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第1回:僕が25歳で会社を作ったワケ

mazecoze研究所 │ 2016.01.22

初めまして。株式会社Sociarise(ソーシャライズ)の中村拓海です。
maze研のみなさんには「説法するマルチリンガル」とか「涅槃の青年実業家」とか言われていますが、これでも’90世代。ピチピチの平成生まれ、25歳です。
今、僕が代表を務めている会社は、グローバル人材に特化した人材マッチングサイト“Worldot”を展開し、グローバルな人材採用、人材活用の新時代を切り拓こうとしています。要は、「日本で働きたい外国人の方も、外国人を採用したいと考えている企業も、思い描いた採用や就職ができる日本になればいいな」という思いを実現するために、会社を興したということです。
今回、“mazecoze”という素敵なひびきに誘われて、二つ返事でコラムの執筆を引き受けました。自分の経験や考えなどを発信して、凝り固まった価値観をほぐしていこうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

「日本で働きたい」という外国人は思っているよりずっと多い

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毎日のように外国人留学生と面談をしています

僕がSociariseを立ち上げた理由には、大学時代の経験が大きく影響しています。 母校の東京外国語大学の近くで、「英会話カフェMoris」というたまり場を運営していたこともあり、留学生とのつきあいが多かった僕。その中に、「日本に住みたいから、日本で働きたいんだよね〜」と言うスペイン人のフラン君という人がいました。 ———文科省の奨学金を受けて留学するような、自分より遙かにアタマのいい人が日本で働こうとしている。こういう人たちと仕事ができたら、日本人もたくさんのことが学べるし、彼らもお気に入りの日本で有意義な時間を過ごせるんだろうなぁ…。 そう考え、社会に出てから彼らと一緒に社会を作っていくことに、僕は胸を弾ませていました。世界のマーケットを作っていくこれからの日本企業には、こういったグローバルな人材が必須だろうと思ったのです。

「ビザが切れちゃうから、大学院に進んだヨ…」

フラン君が日本で就活をしている頃、僕は1年くらいパキスタン、インド、ミャンマーでぶらぶらしていました。
そして帰国後、社会人になっているであろう彼にさっそく連絡を取ったのです。
僕  :「帰ってきたよ! さぁ、ごはんを食べに行きましょう、あなたのおごりで!」
フラン:「おかえり! おごるお金ないよ〜!」
僕  :「ご冗談を! 社会人のリッチな財力を見せてくださいよ!(笑)」
フラン:「だって働いてないんだよ。今は博士課程に進んだんだ」
僕  :「なんだって!?」
詳しく聞くと、日本企業の採用選考を受けたものの、なんと全滅だったというのです。入社できる会社が見つからなかったので、在留期間を延ばすために博士課程に進んだとのこと。
僕は、正直言って彼の言っていることが信じられませんでした。なぜなら彼は、母国のトップランクの大学に通っていて、 その中でも文科省の奨学金生に選ばれるほど優秀で、母国語、英語だけじゃなく、日本語にも問題のないトリリンガルで、僕と一緒にカフェの運営やイベントの企画もして、完全に日本になじんでいて、日本が大好きで、日本での就労意欲も高く、専門分野の日本映画の研究では、大使館で発表する機会を与えられるほど能力のある人間だったからです。
当時、彼の就職が上手くいかなかった理由がまったくわからなかった僕は、「残念だったね。また来年頑張ろう」と言うことしかできませんでした…。

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就職活動中の外国人留学生たちと。みんな意欲にあふれています。

「グローバル化=日本人が英語を話せること」ではない!

実のところ、外国人留学生の就職率は、日本人の学生に比べて非常に低いのが現状です。厚生労働省が発表している「大学等卒業者の就職状況調査」(平成26年度)によると、
■大学生 96.7%(前年比2.3ポイント増)
■短期大学生(女子のみ) 95.6%(前年比1.4ポイント増)
■高等専門学校生(男子のみ) 100.0%(前年同期と同率)
■専修学校生(専門課程) 94.7%(前年比1.7ポイント増)
という就職率で、日本人全体では約96%が就職できている状況。つまり、就労意欲のある学生なら、ほぼ何らかの形で仕事に就けているという状況なワケです。
一方、外国人留学生の就職率はというと、、、約40%。日本人の半分以下です。
社内公用語を英語にしたり、採用時に留学経験を高く評価したりと、日本企業は「日本人のグローバル化」には積極的です。なのに、すぐ目の前にいるグローバル人材をどうして採用しないのでしょう!?
このモヤモヤこそが、僕がSociariseを立ち上げ、“Worldot”というサービスを提供しようとした理由なのです。

次回からは、実際に僕が遭遇した留学生や日本の採用にまつわるエピソードを紹介し、みなさんと一緒にこれからの日本の働き方や仕事観について考えていきたいと思っています。どうぞ、ご期待ください!

中村 拓海(なかむら たくみ)

1990年生まれ。株式会社Sociarise代表。
自身の経験から、外国人留学生の積極的採用・積極活用の新時代を創る事業構想を思い立ち、東京外国語大学在学中の2014年11月に起業。2015年7月にグローバル人材に特化したマッチングサービス“Worldot”をスタートさせる。日本語、英語のほか、ウルドゥー語、ヒンディー語、インドネシア語、ベトナム語の6カ国語を操るマルチリンガル。趣味は海外放浪、お菓子づくりと掃除。
ダイレクトリクルーティングサイト Worldot

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