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第2回:「学校へ行く意味」を一緒に考えてみませんか?

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皆さま、こんにちは。川崎知子です。
オランダでは、すっかり冬?! 気温が4度くらいになりました。この間、今度はオランダに夫と息子たちをおいて、一人で自由気ままに日本に帰国していました。6日間の弾丸帰国でした。
帰りの飛行機で、ちょうど1年前のことを思い出しながら、この記事を書いております。

元教員なのに、子どもたちを日本の学校に行かせたくない理由とは?

前回、「移住の理由の半分が息子を日本の公立学校に入学させないようにするため」という少々過激なことを書いてしまいましたが、もう少しだけ柔らかく言うと、「公立小学校に勤務しながら自分の子どもは私立に通わせる、それなら移住しても同じ」だと思ったのです(笑)。

みなさんも、お子さんの教育について

「公立学校には何も期待していない」
あるいは
「何でもかんでも公立学校に押し付けては先生たちが可愛そう。」
などと思っていませんか?またはそのような声をよく聞きませんか?

私も親御さんたちからのそういった声をよく耳にします。だからと言って、家でしっかりしつければいい(しつけとは何かはまた別の機会にゆっくり)とか、習い事でカバーすればいいとは思いません。

「毎日の大半を過ごす学校での時間をなるべく楽しく、居心地よく過ごして欲しい」という気持ちは、親ならみんな共通してもっていると思います。
でも現状は、学年が上がれば上がるほど「学校が楽しい!」「学ぶことって楽しい!」という子は少なくなっている気がします。
私は元教員として、その理由が学校にあるのではないか、と自戒を込めて思っています。

45分間ただ座らされて話を聞く授業、禁止事項だらけの休み時間、急いで、しかも好き嫌いせずお行儀よく食べなければならない給食、どんなに綺麗でも雑巾掛けをしなければいけない掃除、極め付けは一律の宿題……。

もちろん、そうでない学校、そうでないクラスもたくさんあります。でも大半は、上に書いた通りです。

さらに、最近は「学力の低下」あるいは「学級経営が大変」という理由で、なんでもかんでもスタンダード化する傾向にあります。

私が勤めていた区には、「学び方スタンダード」というものがありました。
持ち物、着席、挨拶、姿勢、話し方、聴き方、返事、家庭学習の8項目なのですが、好奇心など学びに不可欠な内面には触れず、外面ばかりを規制していて、これでは「学び」が嫌いになるのではないか、という……。
あまり詳しく書くと、どんどん暗くなるので、この辺でやめておきます(笑)。

移住後の手続きと研修スタート、子どもたちの小学校入学!

息子たちに関しては、このまま日本の公立小学校に入学したらしたで、親の心配をよそに意外と馴染んでしまうかもしれないなあ、という思いもありました。
が、とにもかくにもオランダに連れて来てみました。当時長男は5歳半、次男は3歳3ケ月。

移住して最初の2週間は民泊で森の中の家を借り、大自然を楽しみつつも家探しや諸手続きに追われていました。
家が決まり、引越しをしてすぐに私のイエナプラン専門研修がスタート!(今思えばもっと余裕をもって移住するべきだったのですが。苦笑)

そして移住から1ケ月経ち、市民権を取得できた頃(国に申請する2年間の滞在ビザはまだ仮許可でしたが、住んでいた市からは先に市民番号を取得出来ました)、
夫と相談してそろそろ子どもたちを学校に入れることに。さっそく日本にいるときに調べていた街中で唯一のイエナプラン校に面談に行きました。
※オランダには約6000校の小学校があり、そのうち200校強がイエナプラン校です。「教育の自由」が大切にされているので、それぞれの学校が独自の理念で学校を運営しています

面談では「オランダ語が出来ない子向けのクラスがある学校に行った方がいいんじゃない?」と勧められましたが、
「1年後にオランダ語が上達していなければ別の学校に行きます」という条件付きで半ば無理矢理(笑)入学を決めました。

長男はというと、面談の日に遊ばせてもらった校庭で見た日本にはないような大胆な遊具が気に入り、「オレ、この学校に行けるの?」とノリノリに!
それが去年の10月中旬のことです。

オランダ移住後、初のハードルと挫折

オランダでは、4歳になった子から順番に学校に入学します。イエナプラン校は異年齢学級なので、4歳と5歳が同じクラスです。
長男が入学したのはザザ組というクラス。「ザザ」とはなんと、「ゴキブリ」という意味です! オランダにはゴキブリがいないので、気持ち悪くないらしいのです(笑)。

長男は初日の登校後、「オランダ語が全然分からなかった〜!」と明るく話し、それから1週間くらいは毎日、どんなおもちゃで遊んだかなど楽しそうに教えてくれました(学校といっても4歳・5歳のクラスは一日中遊んでいるのです)。

