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シリコンバレー、イギリス、日本から、三姉妹が織りなすSTEAM推進。STEAM教育は、世界共通技術で横断的な、新しい可能性を生み出す方法でした!

平原 礼奈 │ 2019.10.11
2020.1.更新

話題の「STEAM教育」について、教えてもらいました

こんにちは。mazecoze研究所のひらばるです。 みなさんは「STEAM(スティーム)教育」って、ご存知ですか? 検索すると、「Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習するSTEM(ステム)教育に、 Arts(芸術、リベラルアーツ)を加えた教育手法」とか、「現実の問題を解決に導く力や今までにないものを創造する力を育む教育」などとでてきます。 2018年6月に公開された文部科学省の「Society5.0に向けた人材育成」では、STEAM教育を推進する方針が出され、経済産業省も、2018年8月に「学びと社会の連携促進事業」として、学びのSTEAM化等の強化に新規で18億円の予算案を概算要求。東京都は2019年7月に発表した「重点政策方針2019」の中で、プログラミング教育やSTEAM教育、グローバル教育など、子どもたちの個性や可能性を伸ばす教育の推進を掲げています。 日本全体が、STEAM教育に前のめり。 とても重要な新しい教育なんだろうとは思いつつ、いまいち具体的にピンとこないまま、誰かSTEAM教育についてわかりやすく教えてくれないかなーと思っていましたら、いらっしゃいました。 以前、型にはまらないアメーバーな働き方についてお話をうかがったBarbara Poolの井上祐巳梨さんから、「シリコンバレー、イギリス、日本に住まう三姉妹が、STEAM教育をこれから推進していきます!」という情報が! しかもその三女が井上さんだというではないですか(笑) 早速、普段は海外に暮らすお姉さまたちが一同に帰国するタイミングにお邪魔して、お話を聞いてきました!

世界を股に掛けSTEAMに取り組む三姉妹、現る!

まずは、うわさの三姉妹の皆さまのご紹介から! 長女の井上さやかさん。

さやかさん、ご経歴がすごすぎますが、柔らかな佇まいのとっても素敵なお姉さま。

井上さやかさん

アメリカ シリコンバレー在住。 東京大学工学部を卒業後、ゼネラル・エレクトリック(GE)のエネルギー事業部にてテクニカル・コンサルタントを経て戦略企画・マーケティングマネージャーを担う。 その後独立し、カリフォルニア州・シリコンバレーに本拠を置く、Eneleap Consulting代表取締役社長。エネルギー・自動車・機械学習の3つの分野に特化し、世界的大企業、急成長ベンチャー企業、研究機関等の戦略立案及び事業開発コンサルティング等を行う。Silicon Valley Steam Education Association代表。
次女の松下紗由美さん。

取材当日の朝にイギリスから日本に一時帰国された紗由美さん。成田空港から直接来てくださったのに超お元気!

松下紗由美さん

イギリス在住、Managing Director。今回のSTEAM事業部では、中心的な役割を担う。 筑波大学卒業後に三菱UFJ銀行にて法人営業に従事した後、2012年渡英。ロンドンの人材紹介会社を経て、英国企業の日本企業へのセールスサポートをきっかけに、国を超えた市場拡大のキャリアをスタート。多国籍なメンバーと共に、欧州を中心とした海外マーケティング、広報、販路支援、イベント運営等を実施。 2019年、経済産業省『「未来の教室」実証事業』採択。新しい次世代STEAM教育「教職員向け研修サービス」事業統括責任者。
三女の井上祐巳梨さん。

mazecozeではもうお馴染みの祐巳梨さんは、新たにSTEAM事業部を立ち上げていました!

