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「チョコレートで魔法をかける」。多様な作り手が連携して生み出す久遠チョコレート

平原 礼奈 │ 2020.02.08
こんにちは。mazecoze研究所のひらばるです。 2月、そう、バレンタインです! 本命チョコ、義理チョコ、友チョコ、ご褒美チョコ、さまざまに楽しいチョコレート祭り月間でございます。 今回は、私がこよなく愛する、そして好きが高じて3年前から広報として関わっているチョコレートブランドについて、ここぞのタイミングで書きたいと思います!

多様な人が連携してつくるチョコレート

そのブランドの名は、久遠チョコレート
久遠チョコレート 一般社団法人ラ・バルカグループが運営するチョコレートブランド。 直営店と福祉事業所等を母体にしたブランチ店舗があり、全国で24店舗38拠点を展開中(2020現在) 障害がある人や、障害があるお子さんを持つ保護者、不登校の状況にある中高生など、多様な人が共にチョコレートを作っている。

店舗外観(豊橋本店)

店舗内観(浜田山店)

久遠チョコレートの何がすごいって、とにかく美味しいのです。 贈るとみな悶絶、感激してくれて、自分の株が上がるのを感じます(笑)

個人的に一番好きなディスカバリーシリーズ

障害がある人が作っていることや、社会貢献的な視点が前面に出るのではなく、シンプルに美味しい、贈りたいが叶うブランドとして。 そして知れば知るほど、物語があって何重にも味わい深い。

2/14まで開催中の、“日本一のバレンタインの祭典”名古屋タカシマヤ「アムール・デュ・ショコラ」は、昨年比2倍のスペース!

戦略的なビジネス思考で最高のチョコレートを提供する。 それが、多様な作り手さんのショコラティエとしての腕を磨き、誇りを持って継続的な収入を得ることにつながっていて。 サステナブルな循環が、久遠チョコレートそのものだと感じています。

誰も排除しない魔法の素材

久遠チョコレートでは、「チョコレートで魔法をかける」という表現をするのですが、代表の夏目浩次さんは、「チョコレートは奇跡の商材」だと言います。
  • 工程を分割することができて、作り手の「できる」が見つかる
  • チョコレートは化学的なもの。正しい材料を使って正しく作れば、だれでもいいものが作れる
  • 間違えたら溶かしてもう一度作ることができる
人が素材に合わせるのではなく、チョコレートが人に合わせてくれる。作る工程で誰も排除しないのがチョコレート」と夏目さん。 夏目さんの思いを実現させたのが、シェフショコラティエの野口和男さんです。 チョコレート界のすごい人である野口さんが、余計な油を一切加えないピュアチョコレートを世界中から取り寄せ、丁寧で妥協のないレシピを創出。 その工程を、作り手さんたちの多様な「できる」に合う形で共有しています。 久遠チョコレートでは、「Discovery Japan -日本の再探求-」をテーマに、日本各地の食文化の発信もしているのですが、その看板商品となっているのが「久遠テリーヌ」です。 なんと100種類以上あって、出島珈琲や新潟村上茶、島原のカステラや京番茶など、その地域が大切にしてきた食文化とチョコレートをかけあわせたユニークなシリーズが人気です。めちゃくちゃ贅沢な味わいです。

久遠テリーヌは地域の素材の数だけいまも増え続け、「全種類覚えてるスタッフさん、いないんじゃ」ってこっそり思っています(笑)

理不尽への怒り。障害者雇用の壁を突破!

