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まぜアングル2018.08.08│研究テーマ:PTA, 子育て保手濱 歌織

第1回 古今東西PTA居酒屋対談:意思決定と進め方、参加するモチベーションって?

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保手濱です。ご無沙汰ですが、PTAネタ! タイトルにある通り居酒屋対談でございます。
昨年「PTAを面白がる会」を開催して以来、PTAに関心のある皆さんとFacebookグループで交流しています。

悩めるお父さんお母さんへ。「PTAを面白がる会」開催しました!
前編http://mazecoze.jp/cat7/3290
中編http://mazecoze.jp/cat7/3321
後編http://mazecoze.jp/cat7/3473

大きいことから小さいことまで皆さんの様々なお悩みや解決策が日々やりとりされているのですが、その中で公開された八王子市立第十小学校のPTA資料がものすごい!と話題に。
こちらです↓

PTAnotebiki

PTAの意義や地域との関わり、活動や会費についてなど、これ以上ないってくらい説明してくれていますね。多くの方はお子さんの小学校入学までPTAに関する事前知識はほとんどなく、
「PTAって学校内の組織だと思ってた」
「なんのためにやってるのか知らない」という声が聞かれます。入学時にこうした資料が配られると、納得した上で加入できそうです。

しかし仕事じゃないのにここまで資料を作り上げたの一体何者……是非話を聞きたい参考にしたい! ということで、八王子市立第十小学校のPTA会長にお声がけさせていただきました。
→せっかくならざっくばらんに話が聞けるといいな→お酒飲みながらだよね
というごく自然な流れで、「古今東西PTA居酒屋対談」という企画が爆誕した次第です。PTAに関わる色んな立場の方々をお酒の席に誘って話を聞いちゃおう! という楽しいプロジェクトです。

みなさんご多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

第1回対談メンバーご紹介

記念すべき第1回目のメンバーはこの方々! 八王子市立第十小学校からは前・現会長お二方にご参加いただきました! 感謝感激。

メンバー1:八王子市立第十小学校 PTA会長


櫻井 励造さん
「PTAの手引き」を作成したご本人。現八王子市立小学校PTA連合会 会長、3児の父。

メンバー2:八王子市立第十小学校 PTA会長


天野 耕太さん
櫻井さんに続き会長に就任した天野さんは、4児(!)の父。

メンバー3:賑やかし

掛田 薫さん
「PTAを面白がる会」の共同主催者で、スーパーワーキングマザー。江東区在住 前PTA広報委員長、2児の母。

会場は、墨田区の鐘ヶ淵にある居酒屋「はりや」。

フードライフプランナーの荘司美幸さんが実家である昭和6年創業の居酒屋を改装してオープン。縄のれんや梁など、ところどころに当時の面影が残る懐かしい店構え。オーナーの荘司さんは、墨田区で子育て関連の取り組みをたくさんされています。お仕事中ですが、お手すきのときに対談に加わっていただきましょう。

メンバー4:墨田区のお母さん

荘司美幸さん
はりや 店主、二階の食堂 Kanegafuchi 店主、Npo法人 すみだすくすくネットワーク 代表


理事、社会福祉法人みんなのおうち 小梅保育園 理事、すみだkomachi 代表。4児(!)の母

自分用メモが元になった「PTAの手引き」

保手濱:さっそくですが乾杯! まずは八王子市立第十小学校の「PTAの手引き」がどのようにして作られたのかを教えてください!

飲んで話したことが記事になるということで、序盤は独特の緊張感が漂う

櫻井さん:僕は子どもが小学校に入学した年に副会長に就任し、翌年会長になりました。僕自身が地元出身で、八王子市立第十小学校は母校でもあるし、当時兄が会長を務めていたこともあり。今まで地域になんの貢献もしていなかったので、恩返しのつもりでした。

櫻井さん:はじめの1年間は、全体の流れや業務を把握することに費やしました。その時付け始めた記録が「PTAの手引き」の元になっています。「PTAの手引き」は入学前に開かれる新入生保護者会で配布して、PTAのあり方や役割を理解してもらい、入会につなげています。

歴史ある組織での、変革の起こし方

櫻井さん:会長に就任してからは、「どうせやるなら楽しくやりたい」と、新しいチャレンジをたくさんしてきました。当時PTA主催の行事はほとんどなかったので、劇団や落語家さんを呼んでみたり、学校宿泊体験イベントを開いたり。

災害時に体育館が避難所になることを想定し、訓練の意味合いもあるイベント「学校に泊まろう」

「アインシュタインラボ」さんをお呼びして、理科実験教室。すごいインパクト!

