〈番外編〉 自由研究に悩む親必見! 「“夏休みの宿題はちょちょいのちょい”だと思わせ作戦!」
【これまでのほったらかし子育て】
第1回:かけっこが苦手な子が大阪市でNo.1に!? 奇跡をおこす子育てとは?
第2回:受験を戦い抜ける子も、自己肯定感が高い子も持っている。たくさんの「知るって楽しい!」という実体験
目次
宿題終わってないのになぜ脳天気なのか、我が子よ……
こんにちは! 岩田かおりです。
夏休みもいよいよ後半戦。お盆が終わると、2学期がやってくるのは本当にあっという間です。
夏休みと言えば、「宿題」が大きなネック。本当は、そんなにたいした量ではないのに、追い詰められますよね、主に親が(笑)。
一方で、宿題が終わっていても終わっていなくても楽しそうなのが子どもたち。
「ねぇねぇ、『ファインディング・ドリー』見に行きたーい!」
「ぼく、今日もプール行きたいなぁ」
「おばあちゃんちに行くの、いつ? 今年もカブトムシ捕まえるんだ!」
……なーんて、脳天気。この様子に、宿題が終わっていない子の親はイライラしてしまいます。
絵日記を書く、計算ドリルをする、自由研究を仕上げる。
実は私、こんな宿題で得られる成長は、子どもにとってそんなに多くはないと思っているのですが(あ、夏休みの宿題のお陰で子どもの学力が伸びた!という方がいらっしゃったらゴメンナサイ)、やっぱり、終わっていないと気が気じゃないですよね(親が)。
夏休みにしかできない経験は子どもにとって宝。それを阻む最大のものとは…?
私が考える、“夏休みに子どもをひとまわりもふたまわりも大きく成長させるもの”———それは、“身も心も自由な時間”です!
学校関係者の皆さん、すいません。でも、今回は番外編なので、いつもよりいっそう本音を言わせていただくと、子どもたちを大きく成長させるはずのフリーダム・タイムを阻むものこそが“夏休みの宿題”、そして、夏休みの宿題が終わらないことで発生する“親のカミナリ”だと、私は思っているんです。
ごはんを食べるのが遅かったり、
お風呂になかなか入りたがらなかったり、
夏休みが始まったばかりの頃に交わした約束(主にお手伝い関連)が守れていなかったり。
すると、家庭の中にムクムクとわき上がり、親の口からドカーーンと放たれるこのキーワード。
「なによ、あなたなんか、まだ宿題終わってないくせに!!!」
わかります。ずっと、気になっていたことが怒りと共に口から出てしまうのでしょう。でも、そのせいで、家庭内は一瞬で険悪なムードに。
子どもたちからしてみたら、ポカーン( ゚д゚)……です。「え!? お手伝いと夏休みの宿題、関係ないよね??」
せっかくの夏休み。自由な時間を満喫している子どもたちを見て、イライラや怒りがこみ上げてきてしまうのなら、これはとっとと作戦を決行した方がよいでしょう。
親の私たちは、カミナリを落とす前にやるべきミッションがあるんです。
見える化で「なんだ、これだけじゃん!」と思い込ませる
ミッションその1:心の負担を軽くする
どんなにプリントに書いてあっても、子どもって宿題の総量を把握していません。ばくぜんと「なんとなく、たくさんある」と感じているんです。
そこで!
計算プリント10枚
漢字プリント8枚
絵日記3枚
自由研究1つ
と、お子さんと一緒に書き出してみてください。
そのとき、親御さんがホンネではどう思おうと、子どもにはこう言葉がけすることを忘れないでください。
「なんだ、これだけね!」
間違っても、「うわぁ、結構あるね」と言ってしまうと、子どもは「親が“結構な量”と言うってことは、やっぱりすごい量なんだ……」と感じて、余計に腰が重くなってしまいます。
ミッションその2:宿題の量を“見える化”する
子どもって、「簡単!」「すぐできるじゃん!」とわかれば取り組めるんです。だから、
計算プリント1枚2分 ……20分
漢字プリント1枚5分 ……40分
絵日記3枚 ……プールに行ったこと、バーベキューのこと、キャンプのこと
自由研究1つ ……日本のお城について
と、「しなきゃいけないことがたくさんある」と漠然と思っていたことに、具体的な内容やかかる時間を書き加えていきます。
こうして、宿題の量を“見える化”することで、やるべきことがわかってくると、逆に「早くやりたくなる」のが子ども心の不思議(笑)。
ミッションその3:宿題を選ばせる
ここまで来れば、あとは簡単。
「よーし、じゃぁ、今日はどれにする?」と子ども自身に選ばせるだけです。
「やりなさい!」と親から言われるのではなく、自分自身で選んだことには、子どもって実に熱心に取り組みます。あとは、ニコニコ見守って、「すごーい、あっという間に終わっちゃったね!」と褒め称えればオッケーです。
くれぐれも、「今日は宿題、やるの? やらないの??」というきき方はしないでくださいね。
夏休みの宿題だって、大切なのはやっぱり“戦略”!
題して「“夏休みの宿題はちょちょいのちょい”だと思わせ作戦」
残り少ない夏休みを、少しでも早く宿題から解放されて過ごしたい方! 今すぐ決行してみてくださいね。
書き方や内容に親がこだわりすぎると、子どもは一気にやる気を失います。自由研究や計算ドリルをしても、子どもが目に見えて賢くなるわけではありません。多少イラッとすることがあっても、「楽しい夏休みは、親のニコニコ笑顔から!」と、自分に言い聞かせて乗り切りましょう。
夏休みにしかできない経験を自由な時間の中で満喫すること、子どもにとってそれにまさる過ごし方はありません。
岩田かおり(いわた・かおり)
「かおりメソッド」代表。
長男、長女を幼児教室等に入れずに都内国立小学校に合格させた実績から、親が手取り足取り教えなくても、ガミガミ怒らなくても、子ども自ら勝手に勉強するようになる“しかけ”と“しくみ”を次々に考案。どんな親でも再現できるように体系化し「かおりメソッド〜教えない教育」として、世田谷でセミナーをスタートさせた。これまでに教えた子どもの保護者はのべ約300人。現在、13歳♂・11歳♀・7歳♀の母。