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ダイバーシティ4人会。発達障害当事者ライター、脳科学研究者、出版プロデューサーに教えてもらったガジェットや最先端研究や書籍をご紹介します!

平原 礼奈 │ 2019.12.05

こんにちは。mazecoze研究所のひらばるです。
先日、発達障害当事者ライターでmaze研研究員の宇樹義子さんから、「東京に行くので会いましょう!」とお声がけいただき、初めてお会いすることができました!

忙しい上京スケジュールの中で時間を作ってくれたことがまず何よりも嬉しかったのですが、「〇〇さんが来てくれるかも」、「〇〇さんも!」と、あれよという間に宇樹ネットワークが集結することになり、グループスレッドが立ち上がり、会議室まで借りてくれて、結果的にダイバーシティ座談会風な展開に(笑)

今回はお会いしたみなさんと、話題になったニュースをご紹介したいと思います!

宇樹さんと初対面、新たな出会いも!

当日お会いできたのは、宇樹義子さん、井手正和さん、西垣成雄さんのお3方。
発達障害、脳科学、出版など多様な分野の最前線で活躍されている方々です。
まずは、はじめましてー、のみなさまをご紹介!

mazecozeではおなじみの、宇樹義子さん!


宇樹さんと出会って数年、メッセージでのやり取りで活動をご一緒してきましたが、お互い「うん、思っていた通り、2Dから3Dになった感じね」というのが初対面の感想でした(笑)

最近、NHKのあさイチ!「発達障害 困りごとの”トリセツ” 反響編」や、クローズアップ現代+「長引くひきこもりの陰で〜見過ごされる中高年の発達障害〜」にVTR出演したり、メディアや書籍で執筆したりと、発達障害についての情報発信最前線で引っ張りだこの宇樹さん。今回も、とあるメディアでの鼎談取材のための上京だったのだそう。

●宇樹さんの書籍
発達系女子 の明るい人生計画 ―ひとりぼっちの発達障害女性、いきなり結婚してみました

NHKのNewsupにも、宇樹さんの記事がまとめられていました。
生きづらい… 発達系女子の“トリセツ”

幼い頃から宇樹さんが感じていた「世界になじめない感覚」や、それによって生じた苦しみ、そして高機能自閉症(ASDの1つ)の診断を受けてから、「助けを求めることも“スキル”」だと実感して作り上げてきた自分だけの “トリセツ”について、などなど盛りだくさんの内容です。宇樹さんのイラスト付き!

もうお一方は、井手正和さん。

井手先生は、国立障害者リハビリテーションセンター研究所・脳機能系障害研究部の研究員。現在は、「感覚過敏」の研究を精力的に推進し、感覚過敏が発生する神経科学的なメカニズムや脳内神経基盤に関する研究を進められています。

宇樹さんとは、某雑誌の感覚特集で別ページでそれぞれ登場したことをきっかけに、SNSでつながって仲良くなったのだそう。
研究者って遠い存在という感じがあったのですが、SNSでご自身の言葉から研究について発信したり、多様な人とのつながりを研究に反映されたりしていて。
その気になれば誰とでもつながれて、これまでなかったような関係性を築いていける、新しい時代だなぁーとしみじみ。

そして、西垣成雄さん。

西垣さんは、宇樹さんの『#発達系女子の明るい人生計画 ―ひとりぼっちの発達障害女性、いきなり結婚してみました(河出書房新社)』の出版プロデューサーでした!

数十年に渡って幅広いテーマの書籍企画、編集、制作を手がけてこられて、宇樹さんとはもう、次回作のお話もされていましたよー!

ハイテクガジェットでライフハックのお話

簡単な名刺交換のあとは、あれこれ会話が咲き乱れまして。

まず盛り上がったのが、宇樹さんの腕に装着された、スマート活動量計について。

「GARMIN」というブランドの活動量計で、一見するとスポーティな時計風なのですが、ストレスレベルや睡眠の質などのフィットネス関連のデータを計測することができる優れもの。素材がやわらかくて防水で、17gと超軽量。「今はこの一択」と、宇樹さんがセレクトした一品なのです。

GARMIN(ガーミン) アクティブトラッカー 活動量計 50m防水 vívosmart4 Black Slate レギュラーサイズ【日本正規品】 最大7日間連続稼働

これがあることで、「自分のストレスレベルが上がっていたり、ボディバッテリーが減っていたりするときには数値で把握でき、体調管理に劇的に役立っている」と宇樹さん。

宇樹さんのnoteでも、GARMINはじめ、いろいろなガジェットについて詳しく紹介されていますよ!

発達系女子がハイテクガジェットで極限までライフをハックする沼にハマり、なぜか癒されちゃった話

ちなみにガジェットとは、便利で面白い電子機器やアプリケーションなどの小道具のことを言うようですよ。「ガジェットってなんだっけ……?」からはじまったアナログな私でも、読み終えるとガジェットという言葉をやたら他の人に言いたくなる記事です!

「発達障害」「ガジェット」で検索すると本当に色々な記事が出てきて、これらの道具があることで、困りごとが解決(軽減)できたという人多数。
宇樹さんが自分の特性を探究し、そこから発掘・シェアしてくれるライフハック(いかに作業を簡便かつ効率良く行うかを主眼としたテクニック群のことみたいです!)なガジェットは、多くの人の生活をも便利でより良くしてくれると感じます! 私も教えてもらったのをいくつか活用してます!

井手先生の脳科学

次にはじまったのが、井手先生によるミニ講義です。

ご自身の研究テーマである「感覚過敏が脳の中でどのように起こっているか」について、発表前のものを含む最新データの数々をあふれんばかりに教えていただく贅沢な時間が、それはもう突然にはじまりました。自己紹介代わりにと。先生、気前よすぎです。

今めちゃくちゃ気になっているニューロダイバーシティから、GABA(チョコレートではないらしい)、知覚情報処理、時間分解脳、感覚プロファイル、発達性協調運動障害などなど、脳の働きに関連する言葉がずらりと出てきて、脳の世界、すごいー。

実験心理学から脳機能系の研究へと越境し、今ではそのどちらもを融合させたスタイルで研究を進めているという井手先生のご経歴もmazecozeで、研究についてもっと知りたい、知りたすぎる!
ということで、来年には井手先生の新企画がスタートする予定です! お楽しみに!

井手先生は、研究内容をわかりやすく社会に発信していくことも大切にされていて、定期的にイベントもなさっていますよ。会いに行ける研究者です。
【脳科学】教えて井手先生!感覚過敏のほんとのところ

それから、宇樹さんの本をプロデュースした西垣さんと、私が最近農業に夢中だと話をしていましたら、「先日石川県で微生物農法を実践する84歳の西出隆一さんの本を出版しましたよ」と! 微生物といえば、生物多様性。気になります。まさにmazecozeコラムで明石さんが書いてくださっていることともつながっていそう。

その書籍名は『西出式微生物農法
※詳細は、販売元の青文舎さんまでご確認ください。

西垣さんは、発達障害関係の本もですが、80歳を超える方々のお話の聞き書きや過去を記録に残す本の出版にも力を注がれているそうです。高齢の方の人生に宿る経験や知恵をきちんと言葉で表現していくことは、とても大切な取り組みだなぁと感じます。

そんなこんなであっという間に時が過ぎていきました。
いやー、それにしても濃い時間でした。ここからまた新しい企画も始まっており、楽しみです。
宇樹さん、井手先生、西垣さん、ありがとうございました!

研究員プロフィール:平原 礼奈

mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。

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