井上祐巳梨さん

日本大学芸術学部在学中から地域の町おこしイベントや、2,000人超を動員する学生最大級アートイベントの立ち上げを代表として行う。芸術学部奨励賞(最優秀表彰)受賞。2009年大手広告代理店の株式会社アサツー ディ・ケイ入社。2013年オーストラリア政府のキャンペーン「The Best Job in the World(世界最高の仕事)」では、世界60万人から日本人唯一の25名の中に選出。同年6月に株式会社Barbara Pool 設立、代表取締役に就任。 クリエイティブプロデューサーとして、全国の地域のブランディング、クリエイティブ事業などを展開。2019年、(株)Barbara PoolにてSTEAM事業部を立ち上げ、経済産業省『「未来の教室」実証事業』で、新しい次世代STEAM教育事業を推進中。
--プロフィールを聞いただけで、井上三姉妹、何なのすごい、と圧倒されてしまったのですが。皆さんはどのようなきっかけで、STEAM教育に取り組まれているのでしょうか? 紗由美さん「この事業を始めたきっかけは、シリコンバレーに住む姉のさやかからの情報でした」 さやかさん「私の住んでいるシリコンバレーでは、毎週のようにSTEAM関連のイベントが開かれています。 4年前に息子が生まれてから、これからはこういう教育が大事なんじゃないかと、同じ年代の子をイギリスで育てていた紗由美に話していました。実験やおもちゃなど、私の子どもが体験したことを、妹の子にも試してもらったりして」 紗由美さん「そうして3姉妹の中でSTEAMの情報を流すようになったんです。このSTEAMのおもちゃよかったよ、サイエンス×アートの実験してみてこれはよかった、などみんなでシェアして」 --数年前から、すでに姉妹間でSTEAMを実践されていたとは。皆さんが母になり、子育て当事者として教育への関心が高まったことがきっかけだったのですね。

母たちが推進するSTEAM

紗由美さん「だんだん情報が溜まっていく中で、私たちだけで溜め込んでおくのはもったいないよねと話すようになって。じゃあ、世界各国のSTEAM教育の最新情報や、実践のヒント、世界のSTEAM人材へのインタビューなどの情報を発信していこうと、STEAM-JAPANというwebサイトをまずは簡易に作りました」 (※STEAM-JAPAN は、2019年11月中旬リニューアルOPEN予定!)

“世界最先端のSTEAM教育の情報が分かる!” STEAM-JAPANシリコンバレー・イギリスを中心としたSTEAM KIDSライターや、STEAMに興味がある日本の大学生たちが中心になって情報収集・ライティングしているのだそう!

  紗由美さん「情報を発信するうちに、今度は子育て中の親御さんや先生たちから“自分たちは日本で実際にどう動いていけばいいのか教えて欲しい”という声をたくさんいただくようになりました」 祐巳梨さん「私たちも、日本ではまだ、STEAMを教えられる先生がいないのが圧倒的な課題だと感じていたんです。今までの一斉教育とは全く違う教育になるので、どう教えたらいいのかわからず、推進が滞ってしまっている面もあります。これは、先生になれる人材の育成から始めなくてはいけないなと」 紗由美さん「ちょうどその頃、東京学芸大学インキュベーションセンターさんとの出会いもあって、経済産業省の“未来の教室”という事業で、STEAMを教える人を増やす研修サービスの実証事業をしていくことになりました。今回は小中学校の先生が対象なのですが、これから一般の方、保護者の方にも広げていく予定です」 祐巳梨さん「マインドセットを変えたり、情報を共有しながら学んでいくプログラムを考えています。学芸大学さんや経産省とも連携しながら、STEAM教育に携わる人材の育成に本気で取り組んでいきます」

STEAM教育は、好きを突き詰めた横断的な学び

取材させていただいた、託児もできるビジネス長屋「RYOZAN PARK」。シェアオフィスの上の階にはプリスクールがあり、お子さんたちとSTEAMのワークショップも開催しているのだそう。

