろ?」って考えてたどり着いた答えは、「結局自分がやったことが全部自分に返ってきてるんだな」ということ。心を開いてつきあっていた人は、自分がどうなってもずっと変わらず応援してくれていたんです。それがすごく勉強になりました。だから、全てはつながっている。

亜香里先生
「信じる」
私、何か悩んだり誰かの話を聞いたりするときに、なんとかしてあげなきゃとか、どうしたらよくなるだろうって一緒に考えることが多いんです。でも、結局自分のことを信じてあげる力が大事なんだって、GOMA先生のお話がすごく刺さりました。この言葉がいま響いているので、「信じる」と書きました。

ぺえ教頭
「愛し愛され求めすぎず」
世の中にはたくさんの感覚や感性を持った人たちがいて、認め合いながら生きていくことがすごく必要ですよね。人を愛することができれば、おのずと自分自身も愛される人間になると思うんだけど。他人に期待しすぎて裏切られることもあるし、求めすぎたかなとか、信じすぎたかなとか。それを己の心でしっかり線引きして、地に足つけて生きていく必要があるんだろうなと。誰かや何かを信じすぎないことも、自分を守る方法だと最近生きてて思うの。なんかあったわけじゃないんだけど。

撮影:樋口隆宏(TOKYOTRAIN)

こもり校長
「今」
僕は、「今」と書かせていただきました。今日この瞬間に感じたことを、もし誰かと接する時にこうしようと心掛けたなら、そのとき思ったことを信じて! 自分が正解なんじゃないかなと思うことをどんどん表現しながら、それを認め合える世界になればいいなという思いを込めました。皆さんの今が、より豊かな今になることを願っています。

須田さんとGOMAさんにはさらにインタビュー!自分の経験からのメッセージをいただきました

須田さん
この会場で素敵だなと思ったのは、会話に合わせて画面に文字のテロップが出ていたり、手話をしてくださる方いたり、それが自然に成り立っているところです。すごく幸せな気持ちになりました。こうあってほしいし、こうあるべきなんだろうって。
パラリンピックの記者としていろいろな方に取材をさせていただいた時に、「みんなと同じ普通でいたいんだ」というのを障害のある方がおっしゃっていたのが印象的だったんです。
障害のある方のためにみんなでどうにかしようと、環境を変えたりバリアフリーが推進されるのはとても大切なことなのですが、何かそうして特別に意識しないと共存できていないという見方をするならば、まだ課題があるのかなと。CARAVANではダイバーシティとインクルージョンが自然に成り立っていて、こんなふうにあれたらみんなが自分を認められるのかなと感じました。

GOMAさん
いろんな人がこの会場のエネルギーを作っています。
みんなでステージに立って音楽をしていると、それぞれの差異が感じられなくなって、発するエネルギーがまじわりますね。
僕は自分のチャレンジを止める人は2人いると思っています。一人は自分の近親者。そしてもう1人は自分自身です。それを振り切って、何が起きてもどこまでも自分を信じればいい。絶対に自信や、自分の道を開くことにつながると思います。

プロフェッショナルの技が光ったゲストパフォーマンス

スペシャルゲストのGOMAさん、辻コースケさんと、CARAVAN Performers、堀田聖奈さんによるゲストパフォーマンスのステージも圧巻でした。
青空と太陽の日差しに、ディジュリドゥの低音サウンドが似合います。さすがオーストラリアの大地の楽器。辻コースケさんのパーカッションも絡み合い、2人だけで奏でているとは思えない迫力でした。

GOMAさんは、東京パラリンピック開会式で光のトラック入場曲を担当されていました。
車いすダンサーのかんばらさんも、実はもともとGOMAさんのファンで、今日ステージで共演できることを楽しみにしていたことをステージ上で告白!

