不可能を可能にする東北のコワモテ社長
〜今野梱包株式会社 今野英樹社長の巻〜
例のアレ作っちゃった社長です。
こんにちは!ほてはまです。
ずいぶん間が空いてしまいましたが、私の連載コラム「勝手に!社長インタビュー」のお時間でございます。
気になる会社の社長をアポありだったりなしだったり、とにかく勝手に話を聞きに行く楽しい楽しいコラムです。前回のzaim閑歳社長に続く社長はどなたでしょうか?
皆さんこちらの画像ご存知ですか?一時期SNSで話題になりましたが、これ市価4000万円ぐらいするというイタリア製超高級スーパーカー・ランボルギーニ……に超そっくりの段ボール製レプリカ、名付けて「ダンボルギーニ」なんです!
今回のインタビューは、そのダンボルギーニを作った今野梱包株式会社の今野社長でございます!!
ダンボルギーニが展示してある宮城県の女川まで、子どもたち連れて行ってまいりましたよ!
復興進む女川まで突撃!
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県・女川市。こちらは「60歳以上は口出ししない」と決め、若者中心にスピーディーな復興が進められています。駅前に全ての機能を集約させるコンパクトシティを目指し、現在も工事が進行中。
駅前に広がる観光施設「シーパルピア女川」にダンボルギーニが展示中とのことですが、どこでしょう。美味しそうなお店が立ち並ぶおしゃれな雰囲気の中をウロウロウロ…あ、エンブレムを発見しました!!
この中にホンモノのダンボルギーニがあるのでしょうか…ちょっと緊張してきました。さて、入り口はどこかしら…はっ!こ、これは…!?
こちらが今回インタビューさせていただく今野社長です…。
笑顔とはいえだいぶコワモテ系の今野社長ですが、きちんとお話できるのでしょうか…ガクガクブルブル。
社長の到着はまだのようなので、先に店内を拝見します。あ、ありました〜!!ダンボルギーニとついにご対面です!!
うわ〜かっこいい。なんだか本当の車と同じような存在感です。店内に所せましと展示されたダンボルギーニは、触るのはNGといえど間近でよーく見ることができました。
さていったん店の外に出て社長の到着を待つことにします。あ、いらっしゃいました〜!こちらが今野梱包株式会社の今野社長です!たくさんお話を伺っちゃいましょう!
本業は梱包資材の受注製作。東日本大震災でも大活躍!
先代の時代はフォークリフトで積み荷を運ぶ際に使うパレットの製造がメインだった今野梱包さん。パレットは漁業の街である女川・石巻では欠かせないものです。しかし、パレット事業は時代とともに過当競争で年々厳しくなっていき、そんな中入社した2代目の今野さん。自身で強化段ボールを使った梱包資材の新規事業を立ち上げました。当初30代はじめだった今野さんが営業先を一から開拓していったそうです。
その後社長に就任した今野さん。段ボール事業の売上はパレット事業を大きく上回り、メイン事業となっていました。
ほかにも遊び場を無くした子どもたちのために、滑り台などの遊具をイベント会場やショッピングセンターなどに提供するなど、地元女川・石巻のために尽力してきた今野さん。今野梱包さんの強化段ボールは家具にしても大丈夫なほどの耐久性があり、木材で作るよりも圧倒的に安価で、さらに軽く運びやすいという特徴があります。今では東京の企業からも、イベント用の家具製作などの注文もたくさん来るそうです!
こうして様々なものを段ボールで作っていった中のひとつが、ダンボルギーニでした。
本物を見ずに作ったダンボルギーニと、気になる本家ランボルギーニ社との関係
ダンボルギーニが展示されている店内には、各種オリジナルグッズが販売されていました。全て段ボールと、同じく今野梱包さんが手がけるアクリルでできたおもちゃや雑貨類。
実は今野さん、ダンボルギーニを作るにあたっては、自分たちで集めた大量の資料だけを頼りに、実物を見ることなく作ったそうです。初代機として3分の1モデルを作ったことはありましたが、実物サイズのモデルの製作にはゆうに1年以上の歳月を費やしました。これ、誰に頼まれたわけでもなくて、1円にもならないんですよ…本当に社長という人種はどこか変なんでしょうか…(笑)
そうして出来た実物大ダンボルギーニの出来はかなりのもので、SNSでものすごい話題に。そうなると心配なのが、本家ランボルギーニの反応です。
思った通り、話題になって数日後、ランボルギーニ日本支社から連絡が。「怒られると思って土下座する覚悟でした…」と今野さん。しかし、ランボルギーニ社からの反応は意外にも、「何か一緒にやりませんか」というお誘いでした。本家からも認められるほど、精巧に出来ていたということでしょうか。すごい話です…。
そんな本家ランボルギーニ社さんとは、現在いろいろと企画中だとか…。全然教えてくれませんでした。発表をお楽しみに!
見た目とは裏腹に、とっても優しく色々なことを教えてくださった今野社長。子どもが4人いるお父さんでもあり、うちの息子たちからも大人気でした。
現在も全国の小学校などで、地図の等高線を元に段ボールでジオラマを作る防災ワークショップに協力したりと、子どもたちの未来のために精力的な活動をしています。
梱包資材の会社という、BtoBの受注産業のみで終わってしまいそうな業種でも、可能性をとことんまで広げていく今野社長。これからの活躍にも大注目です!
今野梱包株式会社
シーパルピア女川