  --STEAM教育って、具体的にどんなことをするのでしょうか。実は全くわかっていません! 次世代型などと言われますが、どこが新しくてすごいのか、教えてください。 さやかさん「STEAMには、Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(マセマティックス、数学)、Arts(芸術、リベラルアーツ)を横断的に学習するという特徴があります。 たとえば火というものをテーマにした時に、科学的に燃焼実験をする、アート的に火を考えてみる、はたまた工学的に何かを作ってみるとか。一つのテーマを横断的に考えていくんですね。複合的に自分の体験を通して学び、本質的なことを学んでいきます。 “次世代型”といっても、アメリカでは10年前くらいから知識偏重や座りっぱなしで受けるだけの授業ではダメだという流れになっており、オバマ大統領が2009年に“米国はSTEM教育のグローバルリーダーになる”という戦略を打ち出し、現在もその姿勢を継承しています。昨年末にもSTEM教育の5ヶ年計画が発表されており、STEM教育に関連する予算も多くついています。 そこに近年“A”の要素が加わり、“STEAM”として民間での盛り上がりも大きくなってきています」 祐巳梨さん「掛け合わせなんですよね。全く違うものを掛け合わせて、アイデアやイノベーションを生みだしていく。文系は文系、理系は理系ではなく横断的に、プロジェクトベースで体験を通じて学んでいけるのが特色だと思います」 紗由美さん「保育園や幼稚園児からでも取り組めるんですよ。文系や理系の境目がまだない年頃なので、化学実験を見てそれが理科という概念がくるより先に、こんなことができるんだ、楽しい! という体験が、後々学びになっていきます。なので、STEAM教育をはじめるのは、早ければ早いほどいいなと感じています」 祐巳梨さん「夏にはSTEAM-JAPAN主催で、ミニサマースクール というイベントを行いました。アイスに塩をつけると、のりのような作用になるんですけど、積み木のようにして遊んだり。重曹に酢をつけると化学反応でシュワシュワするので、それでアートの作品を作ってみよう、とか」

STEAMミニサマースクール より。写真は、4色の色水と重曹で泡立つ「シュワシュワアート!」ワークショップ。アートと科学の学びの様子。

--普段お料理に使うものや、身近にある素材でもできるとは意外でした! さやかさん「いつも何気なく使っているものがどのようにして作られているのかに疑問を持って、学ぶ・体験することが、STEAM学習の基盤になるんです」 紗由美さん「小さい子を対象にする場合は、口に入れても危険がない素材、キッチンにあるものなど、素材をセレクトしていくことができますよ。まずは家の中にあるものを掛け算して、組み合わせて実験してみようとか」 --何を題材にするのかも自由なんですね。 紗由美さん「創りだす、生み出す、価値創造していくことが、STEAMの魅力だと思います。どんなテーマでも、その子が好きなこと、ワクワクすることを、複合的に学んでいく手法なんです」 さやかさん「自分の興味があることは、勉強ではなくて、知りたいという欲求から進んでいけるので、お子さんの意欲を引き出しやすいですし、学びの効率も良いですよね」

ぬか漬けを、つけているんですけど……ス、STEAM……?

--STEAM=プログラミングとか、ICTとか、理系の何かだと思い込んでいたので、目から鱗です。 ちなみに私の娘はいま料理に興味があって、ぬか漬けを一緒に漬けているんですが、あれもSTEAMっちゃえるんでしょうか? 紗由美さん「うんうん、そうだと思いますよ(笑)どうやったらもっと美味しいぬか漬けが作れるか。そのために必要な発酵の仕組みを学んだり。親もわからなかったら、ぬか漬けの工場見学に一緒に行って、専門家に聞いてみよう、とか。どんどん広げていけますよね。親も一緒に学んでいく楽しみがあるのではないでしょうか」 さやかさん「STEAMの全ての項目を満たしている必要もなくて、状況に合わせて柔軟に展開していけるのもいいところだと思います」

国によっても求められるSTEAMのあり方は違う。日本では?

