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株式会社チカク【第2回(全2回)】
まぜこぜな経歴が奇跡のサービスを生み出した!梶原健司社長が持つ家族への想い。

mazecoze研究所 │ 2016.12.20

デジタルとアナログがまぜこぜの「まごチャンネル」誕生のきっかけは?

前回でまごチャンネルの恐ろしいまでの使いやすさとユーザーへの想いやりを理解した私たち。今や手のひらを返したように前のめりに話を聞いてます。
そもそも梶原社長はどうして「まごチャンネル」を作ろうと思ったのでしょうか?

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語っていただきました!

「今は子どもが2人いて東京在住なのですが、僕自身は淡路島出身で、祖父母と親兄弟の三世帯で暮らしていました。おじいちゃんおばあちゃんと一緒に過ごす時間はとても心地よくて、いい思い出として残っています。
でも大学入学のために上京してからは、特に就職するとなかなか帰省できなくなってしまいました。そこで、子どもの姿だけでも見せたいと思って、両親にスマホやタブレットを贈って写真や動画を送信するのですが、使いこなせないんですよね。
実家の親から“ケンジ、アイコンがプルプル震えてるけど、どうしたらいいんだ?”って電話かかってきたこともありました(笑)。ホームボタンを押せば直ると言っても、そもそもホームボタンもわからないんです。直してあげたくてもそうそう帰れないですしね。
やっぱりおじいちゃんおばあちゃん世代にとって、スマホやタブレットを扱うのはとても難しいことなんだということを痛感しました。では何だったら使いこなせるんだ?と考えたときに、テレビだと気づいたんです。僕たちの世代はある意味スマホが分身のようなところがありますが、両親にとっての分身はテレビなんですよね。テレビなら彼らも小さい頃から慣れ親しんでいますし、今も毎日使っていますから。
そこで、テレビを使って子どもの動画や写真を見せてあげたいと思ったのがきっかけです。」

おじいちゃんおばあちゃん世代でも簡単に使うことができる機器といえばテレビ。簡単に使えるスマホやタブレットを開発するのではなく、使い慣れたテレビに写真や動画を送れるようにしたというわけですね。見事な発想の転換です!

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「いい話やわ〜」真剣に聞く私たち。お前ら最初の勢いはどうした

本当にやりたいことは自身の経験から生まれてくるもの

次に、起業する前のお話もうかがってみました。
大学卒業後、新卒としてあのアップルジャパンに入社した梶原社長。アップルではマーケティング、セールス、新規事業開発などいろいろな仕事を経験したんだとか。その後起業を目指して退職。当初は周りの期待や前職での経験から、「クールでイノベイティブなこと」で起業したいという思いがあったと言います。
ところが、自分ができることややりたいことを真剣に考えていくうちに浮かんできたのが、自身の家族への想いから出てきた温かみのあるサービス「まごチャンネル」でした。

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たしかに「ITで起業」といえばクールなイメージだけど、今の梶原社長と全然イメージが違う!と笑うアナログな私たち。

たくさんのお年寄りを訪ねて回り、サービスに確信を持つ!

自分の中にあった構想が、輪郭を帯びてきた梶原社長。そこで、自分のやりたいことと、世の中のニーズがしっかりとマッチしているのか、30組〜40組ものおじいちゃんおばあちゃんを訪ねて回りました。
はじめは製品を紹介するかのように思わせて、サプライズで孫の写真や動画を見せてみました。すると、彼らのなんとも嬉しそうな表情を見ることができたそうです。その反応を見て確信を持ち、株式会社チカクの設立を決心したとのこと。
お年寄りの生の声を聞いて回るって、普通のIT企業ではなかなかやらないことですよね。「淡路島出身」と「元アップル社員」というまぜこぜな経歴を持つ梶原社長ならではのやり方と言えるかもしれません。

サービス開始後に届いた、お客様からの嬉しいお手紙

また印象的だったのが、お客様から届いた「手紙」のお話。
ある日、地方のお客様からチカクさんへと電話がありました。どうやらまごチャンネルが故障したそう。「着払いでこちらまで送って頂けたら、修理してまた送り返しますよ」と対応しました。
届いた製品を見てみると、そこには手紙が一緒に添えられていました。はじめはクレームかと思ったそうですが、「まごチャンネルには本当にお世話になっています」という感謝の手紙でした。さらにはお客様の地元の特産品も同梱されていたそうです。

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こちらがその時の手紙。大切に保管しています

壊れて修理に出すものに、こんな感謝のお手紙が。まごチャンネルはただの家電ではなく、家族の生活に寄り添った欠かせない道具なのですね。
「自分たちが作ったもので喜んでもらえるって、嬉しいですよね。相手の喜びが自分の喜びに変わるんだとその時実感しました」

「グッドデザイン・ベスト100」を受賞!

チカクさんの動きを加速させるかのように、まごチャンネルは2016年度グッドデザイン賞の「グッドデザイン・ベスト100」を受賞。これは、4,085件の審査対象の中から、100件のみに贈られる名誉ある賞です。

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いただいたばかりのトロフィー。ぴかぴかでかっこいい!

チカクさんと梶原社長の目指す未来は?

話を聞いていくうちに、そのサービスや想いにどんどん引き込まれていった今回。最後にそんなチカクさんが目指す将来について、うかがいました。
「”まごチャンネル”をベースとして、”デジタル時代の2世帯住宅”をより実現していきたいです。ゆくゆくは写真や動画を一方的に送るだけでなく、双方向のコミュニケーションもできるようにと考えています。そのためにはもっともっと製品を全国に広げていきたいですね。」
現在もお客様からのフィードバックを製品に反映させ、随時よりよいものへと改善しているそうです。

新しい家族のコミュニケーションツール「まごチャンネル」。これはぜひとも全国の悩めるじじばばに広めていただきたいですね!
梶原社長をはじめとした株式会社チカクのみなさま、本当にありがとうございました!

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株式会社チカクの皆さん、お忙しいなかありがとうございました!

まごチャンネル
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