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“まぜこぜの社会”を体感してみませんか?東ちづるさん率いる
Get in Touchの「Warm Blue MAZEKOZE Art Ⅱ」

平原 礼奈 │ 2016.03.14
こんにちは! mazecoze研究所のひらばるです。 当サイトがオープンしてはや4ヶ月。その間、数人の友人から「東ちづるさんが“まぜこぜ”の活動をしてるの、知ってる?」というコメントが寄せられました。 東ちづるさんといえば、女優として広く活躍されていますが、その彼女が「まぜこぜの社会をつくる」を理念に掲げて活動をしているというのです。 “まぜこぜ”つながりでお話をきいてみたい。ダメもとで連絡してみると、「ぜひ取材に来てくださーい」とご本人から即答! 2月下旬、東さんに会いに行ってきました。

鳥肌……天使の歌声がお出迎え

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東さんを中心に、笑い声が絶えない現場!
青山のオシャレなビルの扉を開くと、広々とした空間の中心にいらっしゃいました、東ちづるさん! 「今日は私は裏方だから、何でもやってますよー」と、チャキチャキ現場を仕切り、なんともパワフル! この日はとあるPV撮影とのことで、カメラの前にちょこんと座っていたのが、佐藤ひらりさんです。
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佐藤ひらりさんの歌声はこちらから聴くことができます!
ひらりさんが電子オルガンを演奏しながら歌い始めると、空気ががらりと変わります。その歌声はまるで天使……。彼女は、東さんがその才能に惚れ込んだ、全盲のシンガーソングライターなのでした。

つながる団体「Get in Touch」

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Get in Touch立ち上げまでの道のりを教えてくれる東さん。
東さんは、20数年以上も前から「政治や報道は、困っている人のためにまずあるべき」という信念を持ち、ときにはご自身が芸能人である立場を有効に使って、さまざまなボランティア活動を推進してきました。 「はじめは一人でやるって決めていたんですけど、2011年の3.11で、そうは言っていられないなと。被災地の避難所にはあらゆる特性の人がいて、まぜこぜで、日本の縮図でした。でも、マイノリティの人たちがやんわりと排除されてしまう状況があったんです。ここはバリアフリーじゃないから他の避難所に行ったほうがいい、と言われたりして」 社会には色とりどりの人が共存していることを体感してほしい。そうして立ち上がったのが、省庁、行政、企業、団体、家族、個人など、あらゆるジャンルとつながりながら、「まぜこぜの社会」をめざして活動をする「Get in touch」です。

広く浅くつながればいい

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前のめりになるmaze研メンバー。
Get in Touchのイベントやアート展で活躍するのは、冒頭のひらりさんや、ダウン症のアーティスト、自閉症のラッパーなど、東さんが才能を見出した多彩で多様な人たちです。 「これだけありとあらゆる特性や難病があるのだから、すべてに正しい理解をすることは、きっとムリ! 私はただ “一緒にいる”ことが大切だと思っています」と東さん。「理解や知識がなくてもいいから、広く浅くつながればいい」というのも、活動を通じて伝えたい大きなメッセージなのだそう。 「自分には関係ないと思っている人を巻き込んで、いかに自分ごとにしていくか。そのためには、ワクワクうきうき、楽しいが一番!」と、誰もが楽しめるための演出に膨大なエネルギーを注がれています。

メンバーは一流のプロボノ

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この日のPV撮影メンバーのみなさんもプロボノ!
活動の運営に携わるのは、すべてプロボノ(自身の職業の専門性を生かして行うボランティア活動)メンバー。 「最初に集めたのは、一流のクリエイターでした。デザイナー、カメラマン、メイクアップアーティストなど、福祉やボランティアにも無限の可能性があることを、スタイリッシュにかっこよく表現できるスキルを持った人たちです」 本業で忙しいプロフェッショナルな人たちを、どうやってボランティア活動に誘ったのでしょう。 「みんな、東ちづるという事故にあっている、と言っていますね 笑」 現場に居合わせたスタイリストの西さん曰く、「もうね、飲んでたら“次よろしく〜!”みたいなかんじで、気づいたらイベントでNYに行ってましたからね、私まで。でもね、目からウロコがたくさん落ちます。ひらりちゃんみたいに、すごく良い才能に出会えるし、心が躍るんです」 業務のかたわらのプロボノ活動はさぞや大変だと思うのですが、自由につくり上げる現場と出会いをみなさん心から楽しんでいるようでした。

