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mazecoze(マゼコゼ)研究所は、いろんなものの境界線をまぜこぜにしながら、未来を拓く働き方・暮らし方のヒントを探る知恵の場です。

社会を良くするデザインって?デザイナーじゃなくてもできる「ソーシャルデザイン」のはじめかた

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会場は二子玉川のコワーキングスペース「co-lab二子玉川」。子ども連れで参加もできる開かれた場所。

保手濱です。先日、「ソーシャルデザイン論の授業をやってみた」というイベントに参加してきました。多摩美術大学でソーシャルデザイン論の講師をされている田中美帆さんが実験的に行っているイベントです。

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今回が3回目の開催。写真は前回までの様子。(提供:cocoroé様)

広がっていく「デザイン」の仕事

「ソーシャルデザイン」という言葉。たまーに耳にするような気もしますが、「ユニバーサルデザイン」と同じような意味なのかと思い込んでました(笑)。そのくらい無知な状態ですが、最近、maze研のダイバーシティ担当・ひらばるに連れられて東ちづるさんの取材に同行したり、イベントに参加したり、その影響で手話の独学を始めたり(手話部も立ち上げます!)と、人や社会の多様性を知る機会が増えた私。ソーシャルデザインもその界隈とやや関わりがあるようで、なんだかわかんないけど見に行ってきました!せっかくなので私レベルの方にもわかりやすいようにレポしますね!

ソーシャルデザインの事例として講演をしてくださったのは、

  • フェリシモ「花咲かお母さんプロジェクト」で東北関連の事業を展開されている、株式会社フェリシモの児島永作さん
  • ソーシャルギフト「futacolab」で福祉と社会をつなぐソーシャルギフト事業を立ち上げた 株式会社グラディエ代表取締役の磯村歩さん
のお二人。

お二人の事業は一見、「デザイン」とは関係がなさそうですが、ここでいう「デザイン」は、社会にあるなんらかの問題を解決するために事業を創ることやその取り組みそのもののことのようです。PCに向かってWEBサイトとか作ることだけがデザインかと思ってたよ!!

東北の未来を見据えた太っ腹なソーシャルデザイン

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東日本大震災の支援事業として東北各地での商品開発やプロジェクトを進めてきたフェリシモの児島さん

フェリシモの「とうほく帖」を見たことのある方もいると思います。東北で作られている雑貨が集まった可愛らしいカタログです。現地の職人さんや事業者さんと一緒に、全国で支持されるようなデザインや物づくりを開発してきた児島さん。常に「東北の事業者にとって、これから必要としていることは何か?」「私たちにできることはなにか?」を社内で話し合ってきたそうです。

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満員の会場。
そしてこの3月に、フェリシモが関わっている間だけ成り立つのではなく、その後も続いていくためのサポートをしていくべく、新事業「Startline」をスタートさせました。東北の人たちが自分たちで商品開発をできるようにノウハウを伝え、流通企業の前で提案するまでのサポートをしていくそうです。 小売業者であるフェリシモさんが、生産者やメーカーをほかの販売会社へ繋ぐってものすごく画期的!ていうかそれ、ありなんですか?でもフェリシモでは販売できない、例えば食品のようなものも広げていくためにやっていくらしいです。ふ、太っ腹…。

一方的な支援ではなく、相互利益を生み出すソーシャルデザイン

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ソーシャルギフト「futacolab」を立ち上げたグラディエの磯村さん。

元々富士フイルムで製品のデザインやユーザビリティリサーチの仕事についていた磯村さんは、視覚障がいのある方が触覚で扱える使い捨てカメラを愛用していたり、ガラス越しでの意思疎通に手話が利用されたりする事例を見て、「障がいのある人の生活が、製品の新たな特性を見出したり、健常者の活動の役に立つことがあるんだ!」と衝撃を受けたそうです。
障がい者と健常者の両方にメリットのある取り組みにこそ、より良い社会を創るヒントがあると感じた磯村さんは、福祉作業所で作られるおしゃれなギフトセットを発案しました。磯村さん側は商品力を高めるノウハウを提供し、福祉作業所の持つ地元のネットワークや信頼性を利用して販売していきます。

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オリジナルのギフトセットは可愛いだけじゃなくて中身もこだわっています。

大量生産できないことはカスタマイズできる商品を作ることで魅力に変え、地元企業のオリジナルギフトも作っているそうです。お互いの強みや特性を出し合って事業を展開していく。みんなが対等であり仲間ってこと。関わる人たちみんながウィンウィンの関係になっていること。それがソーシャルデザインの基本なのかもしれません。

お金を儲けるだけじゃない!現代の仕事のモチベって?

