こんにちは。たがやす理事の伊藤愛(まなみ)です。
毎月投稿しているたがやすメンバーによるnote記事。今月は私が担当いたします!
錦江町との出会い
たがやすが拠点を置く錦江町(鹿児島県)と出会ったのは、2020年の秋でした。
東京でフリーのフルート奏者としてお仕事をしていた中で、都会では溢れ地方では足りないアートの現状を知り、地方でも音楽家が生きていけるのかを試してみたいと地方に興味を持ち始めました。
色んな地域での活動を視野に入れて探していた時、錦江町の地域おこし協力隊の募集記事を発見。同時にこの町の存在を知りました。
初めて訪れた時には、GoogleMapで現在地を表示し、わ〜めっちゃ南端にいる〜!と感動したことを覚えています。
2021年4月に地域おこし協力隊として移住し、地方とアートを繋ぎたい!と3年間活動してきました。
演奏者としてだけではなく、漫画ワークショップやアーティスト・イン・レジデンスなど、様々な企画を立案しチャレンジさせてもらいました。
子供たちが住む場所に関係なくアートに触れられる機会を作ること。そして、地方に興味を持つアーティストを受け入れるための機会と場所を作ること。
今振り返ると、協力隊時代の活動はその2つの思いが強かったように思います。
文化をたがやすには3年間では足りない。そう感じ、協力隊として行ってきた活動を引き継ぐ母体をと、一般社団法人あわいと言う会社を設立しました。
(あわいnoteリンク)
現在はフリーのフルート奏者としての活動と並行し、あわいとしてアーティストの居場所作りを進めている途中です。
音楽家としても会社の代表としてもひよっこです。
やりたい思いと現実との間に、色んな種を蒔いている段階です。
それがこれからどんな花になり、実をつけるのかはまだ何も分からない。だからこそ不安にもなり、同時にワクワクもする。そんな日々を鹿児島で送っています。
NPO法人たがやすという存在
私にとって、たがやすという存在はアベンジャーズでした。
みんながバラバラではあるけれど、それぞれの分野で活躍しているヒーローたちの集まり。
20〜30代の若者組がいて、経験豊富な年長組がいて、みんながみんなびっくりするほど働く人たち。そういうイメージでした。
たがやす2年目の年から私は理事として関わり始めましたが、自分が疲れている時、たがやすの仲間たちを思い浮かべてもっと頑張っている人たちがいると、勝手に勇気づけられていたこともあります。
先ほども書いたようにたがやすには、大企業でバリバリ働いてきた経験豊富なメンバーもいれば、私や代表のみなみちゃんみたいに、一般的な社会経験が浅いまま自分で事業を進めているメンバーもいます。
時にはその差が自分の弱みだと感じますが、その白さが強みになる時もきっとある。
それぞれがそれぞれの良さを持っているからこそ、たがやすはバランスを保っているように感じています。まさにアベンジャーズ...!(自分が加入後に言うのは気が引けますね)
みんなの音楽室
たがやすが運営するみんなの図書館・本と一筆にて、毎月開いている場があります。それがみんなの音楽室。
皆さんから頂いた中古の楽器を広げた図書室で、自由に楽器に触れたり、セッションしたり、練習したり、ただ本を読んだり。この自由な空間には、町民さんだけではなく1時間かけて通ってくれる方もいます。
実は私がこの錦江町で地域おこし協力隊になると決まった時、やりたいことをiPadに書き出していたんですが、そこにはこんなページが残っていました。
まさに今みんなの音楽室でやっている事……!
錦江町に移住する4年前に思い描いていたやりたい事を、今実際にやっていたんです。
自分でも驚きました。
でもそれは、仲間がいるから出来たことでもあります。
同じたがやす理事の仲間がいて、「こんなの良いね!」を一緒に描ける仲間がいたからこそ、みんなの音楽室はスタートしました。
誰もが好きなものを好きでいて良い場所。
家庭の事情も、立場の違いも、全てを取っ払って自分はここに居ていいんだと思える。
それは、みんなの音楽室を開催している図書館本と一筆の思いと重なる部分かなとも感じています。
地方でも音楽家は生きていけるのか。その答えはまだ出ていません。
ですが、地方で実験する日々は、自分の足で歩いているんだなと実感する生き生きとした日々でもあります。
田舎も都会もそれぞれの良さを持つ中で、この場所だから出来ることを一緒に探っていくことが出来るのが、たがやすという法人でありメンバーであるように思います。
文化(=Culture)の語源は、ラテン語のColoreで耕すです。
地方×アートの挑戦はまだ始まったばかりですが、たがやすらしく、自分らしく、耕し続けられるよう楽しんで進んでいきたいなと思っています!
(文・画像提供 伊藤愛)