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第4回:子どものやる気を引き出す「母の女優魂」 実践編・パートⅠ

mazecoze研究所 │ 2016.10.06

こんにちは!岩田かおりです。
食欲の秋、芸術の秋、読書の秋と言いますが、もちろん勉強に最適な秋でもあります。
暑くも寒くなくちょうどい気候、今年も残すところあと3カ月のちょっとしたラストスパート感、ハロウィンにクリスマスと続く楽しいイベントもやる気に火を付ける追い風にできる季節です。
この季節の恵みを最大限に活用するために、今回と次回は2回連続で、子どもをやる気にさせるお母さんの言葉がけ実例集をお送りします。

「大切な話=シリアスに伝える」の常識を変えましょう!

子育てをしていると、どうしても「きちんとした子に育てたい!」と肩に力が入ってしまいがち。
知らず知らずのうちに子どもへのまなざしが厳しくなっているんですよね。それにつれて、親子の会話もどんどん真面目モードに、カタく、シリアスに……。
でも、子どもとの会話って実は真面目モードでは、親の思いなんてぜんぜん伝わらないんです。
カタいこと、シビアなことが苦手な子どもたち。親が「これは伝えたい!」と思うことほど、いかに真面目モードを崩すかを考えることが大切です。

では、どうすいればいいか? ポイントは、
①明るく、おもしろく伝えること
②競争心をあおること
③子どもに選ばせること

そして、この3つのポイントを最大限効果的に伝えるために重要なのが「母の女優魂」です。

これまでも、大切ですよー!とお伝えしてきた「母の女優魂」。
「私、そんなことできない」「わかるけど、実際にどうしたらいいのかわからない」といった声もいただいていますが、基本がわかれば応用はとっても簡単なんですよ!

【SCENE1 朝、グズグズの保育園児編】

「早くしなさい!」

朝の忙しい時間帯、登園前の我が子が玄関でグズグズ。
さっさと靴を履いてほしいにいつまでもふざけたり遊んでいたりするとき、こんな言葉でまずもって行動が早くなることなんて絶対にないのに、言ってしまうのが↑↑このセリフですよね。

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競争心理をあおれば10分かけて出来なかったことがものの10秒で出来てしまうことも!

こんな時こそ女優の出番!
「ねぇねぇ、○○くんはどの靴にする〜?」
「ママの靴も出してくれるとうれしいなぁ」
「よーいドンして、どっちが早く履けるか競争するよ!」

もう、だまされたと思ってやってみてください。
園児、ホントに「よーいドン!」が好きすぎますから(笑)

【SCENE2 宿題イヤイヤの小学生低学年編】

「いい加減にしなさい!」

宿題をすると言って自分の席に着いたものの、鉛筆を触ったり消しゴムを転がしたり。集中してやれば10分で終わらせられる内容なのに、いつまでもダラダラしていることって良くありますよね。
そんな我が子の姿にたまりかね、イライラして言ってしまうのが↑↑このセリフ。
でも、これがおきまりのパターンになってしまうと、「宿題=お母さんの雷が落ちる時間」と無意識にすり込まれてしまいます。
そんな子どもの行き着く先はわかりますよね。はい、恐怖の「勉強嫌い」です。

こんなときも女優にご登場願いましょう!
「○○ちゃんはどっちの宿題からやる〜?」
「あ、この漢字。ママも子どもの時大好きだったなぁ」
「あと10分でご飯ができるから、それまでに終わらせて一緒にいただきますしよう!」

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宿題を「怒られる時間」から「褒められる時間」にチェンジ!みるみるやる気がわいてきます

そんなこそばゆいこと言えない?
普段の自分じゃないみたいで恥ずかしすぎる??
でも、女優モードを発動する真の目的は、親の思い通りに子どもをコントロールするためではなく、「やればできる!」「やれば楽しい!」を子どもにより多く体験させるため。そのために、言葉の力を最大限に引き出すための手段が“女優モード”というわけなんです。

女優モードは「できたらいっぱい褒める」ところまで

だから、親の思うように子どもが動いた後は、それで満足してはいけません。
「ちゃんとできて当たりまえ」という態度を取るのではなく、「○○ちゃん、すごいね!やっぱり出来る子はちがうわ」なんて言って必ず大げさなくらい褒めてあげてください。
「やったー!」なんて言いながらお母さんとハイタッチしたりすると、子どもの気持ちが前向きになっていきます。女優モードはここまで継続させてくださいね。

お母さんが女優モードを自然に発動できるようになると、大事な話であればあるほど、シリアスにならずリラックスしながら笑顔で伝えられるお母さんになることができます。
どのタイミングにクスッと笑える要素を入れれば子どもの心にスッと入っていくのか、その勘所がつかめるようになってくるんですよね。

このワザを体得した親と子どもの間には深い信頼関係が育まれます。
本当は、親が心から子どものことを思っているのに、子どもにとって親が無理難題を言ってくる人、いつも攻撃的な態度を取ってくる人という認識が子どもにできてしまうと、メッセージが伝わりにくくなってしまいます。

そしてこの“女優モード”、実は子どもが思春期に入ってからはさらに大活躍するんです。
そんなわけで、次回は小学校高学年以降での女優魂の使い方をお届けします。お楽しみに!

岩田かおり(いわた・かおり)

「かおりメソッド」代表。
長男、長女を幼児教室等に入れずに都内国立小学校に合格させた実績から、親が手取り足取り教えなくても、ガミガミ怒らなくても、子ども自ら勝手に勉強するようになる“しかけ”と“しくみ”を次々に考案。どんな親でも再現できるように体系化し「かおりメソッド〜教えない教育」として、世田谷でセミナーをスタートさせた。これまでに教えた子どもの保護者はのべ約300人。現在、13歳♂・11歳♀・7歳♀の母。

かおりメソッド

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