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井手先生の脳科学最前線!感覚過敏・鈍麻から広がるグラデーションな脳の世界 はじまりに寄せて。



井手先生の脳科学最前線!
感覚過敏・鈍麻から広がるグラデーションな脳の世界
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脳科学研究者の井手先生がひもとく感覚の世界!

こんにちは。mazecoze研究所のひらばるです。
これから、国立障害者リハビリテーションセンター研究所・脳機能系障害研究部研究員の井手正和先生に、脳科学研究から感覚の世界をひもといていただくシリーズがはじまります!
その名も「井手先生の脳科学最前線!感覚過敏・鈍麻から広がるグラデーションな脳の世界」。

ことの起こりは、発達障害当事者ライターで、mazecoze研究所研究員の宇樹義子さんを通じて井手先生と出会ったことから。

ダイバーシティ4人会。発達障害当事者ライター、脳科学研究者、出版プロデューサーに教えてもらったガジェットや最先端研究や書籍をご紹介します!

上の記事にも書いていますが、初めてお会いした日、井手先生は自己紹介代わりにと、研究テーマである「感覚過敏が脳の中でどのように起こっているか」について、あふれんばかりに教えてくださいました。

感覚過敏、感覚鈍麻、GABA、多感覚、ニューロダイバーシティ、発達性協調運動障害など、出てくる出てくる気になるワード。脳の世界は、なんてグラデーションで多様性にあふれているんだろう!と驚きました。
そして、研究者として、ご自身の研究情報を発信するのには様々な制約もあると思うのですが、井手先生のギブ&ギブ&ギブの姿勢にも感動。

しかし、白状します。
私の理解力では、井手先生のお話の半分くらいしかわかんなかった……!

でも、はっきりと理解できたことが3つありました。

  1. 井手先生が、感覚処理障害(感覚過敏・感覚鈍麻など)の神経生理基盤について重要な研究をされており、その研究から生み出される一次情報を持っていること
  2. しかしその研究内容は、専門的で一般の人が理解するのは少し難しいこと
  3. 井手先生は、ご自身の研究情報を、人の暮らしに役立つ情報として広く発信したいと思っていること

私も感覚への興味を持つ一人として、井手先生のお話をもっと知りたい!
そこで、mazecoze研究所にできることを考えました。

感覚の多様性を理解できるきっかけづくり

感覚は、目には見えない世界です。
自分の中だけで感じることを、周りに伝える、理解してもらうのは簡単ではありませんよね。
その前に、自分自身の感覚の多様性に気づいていない人も多いかもしれません。

でも、感覚の過敏や鈍麻により、生活する中で困難さを抱えている人は、程度の差はありますが、子供から大人までいます。
特に発達障害がある方で感覚過敏がある割合は、「9割以上いらっしゃるのではないか」と井手先生(感覚過敏がある=発達障害ではありません)。

大人でも、自分だけの感覚特性を自分でコントロールする選択肢を持つことや、一次情報を手に入れることが難しい中で、子供は。
「授業中、エアコンの音が気になって授業に集中できない」、「背中に当たる洋服のタグがチクチクしてつらい」、「太陽の光がまぶしくて外での活動は頭が痛くなる」、「白いノートがまぶしくて文字がうまく読めない」など、これらは井手先生が例として教えてくれたものですが、もっともっと多くの困難な状況があるのではないでしょうか。

そしてその苦しさを、周りの人に理解してもらえるように説明するってとても難しい。
学校という集団行動の毎日の中で、身体的、感覚的な苦しさに、親や先生から「わがまま」とか、「我慢ができない」などのレッテルを貼られ、どうしようもなく苦しんでいるお子さんもいると思うのです。

感覚の過敏さに困っている人が、井手先生の研究を知ることで。
自分の感覚の特性を、脳科学という視点から知ることができ、自己理解につながる。
自分にもっと優しくなれる。
誰もがそれぞれに違うことに気づくきっかけになる。
自分の感覚について周りの人にもわかりやすく伝えることができるようになる。
そしてそれは、自分から社会を変えていく一つの体験にもなるのではないか。

先生の研究を噛み砕いて教えていただき、小学校高学年くらいのお子さんから読める内容にまとめることなら、mazecoze研究所にもできるかもしれない!

