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第1回:ハロー!新天地

石田 恵海 │ 2016.02.02

mazecoze人生キャリア、今年で6年!

はじめまして! 石田恵海です。「何屋」と一言でいえない、まさにmazecozeな人生に突入して6年くらいになります。
編集・ライター業をはじめて18年で、フリーランスになって10年ですが、フレンチシェフを生業とする人と結婚したおかげで、2011年には東京・三軒茶屋で「Restaurant愛と胃袋」というフレンチレストランを飲食店から独立した夫と経営することに。開業当時は生後8カ月の長男をおんぶしてホールに立つこともありました。

3周年だよ!愛と胃袋CK FESTIVAL

お店開業3 周年記念イベント「愛と胃袋 CK FESTIVAL」での家族のひとこま

お子さま連れウェルカムの珍しいフレンチレストランだったことから幼い子を持つハハもお客さまに多かったので、私自身がハハとして学びたいこと&楽しみたいことをテーマにハハ同士で集まる場をつくりたいと、子育てに役立つワークショップなどを開催するイベントサークル「おやこのおへそ」をスタート。
ここらへんからかなりmazecozeになってきました。

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ベビー向け絵本読み聞かせ「おはなし会」や日々の食事づくりを楽にする「手づくり保存食ワークショップ」など、「おやこのおへそ」では親子で参加できるイベントを開催した

そうこうしているうちに、立て続けに年子で次男も誕生し、それから「毎日が奇祭」と言っても過言ではない修行度の高い日々になりました(笑)。年子男子育児、体力勝負です。
そんな修行すぎる毎日に拍車をかけて、大きな決断をしてしまったのが昨年のこと。
山梨に移転して、オーベルジュ(泊まれるレストラン)をしようと考え、本当にたくさんの方に惜しまれながらも、昨夏、三軒茶屋のお店を閉め、今年の新年早々、家族で山梨に引っ越してきたのでした。今、これを書いているのも、山梨県北杜市内にある仮住まいです。

働き方や生き方をあらためて考えた結果が山梨移住

三軒茶屋でレストランを経営して、2年くらい経った頃でしょうか。
自宅とお店はそう遠くはないものの、レストランの現場中心の夫やスタッフ、自宅兼オフィス中心の私との間でコンセンサスを得てアイデアを実行に移すのに、どうしても時間がかかりがちになることが、お店を運営するうえでのひとつのハードルになっていることに気づきました
。 個人経営の良さはアイデアをすぐ実行に移せるスピード力にあるのに、それが上手くできないもどかしさ。自宅とお店がくっついていたら話が早いのに…と思うようになっていたのです。
また、レストランはディナー営業をしていますから、こどもたちを夕方、保育園に自転車でお迎えに行ったら、いつもその足でレストランにいるパパに挨拶をして自宅へ帰るという毎日。自宅とお店がくっついていたら、こどもたちは親の仕事をもっと間近で見られ、夫はこどもたちの存在をいつでももっと身近に感じられるのに。私が顔見知りのお客さまがディナーにいらしたら、さっとご挨拶にお店に出ることもできるのに、と。それで、自宅兼店舗として最初は都内で移転先を探していたのです。
ところが、やっぱり東京は地価が高い! 私たちが求める広さと金額に見合った物件にはなかなか出合えない。
そのうち…
「私たちは多店舗展開したいわけでもないし、高い家賃を支払うために営業したいわけじゃなくて、ひとり一人のお客さまとゆっくり向かい合って、本当のおいしさを求める人においしい時間を提供したいんだよね」
「そもそも、東京でやる必要ないよね」
「うちのこどもたちが東京の小学校、中学校と成長していく姿と、その子育てでどう自分が格闘していくのかが想像できて、ちょっとつまんないなとも思ってた」
などと、「そもそも私たちはどういう働き方、生き方がしたいんだっけ?」ということをあらためて考える機会になり、お店のコンセプトや私たちがお店で実現したいこと、子育て環境などを検討した結果、「よし! 山梨へ行こう!」と。
そして、三軒茶屋のお店をはじめてちょうど4年になる2015年9月7日にお店を閉め、山梨県北杜市に仮住まいを見つけ、この1月に引っ越してきたのでした。

雪かき

山梨に引っ越して、さっそくひと晩で20㎝の積雪を体験。お隣の家が雪で道が封鎖されてしまったので、家族で雪かきを手伝った

さっそく保育園ルールや雪かき、日々の買い物など、東京での暮らしとの違いを実感して面白がっています。
そんな北杜での暮らしとオーベルジュ開業に向けた準備についてなどをこちらで書いていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします!

第2回

石田 恵海(いしだ えみ)

1974年生まれ。ビオフレンチレストランオーナー&編集ライター
「雇われない生き方」などを主なテーマに取材・執筆を続けてきたが、シェフを生業とする人と結婚したおかげで、2011年に東京・三軒茶屋で「Restaurant愛と胃袋」を開業。子連れでも楽しめる珍しいフレンチレストランだと多くの方に愛されるも、家族での働き方・生き方を見直して、2015年9月に閉店し、山梨県北杜市へ移住。2017年4月に八ヶ岳ガストロノミーレストラン「Terroir愛と胃袋」を開業した。7歳と6歳と1歳の3男児のかあちゃんとしても奮闘中!
Restaurant 愛と胃袋


第1回:ハロー!新天地
第2回:熊肉をかみしめながら考えたこと
第3回:エネルギーぐるり
第4回:「もっともっとしたい!」を耕す
第5回:「逃げる」を受容するということ
第6回:生産者巡礼と涅槃(ねはん)修行
第7回:「ファミ農」、はじめました。
第8回:東京から遠い山梨、山梨から近い東京
第9回:土と水と植物と身体と
第10回:自立と成長のこどもたちの夏
第11回:自分らしくあれる大地
第12回(前編):今年は引越・入学・転園・開業・出産!
第12回(後編):今年は引越・入学・転園・開業・出産!
第13回: 素晴らしき八ヶ岳店スタート&出産カウントダウン!
第14回:出産から分断を包み込む
第15回:味噌で、映画で、交わる古民家
第16回:夫、妄想殺人事件!


研究員プロフィール:石田 恵海

つくるめぐみ代表
得意なテーマは自ら実践する「田舎暮らし」「女性の起業」「自由教育」。八ヶ岳ガストロノミーレストラン「Terroir愛と胃袋」女将であり、「自分らしい生き方」などをテーマとした編集・ライターでもあり、三兄弟の母でもあり、こどもたちをオルタナティブスクールに通わせている。「誰もが、オシャレしてメシ食って恋して仕事して、最期まで自分を生きられる、自立した社会づくりに貢献すること」を理念に活動。2020年より古民家一棟貸しの宿、棚田を愛でながらコーヒーを楽しむカフェ・ギャラリーも開業する。
Terroir 愛と胃袋

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