日本、すごいよーと、紗由美さん

--STEAM教育を推進する動きは、世界各地で進んでいると思いますが、皆さんがお住まいの場所ではどのような状況でしょうか? さやかさん「シリコンバレー周辺ではテックカンパニーがたくさんあって、AIの活用も進んでいます。私の周りではスマートスピーカーも身近ですし、自動運転の車がそこら中に走っているのを見かけるんですね。子供たちはAIネイティブとも言える中、AIを使いこなす人材が必要だということで、STEAMに力を入れているのがいまのアメリカです。 学校でもプロジェクト型のSTEAM教育を推進していこういう動きになっています。ARTの要素が最近加わったので、教員たちもワークショップなどで学びながら進めていますよ。例えば、Teachers Pay Teachersという、先生が自分の作った教材を販売するサイトがあるのですが、STEAM教材もやり取りされています」 紗由美さん「イギリスでは、どちらかというとまだSTEM教育の方が主流ですね。 イギリスの場合、もうすでにクリエイティビティや何かを作るという教育はすでに推進されていて、アートに造詣が深い国民性というのもあると思います。 その彼らがSTEMを推している理由として、テクノロジーや理数系の分野がイギリスにはもっと必要だから強化していきたい、と述べています。そんな形でSTEAMが組み合わさっています」 さやかさん「シリコンバレーでは、図書館で無料でコーデイングとかを学べるので、小学生くらいからやっていたりしますし、関連するSTEAMイベントも色々開催されています。レーザーカッターや3Dプリンターがあるメイカースペースで、小学生くらいの女の子がロボットを作っているのを見たことがあるのですが、学んだり実践できたりする環境があるので、比較的そういうことに興味がある子が多いんですよね」 祐巳梨さん「海外ではすでに、課題を自ら設定し、アートやサイエンスの力を使って実践型で解決していくプロジェクト型学習を積み重ねている事例が色々ありますよね」 紗由美さん「小学生くらいの子どもたちが、自分が暮らす地域の課題を解決するための企画書を出して、優勝者には一千万円位が与えられるような、課題解決型のコンテストもあります。そのお金を使って、地域の人や専門家を巻き込んで、いろんな人たちと一緒にプロトタイプを作って、プロジェクトを実際に遂行していくんです」 祐巳梨さん「各国のそういった動きを知ると、私は日本の現状に非常に焦りを感じます。プロジェクトベースでそういった実践を積み重ねてきた他の国の人々と、一斉授業で学んできた我々とで、10年後蓋を開けてみたら、どうなるのかな、という危機感がありますね。国の垣根がどんどんなくなる時代の中で。 でも、日本やばいね、で終わりたくないと思って。世界共通技術と言われるSTEAM教育を、日本の子供たちに浸透させるにはどうしたらいいんだろうというのを、これからもっと切り込んでいきたいですね」 紗由美さん「日本のSTEAM教育が、世界の他の国にもいいんだという形で、素晴らしいものは訳して、世界に提案していきたいなと思っています。日本にも優れたコンテンツがたくさんあるので、需要があると思います」 さやかさん「STEAMというのは、手法なんです。それぞれの国や地域の文化や強み、特徴ごとに、それぞれのSTEAMのあり方があると。 シリコンバレーだってイギリスだって、みんな模索しながら進めていますよ。 これまでの縦割りベースではダメだというのは、世界でも10年くらい言われている中、プロジェクトベースに完全になっているかというと、まだまだなっていないと。やはりお金も時間もかかるので、そのあたりの兼ね合いもあると思います」 紗由美さん「アメリカ、イギリス、日本で子育てをしながら、良いところも悪いところもリアルに見て、また他の国でも実際に子育てしている方々と情報を共有しながら発信していけるのが、私たちの強みだなとも思っています」

ARTのとらえかた。AI時代をどう生きる?

--いま「ART」という言葉を教育やビジネスやいろんなところでよく聞くのですが、正直その意味をうまく消化できていません。先ほど0から1を生み出す力という言葉もありましたが、STEAMのARTはどのような捉え方をしたら良いのでしょうか。 祐巳梨さん「学芸大学の先生と話していて私も腑に落ちたのですが、ARTのAの部分は、あるべき姿、こうなったらいいなという姿に向かう、ビジョンを作っていく力であると。それ以外のサイエンスやテクノロジーは、今こうあるよねというところを学んでいくという話でした。 0から1を作ったり、クリエイティブをするところではやはりARTが重要で、国もSTEMではなくてSTEAMの推進で動き出したのには、これからビジョンを作っていかなくてはいけないというところがあるからだと感じます」 紗由美さん「アートはアーツで、リベラルアーツも含まれていると、経産省も定義しています。教養という意味を持つリベラルアーツと考えると、すべてが入ってくるんですよね。音楽とか演劇とかもっと幅広い要素が含まれてくるし、いろんな方向に可能性が広がるなと思います」 祐巳梨さん「AI時代をどう生きるか? を考えるときに、ARTのあるべき姿を作るというのがより重要になってくると思います。 先日、STEAM JAPANのインタビューで、アーティストのスプツニ子さんに“未来を切り拓くための、クリエイティビティ”をテーマにお話をうかがったのですが、AI時代に必要な人材というのは、課題設定や、ゴールを作ることができる人だとおっしゃっていました。課題に対して最短距離で進むのはAIが一番早い、けれどビジョンや課題の設定は、AIにはできないと。そこにもやはり、ARTの力が強く必要になってくると思います」