これらはボランティア活動やCSRではなく、れっきとした事業として進められています。ただ、一般的な事業活動に比べて利益を出しづらいモデルであることは明らかです。なのに、どうして今、このような取り組みが注目されているのでしょうか?理由は仕事に対する目的意識の変化にあるようです。

講演の中で磯村さんが話されていたことが印象的でした。これまでの仕事といえばお金を稼ぐためのものであり、事業を興すことの目的も利益を生み出すことでした。しかし今、「儲ける」ことだけに働く意義を感じない人が増えているというのです。
彼らが見いだした仕事に対する新たな目的は、社会問題を解決することや、困っている人の役に立つこと。近頃人気の“社会起業”も、広義にはソーシャルデザインといえそうです。

ソーシャルデザインってどうやって始めるの?

イベントの締めくくりとして、主催の田中さんと3人目のゲストであるbiotope株式会社 代表取締役 佐宗さんのトークセッションが始まりました。佐宗さんはいくつかのメーカーでブランドマネージメントや事業創出に関わった後独立、現在はデザインと事業をつなげて新しい価値を生み出す総合プロデュースをしながら、問題の解決に必要な創造的思考である「デザイン思考」を提唱しています。

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佐宗さんは「デザイン思考」に関する書籍も出されています。※詳細は記事の最後に
お二人で実際にソーシャルデザインとなるような仕事をするために必要なことを話し合います。途中で児島さんと磯村さんも参戦!さて、私たちもゲストの方々のようなソーシャルデザインをしたいと思ったとき、どうすればいいのでしょうか?

現場に赴き、見て、感じる!

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こうしてイベントに参加するのだって大事なこと!

トークの中で出てきたキーワードは、「体験」と「共感」。自ら現場に赴き体験し、感じたことや問題に思ったことがスタートとなるということでした。実際に児島さんや磯村さんも、被災地や福祉事業所を回って気づいたことや考えたことから事業がスタートしました。 SNSのおかげで自宅にいても世界中の情報が入ってくる今、それだけで満足してしまいがちですが、自分で行動して、見て、聞いて、話して、感じることからアイデアや思考が生まれるのですね。
どんな事業でも進めていく間にはたくさんのトラブルや難関があります。そんな時、自分の目で見て感じたことから始まった事業は、そのニーズや必要性が自分の中で確信に変わるため、困難を乗り越える力となるのかもしれません。

佐宗さんの提唱する「デザイン思考」とは、見て知って考えることと、それを元に創り出すことの往復だそう。作るだけでもだめで、考えているだけでもだめ。
今までデザイナーだけのものだった、「デザイン」の仕事。これからは視点の持ち方や行動力によって、誰にでもデザインができる!これがソーシャルデザインの醍醐味ってところかもしれません!私自身も仕事をしていく上でたくさんのヒントをいただきました。

なんとなくもやんと考えることと、まぜ研の今後。

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ドリンク付きでした。こちら二子玉川の地ビールだそう。

今回イベントに参加してたくさんのことを学ぶことができました。でも改めて「ソーシャルデザイン」ってなんなの?と聞かれると、私の中ではやっぱりまだもやんとしていてひと言では説明できません。この言葉がきちんと定義づけられ説明されるのは、何十年もあとのことなのかもしれませんね。 そんなことよりも今まさに現場で問題に取り組んでいる人やこと、それ自体が一番大切で注目するべきことなんだと感じました!

まぜ研も情報発信している媒体の端くれとして、そのことは意識していかないといけないなあ、などとメンバーで話していたら、「まぜ研もソーシャルデザインなのでは?」という話に。
私たちは子育てや介護など、いろいろな事情を抱えながらも生きていくためのキーワードとして「まぜこぜ」を社会に浸透させるべく、色々なところに社会科見学して知見を積み上げているのです。実は!

ソーシャルデザインってなんなのか、知りたくて行ったら自分たちもだった!というオチ。 もしかしたら、あなたやあなたの周りの人たちもすでに、ソーシャルデザインしているかもしれません…。


花咲かお母さんプロジェクト
futacolab
『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 佐宗 邦威

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