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オリンピックの集客合戦に(スルーされ気味な)あの街が参戦!

mazecoze研究所 │ 2016.08.23

せっかく競技開催されてもスルーされる調布市…

こんにちは。まぜ研保手濱です。皆さん調布市ってご存知ですよね?東京の世田谷区や三鷹市に隣接した人口22万人ほどの市です。私はなんとなく、住みやすい住宅街が広がっている印象を持ってます。
実は調布市にある「味の素スタジアム」では、2020年のオリンピック・パラリンピックでサッカーやラグビーなど5種目の競技が開催されるのです!でも、普段観光に行く街という印象があまりない調布市には、宿泊施設や観光客向け案内所などが不足しているため、このままでは観戦客は都心部にトンボ帰りしてしまうそう…。観戦前や後に市内にとどまって飲食や宿泊をしてくれないと、調布にとって経済的恩恵はゼロに等しくなります。
数年後に直面するこんな課題を抱え、「このままではいかん!」と住民たちが立ち上がったらしいとの情報を受け、ちょっと見に行ってきました!

2020年に向けて住民投票を開催!

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調布市では今年の7月から月イチで住民会議が開催されています。「調布の魅力って何?」「調布に観光客を誘致するには?」など、そこに住む市民たちがアイデアを絞り出します。
調布にはスタジアムのほかに、歴史の深いお寺や自然あふれる多摩川、離島へ飛べる飛行場など、観光資源がたっぷりあるんです。それらを改めて見つめ直して、外の人たちを呼び込むための施策を考えます。

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積極的な意見交換と発表。市民の皆さん意識が高い!

この日は、深大寺そばで有名な深大寺でそばフェスを開催するなどユニークなものから、多摩川沿いを周れるようにレンタサイクルを始めるなど現実的なものまで、実に30近いアイデアが飛び出しました!

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そこに住む住民ならではのアイデアがたくさん!

この取り組みは「まちつくカイギ@調布」と名付けられ、数回の住民会議のあとは住民投票を行うそうです。会議で市民から出たアイデアの中から投票数上位を獲得したものを実現させちゃうという、壮大かつ夢のあるプロジェクト!

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まちつくカイギ@調布

あっという間に行政を巻き込んだ仕掛け人は、調布出身の30代

市全体を巻き込んだこのプロジェクトは、実は行政が始めたものではありません。主導しているのはweb制作会社を経営している長尾純平さん(35歳)。調布で生まれ育った彼は、日頃からこの街のさまざまな魅力が認知されていないということに危機感を覚えていました。とはいえそんな彼も当時は地元には寝に帰るたけで、地域活動にも全く参加していなかった状態でした。

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調布企画組 代表の長尾さん

大盛況だった“いろどりマルシェ”で調布ブランドの手応えを実感!

しかし、昨年地元のイベントに参加したのをきっかけにつながりが増え、意気投合した仲間たちと「調布企画組」を結成。11月には「五穀豊穣」をテーマに地元特産の野菜をブランド化することを目的として、「いろどりマルシェ」というイベントを開催しました。調布産の野菜を使った料理やカクテルを提供したイベントは、1800人もの集客で大盛況!

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会場となった神社の境内は大にぎわい!

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調布は美味しい野菜をたくさん作っているそう

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ジャムやお菓子の販売

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神楽殿を使った催しも

この成功で、調布企画組は行政から認知され、いろどりマルシェは今年から市の認定イベントに。ほかにも行政から様々な相談を受けるようになり、今回の住民会議開催につながったといいます。調布企画組の企画力と実行力に、幅広い住民を巻き込む行政の枠組みづくりが加わって実現した今回の取り組み。
「調布は見どころがたくさんある街なのに、プロモーション力が弱い。今ある魅力をきちんと知ってもらうことが課題です。オリンピックに向けた施策も行政と僕たちが会議室で決めてはダメで、いかに周囲を巻き込んで認知させながら進めていくかが大切だと考えた結果、住民会議という形式にしました。でもオリンピックは単なるきっかけでしかなくて、これからは市民一人一人が街づくりを考えてくれるようになればいいなと思います。投票に出すアイデアも、オリンピック開催後も継続して街を輝かせていくものに絞っていく予定です。」

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長尾さんと調布企画組の皆さん

地域を成長させるためには、力のある行政でも住民だけの活動でもない、市民と行政がまぜこぜに、お互いの強みを生かして進めていくことが必要なのかもしれませんね。
調布の街づくりはまだ始まったばかりです。これからも注目したいと思います!


まちつくカイギ@調布
調布企画組
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