保手濱:行事を増やすと役員や委員の仕事が増えますよね。反対意見は出なかったんですか?

櫻井さん:すぐに「やろうやろう!」とはならないですね。お母さんたちは結構慎重なので。
でも「やったら絶対楽しい」という確信があったので、企画書を作って本部役員に提案しました。
口頭で提案しただけでは否定的な反応をしてきた人も、こうして具体的に企画書にして見せると「もっとこうしたらいいんじゃない」って意見を言ってくれます。そこであれこれ話していくうちに「(大変だろうけど)やってみようか!」って動こうとする人が出てくるんです。もともと本部にはやる気のある人も多いので。

保手濱:声をかけると動いてくれる人はいるってことですね。その行事は継続していますか?

櫻井さん:今のところ形や規模を変えながら継続しています。でもやめたり他の行事に変えてもいいと思っています。毎年話し合って決めればいいんです。

保手濱:就任中に変えたことは他にありますか?

櫻井さん:業務効率の改善ですね。PTAは昔からのやり方をそのまま引き継いでいるケースが多いですよね。うちの小学校でも同じで、「ITを取り入れればだいぶ無駄が省けるな」と感じ、PCやネット使ったツールを導入していきました。

保手濱:保護者のITリテラシーはかなり差があると思いますが、どのように取り入れていったのですか?

櫻井さん:まずは15人程度の本部役員から、なるべくみんなが付いて来られるように徐々に変えていきました。

櫻井さん:例えば業務のやりとりに導入したのはサークルスクエアというサービス。グループウェアのサービスってたくさんあると思いますが、その中でも親しみやすくて直感的に操作できるのが選んだ理由です。詳しくない人でも抵抗は少ないかなと。

電話だと記録が残らないし、メールは履歴を追いづらい。サークルスクエアの有料プランなら履歴が残ってそのまま引き継ぎ資料になるから、「やらないよりやったほうがいいですよね?」と提案しました。

ケースにもよりますが、きちんとメリットを説明した上である程度強引に変えてしまってもいいときはあると思います。

コンクール受賞した広報誌を作り上げるチームビルディングとは?

保手濱:江東区でのPTA活動はいかがですか?

掛田さん:私は昨年度広報委員長を務めましたが、そこで制作に携わった広報誌が「江東区PTA広報誌コンクール」で審査員賞を受賞しました。

江東区PTA広報誌コンクール受賞式の様子。中を見たくなるインパクトのある表紙や、QRコードを付けてアンケートを集め企画に反映させた点などが評価された

保手濱:すごい! おめでとうございます。制作の仕事はどのように進めていきましたか?

掛田さん:みんながなるべく平等に仕事ができるよう工夫しました。
最初の顔合わせでは「楽しくできるように手間を減らして、でもやるからにはちゃんとやりたいです!」って話して。みんな賛成してくれました。

掛田さん:平等といっても、働いていたり子どもが小さかったりと状況はそれぞれ。だから仕事した回数をチェックして管理するのもちょっと違うなと。だから「やれる人がやる」というルールにしました。

取材に行くのも「この日行ける人〜?」って募集して。行けない人には「じゃ他のことでお願いするかも!」と伝えました。手を挙げてくれた人には「やってみてうまくいかなかったら次号は変えるから、何かあれば言ってね」となるべく精神的な負担をかけないように気を遣いました。結局は最初に決めた担当をほぼ変えないまま全号作り終えましたけどね。

打ち合わせ時のレジュメ。メンバー全員が主体的に動き、満足度と質を高めるために、作業の見える化と効率化を図った

掛田さん:はじめはLINEだけでやりとりしていましたが、写真やテキストなどの共有にGoogleドライブを導入しました。もちろん使ったことない人も多かったけど、みんなでできる人に教えてもらいました。

保手濱:PTAで新しいスキルが身につくっていいですね!

掛田さん:「Googleドライブってなに~?」ってワイワイと(笑)。最後は「みんなできるようになったね!やったー!」って。
みんな良い感じでしたね。最終的に「楽しかったね!」で終わったからよかったです。

打ち上げの様子。みんなでワイワイ頑張りました!

櫻井さん:とてもいい進め方。何かを変えるときはトップダウンでもいいけど、進めるときのリーダーシップはボトムアップのほうがいいなと思います。
「私がこんだけやってるんだからあんたたちもやりなさいよ」だと「う~ん」ってなるじゃないですか(笑)。

保手濱:同じ作業でも言われてやるのと自分から手を挙げるのだとモチベーションが違いますもんね。

掛田さん:ダメ委員長だったんで、みんなに助けてもらった感じです。 「本当にすみません、こんな委員長ですみません」言いながらやってました(笑)。

会社では経験できない小さい組織のマネジメント

保手濱:さて、櫻井さんに代わり昨年度から八王子市立第十小学校の会長に就任した天野さん、いかがですか?

