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第5回:子どものやる気を引き出す「母の女優魂」
実践編・パートⅡ

mazecoze研究所 │ 2016.11.10

こんにちは!岩田かおりです。
11月に入ってカレンダーをめくったら残りあと1枚でした……焦りますね!
クリスマスイルミネーションがチラホラしはじめると、急に一年の終盤を感じてしまいます。パーティーに忘年会、年賀状に大掃除……考えただけでテンテコマイ! こんな気忙しい時期は、お母さんが「イライラ母さん」に変身しがちなので注意です。

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今回も前回に引き続き、「子どもをやる気にさせるお母さんの言葉がけ実例集」をお送りします。今回は、小学校高学年以降バージョン。これからの忙しい季節、ぜひ日常に取り入れて良好な親子関係を作るヒントにしてくださいね!

親子関係にミゾができる原因は……?

それは、ひと言で言うと「子どもとの会話=指導」だと誤解しているから。

子育てに一生懸命なお母さんほど、「子どもと会話するときはきちんと向き合わないと!」と思いがち。「よそ様に迷惑をかけてはいけない」「ちゃんとした子に育てなければ」と思うあまり、会話が“指導”になってしまうケースが小学生高学年ぐらいから多発します。

そんな“指導的会話”が日常的になると、怖〜い現象が起こります。
なんだと思います?
実は、かえって子どもが親の言うことを聞かなくなってしまうんです!!!

まずは、「教えてあげなきゃ」「親なんだからきちんと答えてあげなきゃ」なんて気負いを捨てること。そして雰囲気は、ママ友と話をしたり職場で仲の良い同僚と話すような軽いタッチを目指しましょう。肩の力を抜いて、時折ププって笑える雰囲気を作ることも大切です。

親ですもの、もちろん子どものことは心配です、でも、子どもはもともと自分で学ぶ力が備わっています。だから、親が教えようとしなくても、どこかで学んできて自分で自分をちゃんと成長させられるんです。
タイミングは子どもによって早い遅いがあるかもしれません。でも、子どもって間違いにさえ自分で気がついて訂正していく力を備えているんですよ。 高学年からその先は、「子どもの力を信じて見守ることができるかどうか」。それが、親に試されている時期だと心得てください。

【SCENE1 親みずから笑いをとろう! 小学校高学年編】

小学校高学年は処理能力が格段に上がるお年頃。行動するのが早くなってくる一方で、やるべきこともやりたいことも増えてくる時期です。
夜寝るまでの忙しい時間帯、今日中にこなさなきゃいけない宿題もあるけれど、やりたいこともたくさんあるので手をつけられない、どうしてもエンジンがかからないといった事も起こってきます。
親に急かされたって動けません。「わかっちゃいるんだ、お母さん」、そんなお年頃なんですよね。

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おやつも食べたいしゲームもしたいし友だちと遊んだりもしたいんだ、お母さん!

そんな時でも親が言ってしまうのがこれ↓↓

「いったい、いつになったら始めるの!?」

これを言うと、だいたい空気は険悪になります(笑)。
こんなときは、子どもをプププ〜と笑わせることが先決。笑いを取ったら子どもの心を一気に掴むことができるんです。
すべてはそれから! 10回言っても動かなかった子どもが、たった1回で動き始めることだってあるんですよ。

とにかく使えるのは、旬のお笑いギャグ!
今ならもちろんピコ太郎。会話に「ペンパイナポーアポーペン」をはさむだけ。お手軽です(笑)。

母「はいはいPPAP、何時から宿題開始するの?」
子「9時」
母「NO!却下」
子「8時」
母「YES!PPAP!」

じ、字にするとちょっとおバカっぽいんですが、こういうおバカな会話をしてくれる人が子どもは大好き! ププッと笑えば心が解きほぐされ、停止していたエンジンが動き出します(アクションも付けばなお良し)。
親の感情をストレートに表す言葉は、グッとこらえて横に置いておきましょう。

女優魂(→前回も登場しているアレです!)はコメディエンヌ・モード。ぜひ、笑いの流行には乗ってください(笑)。

【SCENE2 目指せ、パチプロ!? 思春期真っ盛りの中学生編】

小学生高学年より、さらに関わり方が難しくなってくる思春期真っ盛りの中学生。
この時期のお子さんを持つ方はご存知だと思いますが、ダラダラし続ける、口をきかない、目を合わせない……。子どもは今までとは違う生き物に進化します。

そんなヤツらは「パチンコ台」だと思うしかありません。
その心は、「開くまで待て」。(私はパチンコ経験ありませんが!)
つまり、子どもが口を開くまで待つということです。
やる気のない態度、当然勉強なんて自分からしない。ダラけた姿の我が子にたまりかねてイライラしてしまいがちですが、これは成長過程には欠かせない通り道。
アオムシの後、サナギの過程を通過しないと蝶々にはなれないのと一緒です。サナギに向かってガミガミ言っても、まず聞こえていませんから。

ここで思い出してください、このコラムのタイトルを。
そう、「戦略的ほったからし子育て」。思春期の今こそ、ほったらかしが親子関係にプラスに働く時期なんです(もちろん、親として目配りはしつつも!)

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パートナーとも子育ての目線を合わせて、うまく連携していけるとベストです

逃してならないのは、月に数回だけある口を開くタイミング。ここでご登場願うのは、スナックのママさんのような聞き役の女優さんです。

子「今日さぁ、体育の時間に骨折した子がいてさぁ」
親「そうなんだぁ(← 誰?誰?と言いたい気持ちを抑えて)」
子「先生が一人しかいなくてさぁ」
親「ふーん、それで?(← もっとわかりやすく説明しなさい!を封印して)」

とにかく、基本は聞くだけ。
それも、かぶりついて聞くるのではなくあくまで軽く受けとめる感じで。親が聞くことに徹すると、不思議なくらい子どもからどんどん話しかけてくるようになります。

必要なのは、正面から子どもを見つめていた目線を少し外す勇気

小学生高学年から中学生にかけては、大人でもなく子どもなく、本当に微妙な時期。そんな時に、親が真剣勝負で真正面から向き合ってしまうとかえってグチャグチャになってしまうんです。だから、会話に対する意識も「親の意見を言う時間」から「子どもの話を聞く時間」へとチェンジ!

これができないと、「親=うるさい人」という認識が強まってしまうんですよね。こうなると、子どもと会話さえできない関係性になってしまうことも。 子どものことを本当に応援しているのなら、とにかく見守ること!
親のイライラや不安はいったん横に置いて見守る心の余裕をもつこと!

自分に置き換えて考えてみましょう。企画書を提出するたびにダメ出ししてくる口うるさい上司、企画書のダメポイントを笑いに変えてアドバイスしてくれる上司、どちらの環境が自分の力を120%発揮できますか?

「笑い飛ばして見守ること」。これが、高学年以降の親に求められるスキルです。

岩田かおり(いわた・かおり)

「かおりメソッド」代表。
長男、長女を幼児教室等に入れずに都内国立小学校に合格させた実績から、親が手取り足取り教えなくても、ガミガミ怒らなくても、子ども自ら勝手に勉強するようになる“しかけ”と“しくみ”を次々に考案。どんな親でも再現できるように体系化し「かおりメソッド〜教えない教育」として、世田谷でセミナーをスタートさせた。これまでに教えた子どもの保護者はのべ約300人。現在、13歳♂・11歳♀・7歳♀の母。

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