しかし、ちょうど入学して15日目くらいの朝に事件が起きました。
長男は週に1回か2回、朝のうちに別室でオランダ語の特別レッスンを受けていました。私は「なんて手厚いんだ、さすがオランダ!」と感動していたのですが、その日は送って行った私と離れようとしません(4歳・5歳クラスは毎日送り迎えです)。

そこで、先生が「行くわよ」と手を引っ張ろうとした瞬間、なんと大泣きし始めたのです!! 堰を切ったように泣いていたのですが、先生はおかまいなしに長男を連れて行ってしまいました。

長男と別れてから研修所に向かう間の1時間、私も自転車を漕ぎながら泣きそうでした。
私のエゴでここに連れて来て、オランダ語が出来ないのに辛い思いをさせてしまっている……。

挫折からの気づき、学校に行く意味って?

それでも、「オランダ語は今すぐどうにかなる問題でもないし、辛いのは今だけのはず!」と自分に言い聞かせ、息子にも言い聞かせました。
事件後はしばらく「学校に行きたくない」と頻繁に言ってきました。朝、泣いてどうしようもなくなった日に1度だけ学校を休みました。
すると、翌日からは「行きたくない」と言わなくなりました。

その時、どうしても辛い日に学校を休むことが出来るって大切なことなんだと心から思いました。

そして、久々に長男の小さい頃(特に次男の育休中)、毎朝保育園で泣かれて胸が締め付けられていたことを思い出しました。
日本にいた時の私、そして多くの働く母親たちは、我が子が学校や保育園に行きたくないと言っても、なかなか仕事を休んで付き合うことができませんよね。

この出来事は、学校に行く意味というのを深く考え直すきっかけにもなりました。
家にいると一人になってしまうけれど、学校に行けば同じ年齢の子と関わることが出来る。それが学校に行く意味であると今では確信しています。

それから長男は、「1日に2回学校に行くのが嫌だ」とか(月曜と金曜は1度家に帰ってお昼ご飯を食べ、午後また学校に行くのです)、「遊んでる時間はいいけれど、みんなで輪になって話をする時間が嫌だ」とか言うようになりました(実際一人で遊んでいることもあったようです)。

それでも、11月から1月まで、本当によく頑張って通ったと思います。その間だんだんと馴染んでいき、2月1日の誕生日には変顔をしたり、剽軽な仕草などもして、みんなにお祝いされることを楽しんでいました。

3月には次男も幼稚園に行き始め、長男もスムーズに学校に行くようになりました。そしてあっという間に5月の後半、次男が入学する時期になりました。

長男は友達も出来て楽しそうだったのですが、オランダ語の語彙が全然足りないということで「9月からは別の学校に行った方がいい」とのこと……。それならば次男もそちらに入学しようということになり……。
長男、まさかの転校!あっという間に決まりました。

ザザ組での最終日、長男はプレゼントをもらいました。

みんなのサイン付きのTシャツ。とても嬉しそうでした

「ねえ、ママ、オランダ語を覚えたら、またザザ組に戻れる?」
「戻れるよ。もうザザ組じゃなくて、3年生のクラスだけどね。戻りたいの?」
「うん、戻りたい。ザザ組にはたくさん友達がいるもん!」

書いていたら、思い出して泣けて来ます(笑)。

さて、こんな風にバタバタと転校した別の学校。この学校のおかげで、私はイエナプラン校には拘らなくなっている自分に気がつきました。その学校のことはまた次回書きますね!

川崎 知子(かわさき ともこ)

東京都墨田区出身。東京都の公立小学校で担任として11年間勤務。
2009年、リヒテルズ直子氏と尾木直樹氏の対談本「今、開国の時、ニッポンの教育」を読み、オランダの教育を知る。同年より、上越教育大学の西川純教授が提唱する『学び合い』も実践。2011年より、日本イエナプラン教育協会の千葉支部としての勉強会をイエナカフェという名前で開始し、墨田区や江東区では親向けにも開催する。2015年にオランダでのイエナプラン研修に1週間参加し、イエナプランの学校の子どもたちの自然に学ぶ姿に改めて感銘を受ける。教室にベンチを置いて、いつでも輪になって話し合いが出来るようにするとともに、自分たちで時間割を作ったり、学び合ったりするブロックアワーを実践。
2013年、長男の育休明けには育児短時間勤務を取得。2人の息子の育児をしながら仕事をする上で、イエナプランを実践することが「働き方」にも好影響であることを実感し、2017年7月の「学校働き方フォーラム」で「子育て中でも働きやすくなる方法」として紹介。
2017年9月より、夫と息子たちとともに、オランダに移住。長男をイエナプラン校に通わせながら、研究を続けている。オランダにて、イエナプラン専門教員資格取得。
イエナラボ

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