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ダイバーシティプランナーという仕事

こんにちは。mazecoze研究所のひらばるです。
当研究所では、普段フリーで活動する研究員が「まぜこぜ」を合言葉に集い、メディア運営や様々なコミュニケーションのプランニングをしています。

漫才、ユニバーサルデザイン、自然栽培、障害、移住、女将、開業、アナログゲーム、子育てなどなど、それぞれのテーマで多様な取り組みを推進する研究員たち。

一方で、「メンバーの人、具体的になにやってるか謎! 特にダイバーシティプランナーって言ってるあなたが一番謎!」という声が仲間内からちらほら。
わかります。私も自分自身の活動がたまに謎だ!

その謎解き(釈明)のためにも、自己理解のためにも、自身の活動について書いていく場を設けようとなりまして、それがこのコラム「ダイバーシティめぐり」です。

ところで、「ダイバーシティ」という言葉や意味をご存知ですか?
ここ数年特によく耳にする言葉だと思うのですが、ダイバーシティを直訳すると、「多様性」。

私は2012年に独立し、ダイバーシティを起点にしたプランニングやファシリテーション、コーディネーションなどに取り組んできました。

イベントやワークショップをしたり、フィールドワークをしたり、取材したり書いたり、いろいろ。

どんなことをしているのかと言うと、何らかの課題から問いを見立ててその解決策を考えたり、いろんな人やものをつないだり、プロジェクトをスムーズに進行させる促進役をしたり、まだ知られていない情報を発信したり伝え方を考えたり、コミュニティやものやしくみづくりをしたり。
すべてにおいて「多様性を軸に考える」「かけあわせ次第で毎度何が起こるかわからない」というのが特色かもしれません。わりとなんでもやりますし、こうしておけばOKというのがないので、毎回ドキドキしています。

ダイバーシティに関する取り組みは少しずつ増え、社会の変化に伴って企業も人も街も「ダイバーシティ」との関わり方に悩みながら前に進んでいるんだなぁと感じています。

「ダイバーシティ」と小声で叫び続けて十数年

そもそも私が多様性に気づいたのは、小学生の頃。
知的障害のある年下の女の子と友達になったことがはじまりでした。

一時期、彼女が毎日私の膝の上で授業を受けるという体験をしてから、子どもながらに「違う」ことへの好奇心や「なんで?」が芽生えたのです。
私も、いま思えば普通のことが当たり前にできなかった経験がいくつかあって、「なんか生きにくい」「不器用だなー」と自分に対してうっすら感じていたことが、彼女と出会ったことで強烈な興味に変わり。

それから高校ではろうの親友と出会って手話を学び、共用品を推進するボランティア団体であれこれ学び、新卒で入社した人材教育の会社ではみっちり8年間「ダイバーシティ事業の推進」に携わりました。
多様性を軸にした活動をしている歴だけでいえばかれこれ20年以上?

「手話で行う新入社員研修」の講師をしていた頃

就職した会社では、障害者雇用・ユニバーサルデザイン・バリアフリーという切り口から、企業における障害者雇用推進のしくみづくりや研修企画、書籍の編集・マニュアル制作などをしていました。

フリーランスになってからは、ソーシャルデザイン、働き方、暮らし方、ウェルフェアトレード、子育て、農業、福祉、地域包括ケア、テクノロジーなど、人だけではなく社会の多様性にも目を向けたテーマへと活動が広がっています。

もちろん、mazecoze研究所もそのひとつ。
「mazecoze」=まさにダイバーシティ! という言葉を発見して、取材を通じていろんな方々に会う中で、ある確信が生まれました。

これまでと違った想像力やコミュニケーションで、居心地が悪かった境界線を超えていくためには、多様であることが必要だ、と。
会いたい人に会いにいき、やりたいことをする。好きなことばっかりしているゆる系活動ながら、mazecoze研究所は私にとって、新しい知恵をインプットしてアウトプットまでできちゃう気づきの宝庫です。

多様な解釈あれど、私が思うダイバーシティ

話は戻りまして、では、ダイバーシティってなんなのか。
最近では、ダイバーシティ&インクルージョンとも言いますが、私が思うダイバーシティは、

ダイバーシティ

  1. 多様性(人、環境、社会、価値観など)
  2. 多様性の享受(自分の多様性を受け容れ、他人の多様性を認めること)
  3. 多様性からの価値発信(多様な視点をもって課題を解決したり、社会に活力を生み出したりするしくみづくり)

1.の「多様であること」そのものではなく、多様であることをケアするだけの発想でもなく、3.の「違いを通じて価値や選択肢や自由を生み出す」ことこそ、私が進めたいダイバーシティ。

新卒で入社した会社の内山社長からは、ダイバーシティのことだけでなく社会の常識からお酒の飲み方まで教えてもらいました。ステーキ&ワインが似合う!

前職の内山社長から口を酸っぱくして教えてもらったのが「ダイバーシティの根っこにあるのは、ノーマライゼーション(誰もが生きたいように生きられることこそあたりまえという考え方)と人権の尊重」だということ。

当時はなかなか頭に入ってきませんでしたけど、今になってやっと「それぞれが自分であれる世界を、いろんな方法でいろんな人たちと生み出そう」と捉え、噛みしめているところです。

多様性の入り口はどこにある?

自分はふつうだ。多様性とは関係がない。日本人には多様性がない。ダイバーシティって企業がやっている障害者雇用とか女性活躍推進のことでしょ? と思っている人が意外に多いように思います。

でも、そもそも誰もが違う多様性をもったひとりで、多様性こそ未来を拓くカギだと、これまでの経験を通じて実感しています。
多様性の入り口はどこにでもあって、自分の琴線に触れたところを接点に、自分や社会にとってどんな良いことを起こせるかと考えていくって、とても楽しい。

「ダイバーシティめぐり」では、私や仲間たちがこれまで行動してきた事例をもとに、ダイバーシティについて紐解いていけたらいいなと思っています。

研究員プロフィール:ひらばる れな

mazecoze研究所代表・編集長
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育会社にて障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。
ダイバーシティプランニングを行う「hullabaloo」代表、ソーシャルデザインのしくみをつくる「PReNippon」共同代表、ノウフクPROJECTファシリテーター、久遠チョコレート広報など、様々なプロジェクトを推進。

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