天野さん:僕は掛田さんと同じで「頼りないリーダー」タイプの会長ですよ(笑)。
「PTAの手引き」をはじめとして、それまで組織の全体像や目的を共有してきたおかげで、本部役員にはモチベーションのある人が集まっています。みんな手を挙げて集まってきた人達なので、すごく優秀。ちょっと話を振っただけでどんどん進んでいきます。

満を持して登場、現会長。

保手濱:人が育ったというか、みんなが自分から動く文化が醸成されたのかもしれませんね。本部役員はどんな人たちですか?

天野さん:15人中10人が女性、5人が男性。他校に比べても男性の参加率は高いほうですよね。八王子は外資も含めて大きい会社が結構あって、そういうところに勤めているボランティア意識の高い方が参加してくれたり。

櫻井さん:大きい会社は仕組みが整っているから残業や休日出勤が少なくて、PTA活動にも参加しやすいんです。

天野さん:面白いのが、大企業に勤めている人って社内で何か変えたくてもできないことが多いんです。
「ここは得意だけど他は知らない」とか、スキルに偏りがある場合もあります。
彼らは組織運営の全体統括をしたことがないし、必要なスキルがない。だからそういう経験をしたくて入ってくる人もいます。

掛田さん:たしかに私もPTAでやってみてうまくいった経験が実際仕事に役立ったことがあります。スキルの確認ができる場ではありますね。

天野さん:大企業で培ったスキルってあくまで企業内スキルで、それが外で通用するのかを確認する機会もない。昔はそれでよかったけど、今はみんな危機感を持っています。会社を辞めるまではいかなくても、チームマネジメントだったり、自分がやってみたいことにチャレンジできる場だと思っている人は少なくないですね。

保手濱:副業解禁の流れもあって、これからは小さなチームで色々な仕事に関わる時代。時代に合わせた価値観や働き方を学ぶ場でもあるってことですね。

PTAは究極の多様性社会?

掛田さん:しかもPTAのメンバーは会社よりも多様性があるから、そんな人たちをまとめる経験ができるのは貴重ですよね。

櫻井さん:そうそう。例えばうちの1年生は、135人中70人以上が学童保育に入っています。つまり半分以上の家庭が共働きという認識。PTAという組織自体はほとんどのお母さんが専業主婦だった時代に作られたものなので、これからはお母さんが仕事をしながらでも参加できる組織に変えていかなければ。

天野さん:最近は外国人の方も多いですしね。昔は割合も少なかったし、外国の方含めて異質な人たちは蚊帳の外でもよかったかもしれないけど、今は受け入れていかないと立ち行かないんです。しかも日本に赴任してきている人ってものすごく優秀で、頭がいいし意識も高い。

掛田さん:江東区でも年々外国人の方が増えてきていて、先日の保護者会では中国語の通訳が入ったくらい。皆さん教育への意識レベルがとても高いです。

後半は女将も参戦。

意味がなくても、変えちゃいけないものもある

櫻井さん:でもね、共働きや外国人などへの配慮はもちろんだけど、昔から地元にいる人たちへの配慮も同じくらい大切なんです。
昔から続くお祭りとか、「大変だしあまり意味がないからやめちゃおう」っていうのは簡単だけど、もしかしたらそこが大切な居場所だという人もいるかもしれない。PTAや地域活動に参加する人って、自分の実存をそこに思いっきりかけていく人も多いですし、そこは守ってあげたいなと思います。変える勇気も必要だけど、変えない勇気も必要。
もちろん彼らに新しい価値観を理解して受け入れる強さを持ってもらうのも必要ですけどね。

保手濱:多様性というのは新しいものを受け入れるだけではなくて、古いものとどう折り合いをつけていくかっていうことでもあるんですね。

女将が加わるとなぜか「セックスアンドザシティが面白い」というPTAと無関係の話で盛り上がり、お開きに…

PTAの意味、進め方、これからのことについて、色々な側面からお話を伺うことができた第1回居酒屋対談。自分では想像もしていなかった価値や方向性を知ることができました。全国でPTAに参加されているみなさん、いかがでしたか? これからPTAに参加する方にも参考になるといいなと思います。
みなさん、今日は貴重なお時間をありがとうございました! 第2回をお楽しみに!


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