井手先生にそうお伝えすると、
「僕が研究者の立場で啓発や情報発信をすることの心は、ひらばるさんがお考えになっているような自己理解や、そこから社会全体が特徴を理解して、当事者を受容するシステムに代わることなので、とても楽しみにしています」と言ってくださいました。ガゼンやる気満々になりました。

先生が努力に努力を重ね積み上げてきた研究について、この場で情報発信させていただけること、本当にありがたく思います!

わかりやすさにこだわってつくります!

明日からはじまる「井手先生の脳科学最前線!」の本編では、井手先生への質問+回答の形で、1記事1つの項目について、まとめていきます。
単語の解説にとどまるのではなく、「それについて井手先生はどう思っているのか?」、「そこから何が読み取れて、暮らしの中にどのように落とし込めるのか?」を考えながら、先生の研究の最先端をお伝えしていきたいと思います。

2月某日、国立障害者リハビリテーションセンター研究所にお邪魔して、たっぷりとお話をうかがってきました。
質問を繰り返し、わからないところは何度も聞き返し、先生が辛抱強く教えてくださったおかげで、やっと少し掴めた、感覚の世界!

本編は、イラストを入れたり(描きました……笑)、4月に小学4、5年生になったお子さんや、小学校・中学校の先生にもご確認いただきながら制作しました。わかりやく、おもしろく伝わるよう、引き続き工夫していきたいと思います。


お子さんたちからはレポートまでいただき、何事も学び探究していく姿勢に感動✨

最後に、井手先生からのメッセージをご紹介します。
「取材では、話しすぎてしまったなぁと思いましたが、特別な機会なので、沢山話して、mazecozeさんの感性で形にしてもらえたらと思っていました。
発達障害の分野は当事者の幸福に繋がるような情報が少ないのをずっと悩んできて、できるだけ丁寧に話して、地味だけど皆とともに発展させていき、大きな変化を生み出す力の一部として貢献できたらと思っています!
ひらばるさんが僕の話、“半分くらいしか理解できなかった!”と素直に言ってくださって、それがとてもいいなぁと思いました(笑)
安心して難しいと思っていただいて、ただ、僕がこの研究を“楽しい!”と思っている気持ちを皆さんと共有し、核となる部分が伝わり、社会に対して少しでも発信していけたらと思っています」

それではこれから、感覚から広がるグラデーションな脳の世界のお話を、お楽しみください!
第1回は、明日公開予定です^^

井手先生の脳科学最前線!
感覚過敏・鈍麻から広がるグラデーションな脳の世界
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井手先生の脳科学最前線! プロジェクトメンバー



井手正和先生(写真中央)


専門:実験心理学、認知神経科学、神経心理学
発達障害者の感覚処理障害(感覚過敏・感覚鈍麻など)の神経生理基盤を明らかにすることを目的とし、心理物理と脳イメージング法を用いた実験を行う。
近年は、発達性協調運動障害(協調運動、巧緻運動、全身運動などの障害)にも着目し、脳内のGABA濃度の低下との関係性を探っている。
障害の原因により深く迫るため、マウスを用いた比較研究も行う。臨床家との共同研究で、基礎的知見を基にした臨床介入・支援の開発を目指す。
研究室webサイト

kana(右)


米国大学にてElementary Educationの学位取得。
外資系ホテルでコンシェルジュを経て、独立。
コンシェルジュ業、翻訳等の仕事をしながら、steam教育、gifted 発達障害等ダイバーシティ勉強中。

ひらばるれな(左)


mazecoze研究所代表
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
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