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感覚過敏・鈍麻から広がるグラデーションな脳の世界|質問2:井手先生のことがもっと知りたい!その③



井手先生の脳科学(のうかがく)最前線(さいぜんせん)!
感覚過敏(かんかくかびん)・鈍麻(どんま)から広がるグラデーションな脳(のう)の世界
プロジェクトの説明
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井手先生についてその①その②はこちら


信頼(しんらい)は、新しいシステムを生み出す力

井手先生:

研究を通して、たくさんの人に出会いました。
僕が大事にしているのは、関わる人との信頼関係(しんらいかんけい)です。

研究をはじめた当時、研究協力者を募集するのに、自閉症がある当事者の会や親の会に行って、直接お願いをしていました。
20代の若造の僕に、みなさん期待をよせてくれて。こたえたいな、と思いました。
研究の進みぐあいをお話しする機会をつくったり、皆さんのアイデアを研究に反映させたりしてきました。

「研究者は、研究が終わって論文を書いたらどこかに行っちゃう」、「その結果を自分たちに返してくれない」というのも、よく聞きます。

論文を書くことは、サイエンティストとして新しい情報のアップデートに貢献(こうけん)することですし、研究者としての立ち位置をつくっていくことも大切です。
でも、研究を自分の成果としてそこで終わってしまったら、その先はないだろうと僕は思うんです。

目の前にいる人たちが幸せにならないで、なんのために発達障害の研究をやっているかわからない」。
そう思うようになったのもまた、当事者の人たちとの出会いがあったからでした。

研究情報って、ほとんど耳にすることがないと思うんですけど、僕は自分で伝えることにも力を入れています。
実用的な話はあんまりできないんですけど、研究の話を聞いて、当事者の方が自分の生活の中で、なにか可能性に気づけたらいいなと思っています。

そして、あらゆる人が、自閉症の人の得意なことや困難さを理解したうえで、社会のあり方を考え、変えていくきっかけにもなることを願っています。
研究を当事者の方に、社会に還元(かんげん)していく。それが僕のミッション※です。
※ミッション:使命や任務、存在する理由のこと

それは、後輩や日本中の若い研究者たちが、もっと生産的に研究できることにもつながっていくと思います。
たくさんの人が応援してくれるようになると、研究もやりやすくなるんですね。

当事者の人や社会からの応援を受けて、多様な立場の人がつながって研究を発展させる。それをまたみなさんにお返しする。そんな新しいシステムづくりを、いまいろんな人の力を借りながらやっています。
信念を通し、理想をつらぬき、僕の恩師が願ったように、若い人たちの幸せのために自分のエネルギーを注ぐこと。研究というものを、一緒に楽しんでいけたらいいなという理想を持って。そこが自分の一番誇らしいところです!

mazecoze研究所:

井手先生、ありがとうございました。
3回にわたって、井手先生がなぜ、どんなことを考えながらこの研究をしているのかを教えていただきました。
ときに挫折(ざせつ)や苦しさを経験しながら、人との出会いに信念を見いだし、研究の世界をひた走る井手先生。
先生からたくさんのエピソードを教えてもらいながら、そのあり方に胸がいっぱいになり、自分の人生を振り返ったり未来への希望を感じてわくわくしたmaze研メンバーです!
だれにとっても、どんな場所でも、自分らしく進んでいけること。その大切さを教えてくれる井手先生の生き方に、みなさんは何を感じましたか?

次は、感覚鈍麻(かんかくどんま)について、聞いていきます。
次回もぜひ、お楽しみに^^

井手正和先生


専門:実験心理学、認知神経科学、神経心理学
発達障害者の感覚処理障害(感覚過敏・感覚鈍麻など)の神経生理基盤を明らかにすることを目的とし、心理物理と脳イメージング法を用いた実験を行う。
研究室webサイト

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