企業とも価値交換

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Get in Touchの“つながる”しくみがおもしろい名刺
年に数回実施するイベントでは、多くの企業ともコラボレーションしています。 「企業協賛を集めるときに、私たちは施しはいりませんとお伝えしています。必ずwin-winで、チャンスを作り合いましょうと」 活動に参加するアーティストの原画を使って企業の冊子・包装紙を作ったり、オリジナル商品を共同開発したりと、ビジネス意識を持ち、受け身ではない関わり合いを進めているのだそう。さらに、思わぬ効果も。 「協賛企業の社員さんにも、この取り組みを知ってもらうようにお願いしているんですね。そうすると、“実は家族に障がいがあって”とか“”自分にはADHD傾向”があって、などカムアウトする社員さんが出てくるのだそうです。それを企業側がビックリして。社会のためにといろいろCSRを進めてきたけど、まず社員のためにということができていなかったって」 東さん自身、活動を通じてこうした福受的な気づきを多く目の当たりにしてきたと言います。

渋谷界隈が青く染まる!

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東京タワーも、ビルも、車も、青くなる!(写真提供:Get in Touch)
ここまでご覧いただいて、「私もまぜこぜ体験がしてみたい」と思っているみなさん。今月21日から「Get in Touch」のイベントが開催されます!
【イベント概要】 ・Warm Blue MAZEKOZE Art Ⅱ ・会期:2016年3月21日(月)~4月18日(月) ・会場:伊藤忠青山アートスクエア(東京都港区北青山2丁目3-1シーアイプラザB1F) ・入場料:無料 ・告知映像
世界ダウン症の日を皮切りに、約一ヶ月の長丁場。毎週土曜の14時には、上記会場にてライブや映画上映など、さまざまなイベントが行われますよ。会期中はいたるところで、ひらりさんが歌う「Get in touch!」のメッセージソング&PVも流れるそうです。
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これまでのイベントの様子(写真提供:Get in Touch)
そして、4月2日は「Warm Blue Day」。世界自閉症啓発デーに、渋谷、青山、原宿、東京タワーが青く染まります。なんとあのハチ公も!
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Warm Blueの案内(写真提供:Get in Touch)
みなさんも青いものを身につけて、ぜひご参加ください。もちろんmazecoze研究所もイベントに参加します。レポートは、改めてまぜアングルで!
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青色で取材にのぞんだmaze研メンバー。「I Love You」の手話を一緒に。
取材協力:東ちづるさん
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〈プロフィール〉 女優・タレント。広島県出身。ドラマからコメンテーター、司会、講演、出版など幅広く活躍。プライベートでは骨髄バンクやドイツ平和村、アールブリュットの活動等のボランティア活動を20年以上続けている。2012年10月、「まぜこぜの社会」をめざして活動をするプロボノ集団、一般社団法人「Get in touch」を設立し、代表として活動中。4月7日より木曜ドラマ『ドクターカー』(毎週木曜23:59~)にも出演。 Get in Touch 「4月2日世界自閉症啓発デーに街をブルーに染めたい!」 クラウドファンディングにも挑戦中!>>こちらから
研究員プロフィール:平原 礼奈

mazecoze研究所代表
手話通訳士
「ダイバーシティから生まれる価値」をテーマに企画立案からプロジェクト運営、ファシリテーション、コーディネートまで行う。
人材教育の会社で障害者雇用促進、ユニバーサルデザインなどの研修企画・講師・書籍編集に携わった後に独立。現在多様性×芸術文化・食・情報・人材開発・テクノロジーなど様々なプロジェクトに参画&推進中。

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