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EダンスもD'LIVEも! デフダンサーemiさんの、踊る喜びをシェアする場づくり

平原 礼奈 │ 2019.11.15
こんにちは。mazecoze研究所のひらばるです。 金曜の夜にEテレで放映されている「Eダンスアカデミー」という番組があるのですが、ご存知でしょうか? EXILEのUSAさんやTETSUYAさんが、キッズダンサーとともにダンスのステップを教えてくれたり、世界中のダンスを紹介してくれたりする内容で、踊ることにとんでもない憧れを抱き続けている私はいつも楽しみに見ています。 そんな中、ダンサーの友人emiさんから「ダンスを教えているキッズたちが、Eダンスアカデミーにチラッと出るよ」というメッセージが! そして、先週の放映。 emiさんが相方のDAICHIさんと育てている3人のかわいいキッズダンサーが、登場していました。 「ダンスつくり隊」という企画で、“Eダンスキッズが耳の聞こえない子どもたちとダンスチームを結成しオリジナルダンスを作る”というもの。チラッとどころじゃなくて、これからずっと出るやつです。楽しみ、楽しみ!

「違い」への寛容性から、関係が育まれる

生まれつき耳が聞こえないemiさんは、フリーのダンサー、モデルとして、様々な場面で表現活動をしています。主に耳が聞こえない子どもを対象に、ダンスのインストラクターもしていました。 2018年には、「耳の聞こえない子供達のグローバルドリームチームを創る」ことをビジョンに掲げ、同じくデフダンサー(耳の聞こえないダンサー)であるDAICHIさんと「Globalizm」を結成。 デフダンサーが活躍するシーンの発展に貢献できるようにと、ワークショップやイベントを開催しています。Eダンスに出演していたのは、活動を共にするGlobalizm Kidsたちでした! ちなみに、「聞こえないのにどうして踊れるの?」という素朴な疑問については、こちらの記事がわかりやすいです。 聞こえなくても踊れるよ―ろうのダンスインストラクター Eダンス放映後、ブログにこんなことを綴っていたemiさん。(一部抜粋)
スタッフも手話通訳も極力介入せず、子どもたちだけでやりとりすることに リアルに撮りたいとのことで、どうなるんだろうとドキドキしながらテレビを見ていました 放映でもされていたように伝える方法はいろいろあります 『手話 指文字 筆談 空書 口話 身振り 口をゆっくり大きく開ける(声を大きく出すではない)』 耳が不自由な人でも皆が手話が使えるとは限らない 手話を知らないけど口話で会話できる人もいる 喋れるけど読み取りできない人もいる 手話べりできるけど文章が苦手な人もいる 聴こえ方も微妙な違いもあって本当に様々な人がいるわけで。。 聞こえない人も十人十色 なんとなく人と同じで一緒であることに安心するかもしれないけれど、「なんだか合わない」ことや、その「違い」を無理に受け入れたり、考え方を変えたりとかではなく、「そういう考え方もあるんだ」と受け入れるように、「違い」に寛容性を持っていたいなぁと思っています 先入観をいったん外して、相手を一度、人として向き合って受け入れようとすると、関係性がより良くなっていくような気がします 「そういう人もいるんだ」とふわりと思えたら… そんなふんわりとした社会がもっと広がるといいなぁとふと思ったのでした
emiさんと知り合って十数年になるのですが、クラブで踊るかっこいいダンスの虜になったのはもちろんのこと、やさしくて芯のある人柄がとても素敵で。 maze研手話部の先生をしてもらったり、ダイバーシティプランニングのお仕事でご一緒したりと、いつも色々教えてもらっています。 emiさんのダンスが好きすぎて、「私にもダンスを教えて欲しい!」とモーレツに懇願しましたが、それはちょっと保留になっています(笑)

見る、感じる、つながるエンターテインメント

そんなemiさんがいま目指しているのは、「一緒に喜びや楽しさをシェアできるエンターテインメント」。色々な企画がすでにはじまっていて、これからますます、emiさんやGlobalizmのことを目にする機会が増えてくると思います! ちょっとご紹介しますと。 12月には、Globalizm として、「D'LIVE vol.16(in@川崎クラブチッタ)」というイベントに出演予定。 D'LIVEは“聴覚障がい者と健聴者のコラボレーションで、手話歌や本格的なダンスステージを披露する国内最大の手話ライブイベント”。 私もかなーり前に、カウントマン(デフパフォーマーの前で音や出番のカウント、合図を出す人)として参加したことがあります。超エネルギッシュな舞台で、いつの間にか16回目というのがまたすごい! 日本文化の魅力を発信し、2020年以降を見据えたレガシー創出のための文化プログラム「beyond2020プログラム」認証事業にもなっているそうですよ。 ●「D'LIVE vol.16 さらに12月15日には、神奈川県庁で開催される「共生社会実現フォーラム」で、Globalizmの5人でパフォーマンス予定! サイトを見るや、プログラムに登壇する方々めちゃ豪華です。 共生社会実現フォーラム そのほかにも、定期的に開催されているワークショップでもemiさんたちに会えますよー。 CONNECTED 国境、年代、性別やハンディも越えて「音楽」と「こころ」で繋がるダンスプロジェクト Street Dance Let’s TRY Globalizmが企画する、ストリートダンス表現の可能性を広げるWS 聞こえる聞こえない、障がいのあるなしは関係なく、表現することやダンスが好きな人ウェルカムな場なので、興味のある方はぜひ! 詳しくは各サイトをご覧ください^^  

emi

デフダンサー/デフパフォーマー 生まれつき聞こえない(原因不明)。ダンス好きが高じて、筑波技術短期大学(現:筑波技術大学)のダンスサークル「Soul Impression」を創立。様々なデフユニットや聞こえるグループを結成し、数々のパフォーマンスやダンスインストラクターを経て、現在に至る。デフダンサーとして、またモデルとしても多方面からのオファーを受け活動中。 ・Globalizm、THE UNIVERSE 所属 ・True Colors アテンダント ・デフダンスキッズ「Colorful大塚」顧問 ・DANCE WORKSによるDanceProject 「CONNECTED」スタッフ ・JDAC認定ダンス指導員 初級ライセンス取得 Globalizm webサイト ブログ
(画像提供:emi)
研究員プロフィール:平原 礼奈

mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。

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