CARAVAN PerformersのEriさんは、バレエの美しい動きで、ディジュリドゥの低音の波に乗って流れるように踊ります。

エアリアルダンサーの堀田聖奈さんは、軟体の動きでバランスの素晴らしいダンスを披露。バランスポーズが決まるたびに観客から拍手が起こりました。
Eriさんも聖奈さんも、美しい〜。

GOMAさんのファンだというかんばらさんの情熱的なダンスに他のパフォーマーのダンス魂に火が着いたのか、低音で響くディジュリドゥとパフォーマー達の途切れることのない動きが織りなすダンス。
もう、ずっとずっと観ていたい。

観客もジョインしたくなるCARAVANの魅力

実は昨日リハにも見学で来てくれていた方が、今日も移動ベッドで観に来てくれました。「GOMAさんのパフォーマンスが観たかったんです」とステージ後にご家族の方が声をかけてくれて、お話しができました。彼女は目でリズムをとって楽しんでいたそうです。「目で踊るんです」という話にGOMAさんも驚いていました。
ステージ上には個性あふれるパフォーマーが集結していますが、観客も個性あふれる方々が来ていて、障害を垣根としないダイバーシティ&インクルージョンなCARAVANの魅力が、ここにもありました。

フィーチャリングインタビュー!
障害者の親として、表現者として、様々な立場から
発信者であり続けることで未来へ手を伸ばす名古屋のパフォーマーたち

ステージの合間に、名古屋の出演者のみなさんにもインタビューさせていただきました。
そこには、地域におけるダイバーシティ&インクージョンを巡る課題が浮き彫りになりつつも、CARAVANで見えた希望とみなさんの溢れる想いがありました。


堀田 聖奈さん

私はダンスでコミュニケーションをとるようなところがあって、踊りを通じて、言葉が通じない子とも踊りを通してお友達になっていきます。
障害っていうよりも個性やなあって。
そう考えたら、私のどこかにあった、どうやって接したらいいかなとか失礼じゃないかなと思う部分が、あ、そういうことじゃないなって。今回改めて感じたなと思います。
ダイバーシティやインクルージョンってダンスの業界では起こっているんじゃないかな。いろいろでオッケーみたいなところがあるので、それが社会全体に広がっていくイメージ。すると、イベントの時だけじゃなくてみんなの意識が変わっていくんだろうなって思います。私は自分の活動でそういうことをやっているのかな。

クマPOOさん

娘が重度障害児です。障害を抱えて生まれてきたところから、福祉・障害という部分に関してはすごく重きを置いています。
障害って言われるとすごくマイナスなイメージになるのが、僕たちにとってはちょっと嫌でして。「大丈夫ですか?」みたいにされることに違和感もあって。そうじゃなくて普通に扱ってくれたらって思う部分もあるし、でも反面優遇されないとなかなか行けないところもあります。その辺りは葛藤があるんですけど。JOY☆UPと関わることや、このCARAVANに出ることは、僕たち親子にとっても特別な意味があります。

JOY☆UPの表現を見ていると、彼らのパワーとか内面に秘めているものの素晴らしさって感じますし、彼らの表現は多種多様っていうか、色がいっぱいある。
名古屋だけに限らず全国で自分がやっていることを発信することによって、全国で教えさせていただいた子たちに届くんです。みんなも福祉と関わっていたりして、お互い勇気をもらえる。やっぱり発信する意味はあるなあって思います。全国のみんなと今自由にいろんなことができているのは本当に幸せなことなんだよって話がしたいです。

ちなみにクマPOOさんに名古屋の魅力を聞くと

美味しいご飯!(笑顔)と福祉の柔軟さ。
名古屋では医療器具を購入するときにいろいろな助成があったり、ユニバーサルデザインの施設が多かったり、地下鉄なども、車椅子で乗ったときに場所を空けてくれるし、エリアが決まっているので利用者目線としても利用しやすいなと感じています。

Namiさん

JOY☆UPは2013年から開始をしたので今年で9年になりますね。
私自身が音楽療法士とダンスのインストラクターとして仕事をしていて、障害者が踊りたいけど場所がないという話を聞いて、まずは場所をつくることが目的でした。
音楽療法士としての経験で、その場で起きることをキャッチして目配りしながら進めていくのですが、いつも私は横にいるだけで、みんな自分の力でいろんなことを乗り越えていましたね。

JOY☆UPの特徴は、もう、ありのままの姿で出てもらうとか表現してもらうことです。かっこよさは追求しつつ、振り付け重視じゃない。みんなオリジナルで好きに踊っていいんです。揃ったらつまらないっていうのがあります。一人一人を見てもらえればいいなと思っています。どの子を見てもおもしろいというか、いいもの持っている子ばかりなので。それがなぜかみんなでガッと踊った時に、まとまってはないけどまとまっているようなパワーがあります。JOY☆UPの良さはそこですね。
頭で考えずにありのままの表現ができる世界というか。伝わるものがあるんです。私はJOY☆UPの子たちに憧れているんですね(笑)迷いがない!