多様な強みと、それぞれの自由

--ここまでうかがって、皆さんはSTEAM教育を日本と世界から循環させる活動をされているんだなぁと感じたのですが、それぞれの強みはどのように掛け合わせているのでしょうか? 紗由美さん「長女のさやかは、戦略、ストラテジーですね。GEという会社でエネルギーのコンサルタントとして事業企画に携わっていたり、世界リーダーシッププログラムに選ばれたり、ヨーロッパとアメリカ色々なところで働いた経験があり、頭脳派です(笑)」 さやかさん「ストラテジー(笑)」 紗由美さん「私は、8年前からイギリスで暮らしていますが、ロンドンの人材会社で、多様性のある異なる教育を受けている国の人たちが集まって、ひとつのプロジェクトを行なっている状況を見てきました。そうした現状と、姉からのSTEAMの話がマッチし、次世代にぜひ推進していきたいと強く思いました。 思ったことを行動に起こすことが何より好きなので、3人の中で一番行動派だと思います(笑)」 祐巳梨さん「私はARTの部分がとても大事だなと感じているので、その部分を中心に、ですかね。自社事業でも、社会人のためのクリエイティブスキルアップのプログラムを提供しているのですが、私としては、STEAMを幼少期から学生までやっていただくのと、社会人はクリエイティブのスキルアップみたいな形で、0から1を生み出す楽しさを、もっとたくさんの人に伝えていきたいと思っています」 --みなさんそれぞれに全く強みが違って。一体どんな環境でお育ちになったのでしょう。 紗由美さん「小学生くらいの頃から、家族旅行に行くとなると、企画書を出せと母に言われていました(笑)そして、祖母の前でプレゼンするんです。おばあちゃんに選ばれた人が300円もらえると。いつも姉がもらっていたんですけど(笑)」 祐巳梨さん「常識をうたがったほうがいいよ、みたいなことはよく言われてきましたね」 紗由美さん「私は、行動をしなさいとよく言われていました。考えて動かないのは、何もしていないのと同じだ、みたいな」 さやかさん「え、そんなの言われてたっけ(笑)」 紗由美さん「あれ、私だけに言われた? もしかして。みんな違うこと言われてたのかな(笑)」 --お母さま、すごくないですか。 きっと、皆さんの特性をよくご存知で、その感性に合わせた言葉がけをされていたんですね! 最後に、mazecoze研究所は “あなただけの自由を後押しする”というコンセプトで、いろいろなダイバーシティの視点を発信しています。皆さんにとって、自分にとっての自由はどのように実現していくものなのか、ぜひお聞かせください! 祐巳梨さん「自ら考えて作り出すことができれば、それはもう誰にも邪魔されない自由になると思います。自分で生み出して、自分の舵は自分で握るということが、すごく重要なんじゃないかなと。そう考えると、STEAMの、知識を知るだけではなくて自分で体験しながら作る、ということにもつながっていきますね」 紗由美さん「自分の選択肢が、人生をつくっているという自覚を持って行動することでしょうか」 さやかさん「自分で尺度を持って、やりたいことは何なのかを常に見つめ直して、自 分に正直に進んでいくことだと思います」 --みなさんご自身の自由のあり方が、まさに今、STEAM教育推進という形で表現されていてとても素敵です。今日は、貴重なお話をありがとうございました!
お話をうかがうまで、自分には縁がないもののように感じていたSTEAM教育。 ところがお話を聞いていくうちに、ものすごく身近で、また、子どもだけでなく自分自身にとっても、物事の見方を広げ深め、体験や行動を後押ししてくれる方法なんだなぁと実感しました。教育と名がついてはいるけれど、あらゆる人の人生を豊かにしてくれる取り組みだと思います。知れてよかった! それぞれの多様な視点をかけあわせ、こまやかに大胆に、世の中を変えるために動いているみなさんの活動は価値深く、三姉妹が織りなすSTEAM教育にこれからも目が離せません。引き続き、mazecoze研究所でも追っていきたいと思います! さやかさん、紗由美さん、祐巳梨さん、ありがとうございました! (撮影協力:kana 取材・執筆:ひらばるれな)
研究員プロフィール:平原 礼奈

mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。

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