第2回:“きちんとした家計簿”、それは大きな落とし穴
気合いが入りすぎている人ほど要注意
みなさんこんにちは、家計簿アプリサービス Zaim の綿島琴美です。前回お伝えしましたとおり、共働きの私たち夫婦、新婚当初から"家事を役割分担"することにとってもこだわっておりました。
今でこそ、Zaim の既婚ユーザーの内、約3割以上が「家計簿を夫婦・パートナーとシェア」されているものの、当時はもちろんそんなこと全く考えにも及ばず。家計簿担当としてまず始めに手を付けたのが「家計簿探し」でした。
せっかくだから”便利そうで、ちょっとかっこよくて~”とインターネットでひたすら検索。そして、買ってしまいました、ガッチガチの家計簿ソフト。そのお値段、たしか 4,000円近くしたはず…。リサーチを繰り返し、吟味して、購入にいたったものの、どう考えても高い!高すぎる!それでも、「ずっと使うものだからきちんとしたものを」という思いがすごく強かったのを覚えています。
記録するのは“これだけ”でいいんです!
そんな風に気合十分で始めてみた家計管理ですが、なかなかこれが難しい。家計管理が初めての私とって、ハイテク(に感じた)そのソフトの難易度は想像以上に高かったのです。
そもそも家計簿の記録の仕方もよく分からない私。まず悩んだのがカテゴリ分類のところでした。「スターバックスで食べたケーキは、カフェ代?外食費?おやつ?」といった小さなことにいちいち手が止まります。他にも「ドラッグストアでお菓子買った場合はどうなるの?」細かなことが気になり、夫に購入をやめて~とお願いするほど。つもりつもって、”家計簿をつける”ということにストレスすら感じるようになっていました。
実は…これこそが、家計簿初心者さんがまずはじめに陥りがちな落とし穴。私自身もはじめて経験する”家計管理”に、記録の方法のところでいきなりつまずいてしまったんですね。
これは、”正確に、きちんと”という思いが強かったからこそ。つまりそれって、ただただまじめな気持ちなんですよね。家計相談をする中でも「つけ始めたからには」という気持ちによってしんどくなってしまう方、やっぱりとても多くいらっしゃいます。
かといって家計簿をやめたくない!そこで私は、”カテゴリ分けをしない”という思い切った選択を取ることにしました。記録するのは”生活費と特別費”これだけ。「1ヶ月どんな風な暮らしの中でどれだけお金がかかったか」に絞って、ざっくり把握することに集中する、と決めたのでした。となると、家計簿ソフトでは多機能すぎる。Excel を使って、オリジナル計算表を作成して記録を始めることになりました。
“ラクで楽しい家計簿”が長続きする家計簿
はたしてはたして、この作戦は思った以上に大成功!レシートや請求書をみても、ほとんど悩むことはありません。冠婚葬祭や旅行以外はとにかく”生活費”としてカウントし、シンプルイズベストな家計簿に大満足。ストレス無しで向き合うことができたんです。
とは言え私のこの例はかなりずぼらなので、もう少しだけこだわると、”固定費(毎月同じ金額で支払うもの)”と”変動費(毎月ころころと金額が変わる出費)”と2つのカテゴリ分けから始めるのが、ちょうどいいところかもしれません。逆にもっとざっくりなら、「まるごと1ヶ月の出費」でも大丈夫です。まずは家の状況を把握する、といことだけに集中してみるのがオススメです。
また、当時は他に手段がなくExcelを利用した私ですが、いまだと Zaim など家計簿アプリではカテゴリのカスタマイズは自由自在。実際に、多くのユーザーさんが、それぞれにぴったりのカテゴリを作成されています。ある方は”消費・浪費・投資”というくくりで支出を管理されていたり、別の方は”カフェ代とそれ以外”と大胆な設定をされている方も!
せっかく家計管理をするなら、自分にとって心地よいやり方を見つけるべし。ということで、しょっぱなから家計管理につまずいてしまった新婚当時の私ですが、”ざっくり管理”な方法で、ひとつめの課題をクリアしました。とは言っても、”夫婦一緒の家計術”にはまだまだ乗り越えるべき壁がありました…!
次回は、「家計簿が元で気まず~い」事件をお伝えしたいと思います。
綿島琴美(わたじま ことみ)
1982年生まれ。家計プランナー。
金融機関との自動連携機能を備えた日本最大級の家計簿アプリサービス Zaim にて、ユーザーへの家計サポートを行う。
個別相談やワークショップを通して、一人一人のライフスタイルに合った家計の仕組みづくりを提案。
初の監修本『Zaimのシンプル家計術』(ナチュラルライフ編集部編、税込み842円)が学研プラスより好評発売中。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。
家計簿アプリサービス Zaim