今、私の周りでは、障害者についていろいろ感じても1歩踏み出せてないという声を聞くんです。音楽療法士の中でも、ダンスという一歩を踏みだすのがダンスをやってない人からしたら大きいハードルになっています。またダンサーからすると、福祉の知識がない中で、安易に障害のある方と関わっていいのかという声をよく聞きます。私としては、とりあえず関わってパワーを掴むだけで、言葉にできないものが生まれるよね、と。振り付けがどうとか、ダンス踊れる/踊れないという考えを取っ払って、とりあえず感じるものを共有できたらなあって思います。みんなが関わるきっかけを作っていきたいですね。

今回のCARAVANは、いろんな世界を見てもらえる場になっています。通りすがりであっても、何かしらのきっかけ作りになるんじゃないかな。
JOY☆UPのようなサークルも増えて欲しいなと思いますし、障害のあるお子さんの親御さんに関しても、内にこもりがちな部分を、CARAVANを通して共有してもらう、そしてその影響が全国に広がることに期待しています。

JOY☆UPインストラクターの、masae.さんとTOMOさんも、CARAVANを支えてくださいました!

masae.さん
TOMOさん

ダンスバトルに出てくれたゆーすけさんにも、一言いただきました!

ダンスバトルに出てハードでしたけど、すごいうれしかったです。
昨日も練習してて、その前も練習してて、がんばりました。
これからもJOY☆UPを続けられるようにがんばりたいです。

DAIKI 感涙!名古屋ありがとう! 広島のみなさん、待っててね。

2回目のパフォーマンスステージのラスト、みんなでありがとうの挨拶をしている時に、DAIKIさんが感極まって涙するシーンがありました。

DAIKI
「このプロジェクトは今年の春にちゃんと始動して、パフォーマーのみんな、それぞれ生きづらさを感じながらも自由を求めてやりたいことをやってきている人たちが集まっています。それぞれ苦手なことや得意なことがバラバラで、ぶつかってもきました。その中でこうして、コロナ禍で、芸術活動や遊びにもなかなか来られない、家からも出られない人たちがいる中で、こうやって足を止めてみてくれた皆様に、感謝したいです。
障害とか国籍とか、人と違うことなんか全然関係なくて。僕たちが種であり、そして花を咲かせるのは、僕たちであり、皆さんである。ここに来たことも種だし、今日、それをおうちに持って帰ったりとか、ふだん障害のある人と出会ったときとか、友達にいたりとか、そういうときに覚えたことが花だから、それぞれの花を咲かせてほしいと思います」

リーダーとしてみんなをまとめて引っ張ってきたDAIKIさん。名古屋のみんなと一緒にパフォーミングアーツで伝えあったそれぞれのCOLORは、しっかり種となって芽を出して行くと思います。
名古屋のステージはCARAVANが全国を巡る意味を実体験としてみんなと共有できた、最高のステージになりました!

CARAVANは次の地、広島へと向かいます!

さあ、バスは次の広島へ向けて出発です。
どんな仲間たちが待っているのでしょう。広島のみなさん、お楽しみに〜!

True Colors CARAVAN in Hiroshima 詳細

2022年6月19日(日)11:00-17:00
場所 アリスガーデン(広島市西新天地公共広場)
[ゲスト] 大前 光市/ぺえ教頭(ぺえ)/とーやま委員(遠山 大輔)/景井 ひな/[司会]大窪 シゲキ

取材・執筆:竹丸草子(True Colors CARAVAN広報チーム)
撮影:鈴江真也
取材日:2022年5月28日

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