久遠チョコレート代表の夏目さんは、十数年前まで福祉とは全く関係のない都市計画のコンサルタントとして働いていました。 あるとき携わったのが、施設のバリアフリー設計の仕事。 そこには「理想通りにできなくても仕方ない」という雰囲気が行き交い、本当に当事者に求められる計画をすることが難しい状況があったのだそう。 同じ頃、スワンベーカリーを運営する小倉昌男さんの本に出会い、福祉事業所に足を運ぶようになった夏目さんが目の当たりにしたのは、障害者の工賃が月5000円にも満たないという現状でした。 そこでも「福祉の仕組みなので仕方ない」という職員さんからのあきらめの言葉を聞いた夏目さんは、社会の理不尽に怒ります。 夏目さん「仕方ないと思っていたら成長も変化もない。理不尽でナンセンスなことは好きじゃないんです」 夏目さんは、2003年に独立してパン工房「ラ・バルカ」を開店し、障害がある3人を雇用。障害者雇用における低賃金の壁を突破する挑戦をはじめました。 私は10年ほど前に夏目さんと出会ったのですが、その頃すでに「民福連携」の推進や、柔軟なアイデアで福祉業界に革命を起こしているすごい人でした。 それから魔法の素材と出会った夏目さんは、2014年に久遠チョコレート事業を立ち上げます。 現在、豊橋本店で直接雇用として働く人の賃金は月額15万円を確保。 時間給に換算すると、時給950円ほどになるのだそうです。

SDGsの先進をゆく

久遠チョコレートの快進撃は続きます。 多様な人を働き手にし、福祉事業所等と連携して店舗や生産拠点を拡大させていくしくみが、障害者雇用と地域活性化を同時に解決するロールモデルとして高く評価され、2018年12月には「第2回 ジャパンSDGsアワード※ 副本部長(内閣官房長官)賞」を受賞。(※SDGsの達成に向けて優れた取り組みを行う企業・団体等を表彰するアワード) さらに、株式会社ベルシステム24ホールディングスさんと2018年に「SDGsの推進と持続可能な地域づくりに関する連携協定」の締結をし、愛知県豊橋市に「久遠チョコレートSDGsラボ豊橋」を開設するなど、時代の先端を走り続けています。

SDGsラボ豊橋で開催した、ベルシステムさんのファミリーイベント

夢と希望の浪漫物語

障害がある人のアート作品とコラボしたギフトボックスと、プレミアムテリーヌ

“全国の働きたいと願う多様な人が力を合わせてチョコレートを作り、一般市場で通用するものを作り続ける。彼らがショコラティエとして、社会の中で、ロマンと笑顔の作り手になる。そんな豊かで明るい未来づくりを目指す”(久遠チョコレートサイトより) 2020年のバレンタイン商戦も、全国の百貨店で世界の有名チョコレートブランドと肩を並べて奮闘。まさに、一般市場で通用するものづくりと、ロマンと笑顔の作り手づくりを実現しています。

小田急百貨店のバレンタインオンラインショップでは、かの有名ブランドに次いで人気ランキング2位!

様々な目標を地道に達成し、社会的な認知が拡大してきた久遠チョコレートについて、 「浮かれる気は全くない。ブランチ皆さんの理解と協力でようやくここまでこれました。5年を終える今とこれからが、まさに踏ん張りどころです。 でも、やっぱり……有名ブランドと肩を並べることができたこと。その評価は正直嬉しいですね。多様なみんなが担い手となるこのブランド。でもやり方次第で必ず一流になれる。やるべきことはシンプルに、想いは誰よりも複雑に熱く。この信念は、ブレずに貫き通す」と話す夏目さん。 関わる人たちが並々ならぬ情熱と努力を積み重ね、続いている久遠チョコレートには、いつも人が集まります。 皆が夢と希望を抱いて連携する場所。 私もその一人として、久遠チョコレートが実現していく世界に圧倒され続けています。 最後に販売情報をゴリ押しさせてください! 2020年2月14日までは全国の百貨店での催事販売、そしてもちろん久遠チョコレート各店舗で絶賛販売していますので、この機会にぜひお試しいただけたら嬉しいです。

百貨店等での催事販売情報

久遠チョコレート店舗一覧 以上、mazecoze研究員と久遠チョコレート広報が入り混じったひらばるでした! (画像提供:La Barca Group)
研究員プロフィール:平原 礼奈

mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。

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